停滞期を打破する力士の登場を望む

平成28年(2016年)九州場所、大関・稀勢の里は千秋楽に勝って12勝3敗で場所を終え、星取りの上では”2位”だったものの、横綱・鶴竜が14日目に優勝を決めたため(14勝1敗)、誰がどう見ても「優勝に準ずる」とはいえない成績だったものの、その年の最強力士である”年間最多勝”を獲得したこともあってか、審判部からは「来場所ハイレベルな優勝争いをすれば」という”綱取り”を認める発言がありましたよね。
私はこれにはほとほと呆れました。
横綱審議委員会の内規には、「大関で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績を上げた力士」とありますけど、この20年間に生まれた8人の横綱は、鶴竜を除いて全てが2場所連続優勝での昇進、鶴竜だって決定戦までいっての準優勝(14勝1敗)の次の場所で見事優勝(14勝1敗)したわけですから、十分に内記に適っているわけです。
それをなぜ稀勢の里だけ内記を緩和するのか、私には理解できません。
優勝(13勝2敗)→勝ち星2位(13勝2敗)→優勝(13勝2敗)で涙を呑んだ小錦や、優勝(13勝2敗)→勝ち星2位(13勝2敗)でぬか喜びした魁皇にどう説明するのでしょう?

そんな思いでこの平成29年初場所を眺めていた私ですが、今場所の稀勢の里の泰然自若とした相撲を見ていて、「全勝ならば昇進させてもいいのではないか…」と思い始めていたんです。
ところが、中日に勝ち越したものの腰が高くなる悪い癖が出ると、今日9日目には今場所不調の琴奨菊にがぶられてのあっけない敗戦。
中日に白鵬が負けて単独トップに立ったことがかえって重圧になったのかもしれませんね。
これまで何度も見た光景ですけど…。

年間最多勝を獲ったことでもわかるように、現在幕内最強は間違いなく稀勢の里でしょう。
しかし、それは稀勢の里が強いのではなく、周りが衰えたから、といった方が正しいように思います。
横綱・白鵬と鶴竜は31歳、横綱・日馬富士と大関・琴奨菊は32歳。
年齢もそうですし、蓄積した疲労や負傷で、みんなもう全盛期はとうに過ぎました。
いま元気な稀勢の里や大関・豪栄道にしろ30歳ですし、大関以上で20代は25歳の大関・照ノ富士しかいません。
その照ノ富士も膝の怪我を抱え、伸びしろが感じられず、横綱・大関陣は看板ほどの強さはないといっていいでしょう。

昨年から高安や正代が注目され始め、今場所は御嶽海が活躍し、若手の台頭が叫ばれる大相撲ですが、若手が強くなったのではなく、上が衰えてきたわけです。
本当に強い若手が出てきたら、その力士はとっくに大関になっていますよ。
いまの20代半ばの力士のなかに、これからの大相撲を背負って立ちそうな顔がいないことをもっと心配すべきです。
過去の横綱たちの多くは20代半ばには大関になっていて、早いひとならもう綱を締めていたんです。それを忘れてはなりません。

周りが衰えても綱が取れない稀勢の里、上を食えない若手たち。
いまの大相撲は完全に停滞期に入ってしまっています。
昨年は5人の優勝力士が出るなど混戦状況が続いていて、予想もつかない優勝争いは面白いかもしれませんが、それは競技的な面白さとはまた別のところにある話です。
あと数年で横綱・大関陣がごっそりと引退することは確実で、平成4年~5年にあった”横綱不在”は、もうすぐそこに迫ってきています。
あの頃は若手に曙や貴乃花、若乃花や魁皇といった〈花の六三組〉が控えていたので問題はありませんでしたけど、ははたしていまはどうなのでしょう?
「日本人の綱取り」ばかりいっているうちに、なんだか取り返しのつかない事態になってきているような気がしてなりません。
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