節分の日に、鬼のような大統領から

昨日2月3日(2017年)、日本を訪問したアメリカのジェイムズ・マティス国防長官は、安倍晋三総理大臣との会談で、「尖閣諸島は日米安全保障条約第5条にあるアメリカの防衛義務の適用範囲にあり、尖閣諸島における日本の施政権を侵害するいかなる一方的な行動にも反対する」と明言しました。
これは今回の訪問で、安倍政権側が最も求めていた言葉だっただけに、それだけでこの初会談は成功だったといえるでしょう。
NHKもニュース速報でこれを流すという異例の扱いだったみたいですね。

しかし、マティス国防長官の言葉というのは、前のオバマ政権(もっといえばその前から)の方針をそのまま引き継いだだけであり、内容に目新しさはありません。日本の”領有権”を認める、といっていたらびっくりしましたけどね。
ただ、トランプ政権が誕生して2週間という早い時期の、それもマティス国防長官の初の外遊で、この言葉が出てきたことには大きな意義があります。
対中国に関して、トランプ大統領は選挙戦のときから毅然とした態度を見せていましたけど、今後もその方針が変わらないと明確になったわけです。
これは、マティス国防長官が訪日の前に韓国に立ち寄り、韓国への完全なる軍事的支援を表明した上で、「北朝鮮からの米国とその同盟国へのあらゆる攻撃は全て撃退する。彼らが核兵器を使用すれば、圧倒的な報復に遭うだろう」と警告したのも同じことです。トランプ大統領は北に対してもかなり厳しい態度で臨むことでしょう。

トランプ政権は各方面から色々と批判されてはいますが、こと東アジア政策については信頼がおけそうです。
前のオバマ政権に比べて、かなり安心して見ることができます。
成立当初(2009年)のオバマ政権は親中路線を取り、結果的に、海洋進出という名の中国の覇権主義を助長させてしまいましたし、北朝鮮に対する戦略的忍耐路線という名の傍観政策は、核とミサイルの開発を進展させてしまいました。
その後、徐々に中国との距離を取ったオバマ政権は、尖閣が日米安保の適用範囲であることを明言したり、南シナ海問題でも中国を牽制するようになったり、北へも経済制裁を強める動きを見せましたけど、とっかかりを誤ったことで、大きな課題をトランプ政権に残すことになったわけです。

バラク・オバマという大統領は、東アジアだけではなく、イラクやシリアに関しても、外交政策ではとにかく”ブレ”が目立ちました。
一貫性があったとすれば、「アメリカはもう世界の警察官ではない」といって、外国への軍隊の派遣を躊躇し、外交・安全保障に関して内向きになってしまったことでしょう。
外国への介入は、スパイを送り、武器を提供することが主になってしまいました。
そして、そのことがイスラム国のような過激派を生み、ウクライナを迷走させたことも否定はできません。
トランプ大統領は「世界に混乱をもたらす」などとよくいわれますが、真に混乱をもたらしたのは前の大統領ではないでしょうか。

もちろん、トランプ大統領の外交・安全保障政策はいまだその全容が見えてこないので、頭から信用するわけにはゆきませんが、マティス国防長官は、その経歴や言動からも、大いに信頼に足る人物だと思われます。
節分の日に、鬼のような顔をした大統領から福が届けられたことを、いまは喜ぶこととしましょう。
懸念されていた米軍の駐留費に関しても、「日米の経費分担は他の同盟国での手本となる」といって、負担増にはならなそうですしね。
ただ、マティス国防長官には、甘えやなあなあが許されそうな雰囲気は一切ありません。
我々日本も、自分たちの国家観や安全保障政策をより明確にしてゆかなければならない時期がやってきたようです。
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト
プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード