2017四大陸フィギュア女子SP エース不在の難しさ

今年2017年の四大陸選手権の会場は韓国の江陵市のアイスアリーナ。
ここは来年の冬季五輪でも使われるであろうリンクということで、今大会はいわゆるプレ五輪になります。
五輪を目指す出場選手たちも会場の雰囲気と氷に慣れておきたいところですよね。
そして、その五輪に出場するためには、代表にならないといけないのはもちろん、国としての”出場枠”も大切になります。選手層の厚い国になればなるほど、”3”が欲しいわけです。
この枠は五輪前年の世界選手権の成績で決まるのですが、日本の男女シングルは過去2大会でしっかり3枠を確保してきました。
しかし、来る3月の世界選手権に向けて、日本女子はエースの宮原知子が股関節の疲労骨折で四大陸を欠場。世界選手権でも万全の状態で臨めるかどうかは不透明です(ファンは祈るのみ)。

そんななか始まる四大陸選手権は、アメリカとカナダという、日本と同じく3枠獲得を目論む国との直接対決になります。
ここで後塵を拝していれば、おそらく世界選手権は難しい状況になるはずです。
三原麻衣さんと樋口新葉さんという世界選手権代表の2人と、宮原さんの代役での出場となった本郷理華さんが、エース不在の状況で、日本女子の底力を見せられるかどうか、試練の戦いが始まります。

そうして始まったSPでは、まず第2グループ(全4G)に登場した三原舞依さんが緊張感のある助走から3Lz+3Tをしっかり決めてスタートすると、技術の安定したシットとコンビネーションスピン、自分をリラックスさせるように微笑みながらスケートを伸ばしての後半2Aも手堅く。
初のチャンピオンシップでの張り詰めたような三原さんの滑りに、観ているこっちも喉が乾いてきました。
ビールマンスピンを終えてからのステップシークエンスでは、深いエッジをベースにした伸びやかなスケートは見事だったものの、身体を大きく使おうという意識が伝わる振り付けの部分にはどこかぎこちなさも。
しかし、最後の3Fをばっちり着氷したのは本当にお見事!笑顔もこぼれた!
緊張感と重圧をねじ伏せた演技に本人も大きくガッツポーズをしていましたけど、このメンタルの強さには脱帽です。頼りになるわあ。
SPは66.51(TES37.31・PCS29.20)。
正直もうちょっとスコアが高くてもいいと思うんですけど、第2Gということで抑えめだったかもしれませんね。

三原さんが作ったいい流れに乗りたい第3Gの樋口新葉さんは、綺麗な身ごなしから『ラ・カリファ』をスタートさせるも、最初の2Aが詰まっておかしな着氷になるまさかのミス。
それでもキャメルとコンビネーションスピンは落ち着いて回り、ステップでは情感を意識した振り付けと独創性のある動き、ターンも正確。ただ、緊張からか身体があまり動かず、曲に広がりが出てきません。
ちょっと嫌な雰囲気のなか、後半冒頭の3Lz+3Tで転倒(回転も微妙)、これは痛い。
次も苦手な3F(エラー気味)で、我々は固唾を呑んで見守るところでしたけど、これをしっかり着氷したのはお見事!
そうしてヘアカッタースピンでしっとり演技を終えた樋口さんは、ジャンプのミスを2つもしてしまったせいか、がっかりしたような表情。キスクラでも涙が見えました。
SPは58.83(31.44・28.39・減点1)。
FSまで1日開くので、そこで気持ちを建て直して!

最終Gの本郷理華さんは、チャレンジしていった最初のジャンプが2F+3T(UR)になると、続いてのビールマンも回転が緩くなり、丁寧なキャメルスピンでなんとか持ちなおすも、動きがちょっと硬い。
こうなると後半冒頭の3Lzはかなり不安でしたけど、ここをしっかり決めると、2Aの降りから入ったステップでは情熱を込めた『カルミナ・ブラーナ』。力強い振り付けとエッジワークで大いに観る者を魅了します。
そうして最後も集中したコンビネーションスピンでフィニッシュ。
前半はどうなるかと思いましたけど、後半で挽回したのはさすがですね。
SPは59.16(29.66・29.50)。
世界選手権の代表からは漏れた本郷さんですが、FSでは来季に繋がる滑りに期待です。

全米選手権でグレイシー・ゴールドが6位に沈み、新鋭のカレン・チェンが優勝するという波乱があったアメリカ女子ですが、全米2位のアシュリー・ワグナーが世界選手権に集中するとのことで四大陸を回避、今回の代表はチェンとマライア・ベル、そして4位の長洲未来さんになりました。
世界選手権はチェン、ワグナー、ベルの3選手のはずです
そうして奇しくも日本と同じく”エース格”が不在のアメリカですけど、マライア・ベルが冒頭3Lz+2T、後半3Fステップアウトという内容で61.21(31.69・29.52)。得意のステップシークエンスで盛り返したとはいえ、やや高いスコア。
アメリカ期待のカレン・チェンは、3Lz+2Tをおかしな両足着氷、後半の3Loはまさかのダウングレード(2Lo判定でもいいくらい)という大崩れ。”全米女王”のプレッシャーに負けたか。
スコアは55.60(26.32・30.28)。
若手たちが苦しむなか、ベテランの貫禄を見せたい長洲さんは気合の入った3F+3でスタートし、得意のスピンで演技を盛り上げるも、後半の3Loが両足着氷。
それでも2Aは成功させ、ステップでは丁寧な振り付けとボディコントロールでショパンを表現し、レイバックスピンで盛り返してのフィニッシュ。SPは62.91(32.43・3048)。
アメリカ女子を見ていると、フィギュアは個人戦とはいえ、やはり軸になる選手が必要だと痛感させられますね。

日本やアメリカとは違って、ケイトリン・オズモンド、ガブリエル・デールマン、アレイン・チャートランドというカナダ選手権1・2・3位を揃えたのがカナダ女子。
しかし、チャートランドが3Lzオーバーターン、リカバリーしたい3Loで転倒というショッキングなミス。ステップシークエンスや表現の部分では上達を見せていただけに残念。SPは53.64(26.14・28.50・減点1)。

今季は好調で世界のメダルも狙えそうなオズモンドは、大胆な振り付けとターンで一気に世界を作り、3F+3Tは素晴らし流れ、しっかり繋ぎを入れてからの3Lzはやや詰まりも成功(エッジは微妙)。
そしてイーグルからキャメル、踊りを入れて後半へ繋ぐも2Aで転倒。
迫力のビールマンで気を取り直し、得意のステップでは誰にも真似できないような鋭いターン、巧みなボディコントロール、もっと見たいと思うなかあっさり終わり、豪快なコンビネーションスピンでフィニッシュ。
繋ぎが多く、瞬きひとつ許さない濃縮したプログラム。これを踊り切れるオズモンドの才能は本当に素晴らしいです。
あとはスタミナと集中力の持続ですね。
SPは68.21(36.42・32.79)。

最終滑走のデールマンはもの凄いスピードからの大きな3T+3Tで会場をあっといわせると、身体が硬いヘアカッターとキャメルスピン、『エロディアード』らしく激しい滑りで入った後半は、3Lzで勢い余って着氷が流れるも、次の2Aは成功、ステップもきびきびしたいい動きを見せ、最後はしっかりコンビネーションスピンで納得の表情。
高い身体能力をベースにした力強い演技でしたね。
SPは68.25(36.97・31.28)で首位!
苦手のFSを克服できるかどうか見ものです。

SPが終わって首位デールマン、2位オズモンド、3位トゥルシンバエワ(カザフ)、4位三原さん、5位長洲さん、6位チェ・ダビン(韓国)、7位ベル、8位李子君(中国)、9位本郷さん、10位樋口さん(12位チェン、15位チャートランド)。
”仮想3枠争い”でいうとカナダが大きくリードしちゃいましたけど、FSでの日本女子の巻き返しに期待しましょう!
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