2017四大陸フィギュア男子FS(前) 道は開いた

2017四大陸男子シングルは、SPが終わって、1位ネイサン・チェン103.12、2位宇野昌磨100.28、3位羽生結弦97.04という並びになり、優勝争いはこの3選手に絞られたといっていい状況。
いまの実力から見て、この3選手は、来月の世界選手権はもちろん、来年の五輪でも王座争いを繰り広げることも間違いありません。長い戦いはすでに始まっているんです。
というわけで、3選手が未来を見据えながら火花を散らしたFSをざっくばらんに。

SP11位の田中刑事くんは、SPに続いて4S予定の冒頭が3Sに抜けてしまうと、次も2Sになって、本人も我々もがっくり。
それでも3Aはしっかり降りると、音楽が盛り上がってのステップシークエンスでは、大きく手足を躍らせ、表情の演技も『フェデリコ・フェリーニメドレー』になりきります。
しかし、後半冒頭が2F+2Tになっていいムードもどこへやら。
次の3A+2T+2Loと3Lzを着氷して盛り返し、3Loは軸が斜めになりながらなんとか、3Fは気合の飛翔、コレオと最後のスピンも頑張って気持ちは切らしませんでした。
FSは142.63(TES68.71・PCS73.92)、合計220.18。
プレッシャーもあまりない大会だと思うんですけど(しかも日本の3番手)、どうして混乱したような滑りになってしまうのでしょうか…。
五輪を目指すためには精神修行しかありませんね。

最終グループでは中国の金博洋が2転倒などジャンプミスを乱発したものの、4回転5本・3A2本という基礎点の高さで176.18(100.74・77.44・減点2)、合計267.51。
初挑戦の4Loは回転不足(UR)の転倒でしたけど、基礎点を上げてゆく戦略は正しいと思います。
全部きちんと降りれば200点に届くはずですからね!

いつの間にかライバル勢に基礎点で置いて行かれるようになったパトリック・チャン(カナダ)ですが、この日はクリーンな4T+3Tで発進すると、苦手な3Aもリニアモーターカーのような滑りから軽々成功。
しかし、今季導入の4Sがダウングレード気味の転倒になってしまうと(判定はUR)、続くキャメルスピンもやや緩んでしまい、立ち上がりの勢いも雲散霧消。
コレオシークエンスでは美しい舞を披露してそれを挽回したかに思えたものの、後半頭の4Tで転倒、続く3Aでは手をついてしまってコンボにできないミス(リピート減点)、3Loはしっかり決めるも、リカバリーを意識したのか3Lzはステップアウト。
3F+2T+2Loと終盤のステップでは意地を見せてくれましたけど、最後のスピンではちょっと気持ちが切れていましたね。
FSは179.52(88.94・92.58・減点2)、合計267.98。
計ったように金博洋の上だったのは”さすが”カナダのエース、パトリック・チャン。

逆転での優勝を視界に捉えるなか、冒頭に初挑戦で「成功率の低い」4Loをもってきた宇野昌磨は、それを見事に決めて好スタートを切ると、難しい4Fもクリーンに着氷し、気になる3LzもOK!
初戴冠への期待が時計の針とともに進む『ブエノスアイレス午前零時』のステップでは、加速する音楽に同調しながら、きびきびと身体がよく動き、徐々に徐々に滑りのテンションが高まってゆく圧巻の内容。
コンビネーションスピンで前半を締めたとき、私の脳裏には表彰台の一番上に立つ宇野くんのハニカミと、女子の三原さんとのアベック優勝の見出しが踊っていました。心が乱れるとはこのことです。
ところが、後半冒頭、盤石のはずの3Aでまさかの転倒。私の頭は真っ白。
しかし、すっくと立ちあがった宇野くんは、音楽を練るような振り付けで力を蓄え、勝負の4Tを踏み切ると、こらえながらも決めた!
そして集中した表情で身体を翻してからの勝負の4T+2Tも決めた!よっしゃあ!この気持ちの強さはどうだ!タイトルは目の前だ!
そんな風に私は興奮が抑えられなかったものの、宇野くんは冷静にぬめりとしたイーグルで会場に夜霧を漂わせ、表現者としての自分を忘れません。
そんな彼だからこそ栄光を掴んで欲しい、そんな期待が高まる3Aでしたけど、またもやまさかの転倒!誰か嘘だといってくれ!
そうして刀折れ矢尽きた宇野くんですが、3Sをしっかり決め、コレオではクリムキンで魅せ、最後のフライングからのスピンも自分への怒りをぶつけるような力強さでした。
刀は折れたかもしれませんが、気持ちは折れなかったと思います。よくやりました。拍手を送りたいです。
FSは187.77(96.69・91.08・減点2)、合計288.05。
1本目はまだしも、2本目の3A転倒は本人的にも大きな誤算だったことでしょう。予定ならば3A+1Lo+3Fで15.73の基礎点があるのに、リピートと転倒の減点で2.55にしかなりませんでした。
また、この転倒の影響か、3Sに+3Tを付けられなかったのも痛かったですよね。
宇野くん本人も悔しかったことでしょうけど、私も本当に悔しくて、歯ぐきから血がでそう。
ただ、今回は初挑戦の4Loを含めて4本の4回転を成功させたのは本当に大きいと思います。
これで羽生結弦とネイサン・チェンとがっぷり四ツで戦える。
頂点への道は開いた!
(激闘の結果は後編で。)
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