防災ヘリ墜落事故、悲しみと憤り

”消防士”といえば、世界のどんな国でも最も尊敬される職業のひとつであり、アメリカなどでは子供から大人までが憧れるヒーローとして映画やドラマで描かれていますよね。
我々の日本ではそこまでいかないかもしれませんが、市民から大きな信頼を寄せられていることは間違いありません。私も「消防士」と聞くだけで、立ち上がって敬意を表したくなります。

子供の頃、学校からの帰り道、地元の若い消防士さんたちが、勾配のきつい坂道を駆け上がる自主訓練をしていたのをよく見かけたものです。足元はトレーニングシューズではなく、防災靴だったように記憶しています。
日焼けした肌と、短く刈り上げられた頭から滴る汗が、真っ赤な夕日を浴びてキラキラしていました。
子供の私はわけもわからず、その姿に神々しいものを感じたものですけど、大人になって少しわかってきたように思います。
それは彼らが、”誰かのため”に自分を鍛えていたからでしょう。
普通、トレーニングといえば、スポーツをしているひとならば自分の成績を向上させるため、または健康のため、鍛えることによる満足感のためというひともいるでしょう。
要するに”自分のため”です。
”誰かのため”に自分を鍛えるというのは、そんなに多いことではありません。
ですから、消防士さんたちのそれは貴重なものであり、また、その姿が我々に安心を与えてくれるのです。

ただ、その訓練も、実践的で過酷なものになればなるほど、我々が見かけることはありません。レスキュー隊がやるようなものになればなおさらでしょう。全国の隊員たちが、今日も”誰かのため”に、どこかで危険な訓練を繰り返しているのです。
そして、その訓練には”事故”もつきものだと思います。ギリギリの状況を作らねば、本番では役に立ちませんからね。

しかし、実際に事故が起こってみると、そこまでしなくてもいいのではないかと、悲しいやら悔しいやら、複雑な思いに駆られます。
この3月5日(2017年)、松本市と岡谷市の境にある鉢伏山に、長野県の消防防災ヘリコプターが墜落し、訓練中の9人の搭乗者全てが命を落とすという痛ましい事故は、長野県民に大きな衝撃を与えました。
彼らは長野県ならではの”山岳救助”のための部隊であり、経験豊富で有為な人材だったといいます。
そして、ご家族にとっては自慢の息子であり、自慢の夫であり、自慢の父親だったはずです。
本当に残念でなりません。
今日9日の段階でも事故原因はわかっておらず、それを解明することも大事でしょうけど、それよりもいまは県民全体がこの悲しみをご家族と共有すべきときだと思います。
もちろん、亡き隊員たちのためにも、防災への意識を高めることも忘れてはなりません。

その防災でいえば、復興政務官という立場にありながら、台風被害の視察に防災長靴を忘れ、それを反省もせず、自ら茶化すような政治家が長野県から選出されていることに、私は大きな憤りを感じています。
その衆議院議員が軽口を叩いた政治資金パーティーは、昨日8日に行われました。
ヘリコプター事故のことが少しでも頭にあれば、もっと真摯な発言があったはずです。

真に反省しているならば、人知れず、鉢伏山を防災靴で登ってください。
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