2017世界フィギュア、男子FS(前) 英雄の凱旋

ヘルシンキで行われた2017世界フィギュアを期待を通りワンツーフィニッシュで制した羽生結弦と宇野昌磨が、今日4月4日、晴れがましい笑顔で日本に帰ってきました!
空港はまさに”凱旋”といった雰囲気で大騒ぎだったようですけど、それだけ今回の2人の演技がひとびとの心を震わせるエネルギーに満ちていたということです。
2人はスポーツの素晴らしさ、フィギュアスケートの素晴らしさを我々に再認識させ、その興奮を勝利につなげることで、最高の喜びをもたらしてくれたのです。
彼らは我々の英雄であり、宝物です。

みなさんご存知のように、2017世界フィギュア男子シングルは、複数種類の4回転が飛び交う、稀に見るハイレベルな激闘でした。
しかも、SPでは羽生結弦にミスが出てまさかの5位(98.39)。宇野昌磨はPB104.86を叩きだすも、それを前年王者のハビエル・フェルナンデスに109.05で軽々と捲られるという厳しい展開。
フェルナンデスの実力を考えれば、FSではひとつのミスも許されない、そんな状況に追い込まれたわけです。

そうして始まったFS最終グループ、抽選で一番滑走を引いたのは羽生結弦。
逆転のためにプレッシャーをかけるという意味では”引き当てた”といっていい順番。”運”はある!
自分を信じきったように素晴らしく集中した表情で滑り始めた羽生結弦は、さも当たり前のように4Loを決めると、このところミスが頻発する4Sも完璧な飛翔!
2つのビッグジャンプで沸騰する空気を柔らかなビールマンスピンでなだめ、ステップシークエンスでは軽やかで繊細な足さばきで氷を煌めかせながら希望を紡いでゆきます。
その流れのまま繋ぎのような3Fをずばりと降り、自分の思いとひとびとの応援を心に収めるような振り付けから、勝負の後半冒頭は4S+3T!これを豪快に決めた!SPでミスがあったジャンプを乗り越えた!
続く4Tも目が覚めるような軌道を描くと、そこからは3A+タノ2Tと3A+1Lo+3Sで畳みかけ、足の疲労を厭わない深いシットスピン、会場のボルテージがマックスを振り切るなかのコレオシークエンスは森を吹き抜ける一陣の風。会場の声援が羽生結弦の翼に力を与える!
そうして、みんなの祈りが通じた3Lz、パーフェクトを確信した最後のコンビネーションスピン、そこには人間の域を超えた演技がありました。
これはまさに『Hope & Legacy』。
羽生結弦そのものの世界です。
それにしても、いま思い出しても指が震えます。
人間ってこんなに凄いことが出来るんだ、フィギュアスケートってこんなに素晴らしいんだ。
世界にはフィギュアを知らないひとがまだまだたくさんいると思いますけど、すべてのひとにこの羽生結弦の演技を見せてあげたい。いや、ぜひ見て欲しい。価値観が変わる一撃です。
そんなFSのスコアは223.20(TES126.12・PCS97.08)でPB!合計も321.59まで伸びた!
これは後続にとって十分なプレッシャーになる!

羽生結弦が作った異様な雰囲気のなか、ネイサン・チェン(アメリカ)は6本の4回転に挑むも、2度の転倒があって、193.39(110.61・84.78・減点2)のトータル290.72。転倒や4回転の負担から演技全体にスピードがなく、残念な内容でした。
もちろん、全米王者の重圧もあったかもしれません。SP・FSともに演技に硬さが目立ちました。
4種の4回転を操るとはいえ、彼はまだシニアデビューの17歳なのですからね。
しかし、とてつもない才能のある若者ですから、来季はまた我々を大いに楽しませ、恐れさせてくれることでしょう。
怪我だけは気をつけて!

羽生結弦の進化のきっかけとなった金博洋(中国)は、4Lzを含む4回転4本と3A2本の構成をノーミスで仕上げる圧巻の内容。この大会では課題だったジャンプの質もずいぶん向上していました。
FSは20494(118.94・86.00)でPB!合計303.58もPB!
SPもノーミスでしたし、この安定感もこの選手の大きな武器です。
今季は表現の部分も含め、演技の質を上げることを意識してやってきたみたいですけど、それが最後の試合でものになったのですから、かなりの手ごたえを得たことでしょう。
2022年冬季北京五輪までの『道』はまだまだ長い。がんばれクワドモンスター!

若手たちのジャンプの進化に「芸術性で対抗する」パトリック・チャンですが、今季ちゃっかり導入した4SをこのFSでも決めた!ものになってきましたねえ。
しかし、苦手の3A(コンビ)と後半4Tにミスが出て、FSは193.03(98.11・94.92)、合計295.16。
今季は4回転3本・3A2本という構成に挑み、それに苦しんだパトリックですが、ジャンプに集中するために”つなぎ”が少なくなっていること、後半にスタミナが切れてジャンプや滑りの質が落ちてしまうことが気になります。
ビッグジャンプで気持ちと体のスタミナを消費しているうちは”芸術性”も上がってきませんよね。
彼の口から「ジャンプが大切」という言葉が出てくるとき、あの絶対王者が帰ってくるはずです。
他の選手の4回転バトルを「高みの見物」などといっている姿は見たくない!
(長くなってきたので後編に続きます。)
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