シリアへの爆撃、トランプ大統領の釘

”晩餐会中のミサイル”といえば、2月(2017年)に安倍晋三総理がトランプ米大統領の別荘に招かれた際の北朝鮮のミサイル実験がまだ記憶に新しいところですが、トランプ大統領もそのことが頭の片隅にあったのか、4月6日(アメリカ時間)、同じ別荘に中国の習近平国家主席を招いての晩餐会に合わせるかのように、シリアの空軍基地への巡航ミサイル発射を行ったのは驚きでした。

この攻撃を行った理由についてトランプ大統領は、4月4日にシリア軍が反政府勢力の支配地域に神経ガスを搭載した爆撃を行い、「罪のない市民に恐るべき化学兵器が使われ、子供や赤ん坊までもが犠牲になった」ことに対する措置であると説明していました。
ミサイル攻撃の前日に、「シリアは一線を越えた」といって静かな怒りを見せていたものが現実となった格好です。
シリアのアサド政権によるサリンとみられる神経ガス使用は2013年にも起きていて、当時のオバマ大統領はシリアへの武力制裁をいったん決めたものの、ロシアが間に入ったことでそれを取り止めたという過去があります。
トランプ大統領はこのときアメリカが介入を躊躇ったことでシリアの混乱が深まった、とオバマ大統領を非難していたので、前任者との違いを見せたともいえますよね。

今回の”サリン”については、アメリカがその使用を調査したのではなく、英国に拠点がある〈シリア人権監視団〉というNGOや国際医療グループによる発表なので、イラク戦争のときの”大量破壊兵器”とは違って、客観性と信憑性のあるものです。
そのため、トランプ大統領の決断には、日本を含む同盟国やヨーロッパ諸国もすぐさま”支持”の意向を表明しました。
しかも、首脳会談中の習近平主席までもが珍しく「理解を示した」というのですから、トランプ大統領からしたらしてやったりのタイミングでした。
反発を鮮明にしているのは、アサド政権を支援するロシアと、アメリカと敵対しているイランくらいです。

ただ、アメリカのシリア攻撃は限定的で、地上軍を送り込んでシリア政府と全面対決するということは考えていないようです(※地上軍の派遣はアメリカ国内でかなり嫌がられています)。
もともとトランプ大統領は「IS掃討が重要であり、ロシアやアサド政権とは敵対しない」という方針でしたし、反政府勢力の味方をしているわけでもありません。基本的にはシリアの統治はアサド政権に任せているはずです。
しかし、その統治の方法については、何でもありというわけではない、とミサイル攻撃で”釘を刺した”のだと思います。
煩いロシアも、サンクトペテルブルクの地下鉄テロが起きたばかりなので、プーチン大統領の手がシリアまで回らないという読みもあったことでしょう。

そして、もちろん、この攻撃がシリアと同じならず者国家である北朝鮮とその後ろ盾たる中国に対して、最大級の威嚇になることは間違いありません。
北は国連安保理決議を無視する形で核とミサイル実験を繰り返しているだけではなく、キム・ジョンナム氏暗殺の際には”サリンVX”も使っているのです(※恥ずかしい勘違いを訂正します!)。
ならば、アメリカが北のミサイル施設や化学兵器工場を攻撃したってなんの不思議もないわけです。北の指導者は眠れぬ夜を過ごしていることでしょう。
習近平主席も完全に受け身になってしまって、もはや頼りになりそうもありません。

この巡航ミサイル発射によって、トランプ大統領はアメリカが国際社会の主導権を握っていることを明らかにしました。
これからは世界中がトランプ大統領の顔色を窺うことになるでしょう。
それが国際社会の安定に繋がれば、まさに「Make America Great Again」です。
ただ、アメリカ国内にも世界にも武力行使に反発する声が聞こえないわけではなく、そういうひとたちは口を揃えて「トランプの暴走が怖い」と叫んでいますよね。
しかし、今回の攻撃を見ても、トランプ大統領は暴走などしておらず、筋を通し、国内世論と世界各国の理解を考えての決断であることは確かです。
たった一度の攻撃で、シリア情勢に深入りせずに確固たる影響力を形成し、反アサドのヨーロッパ諸国を喜ばせ、北朝鮮と中国に圧力をかけるなど、セレブたちのいう「アメリカの恥」や「バカ」に出来ることではありません。
私は素直に”大したものだ”と思いました。

この大統領は、”やるときはやる”んです。
我々日本もそのときに備えましょう。
次に釘が刺さるとすれば、私たちのすぐそばの国のはずです。
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