浅田真央、桜のように

「これだけたくさんの方が集まってくださってびっくり」
400人を超える報道陣の熱気に浅田真央本人が目を丸くしたように、今日2017年4月12日に行われた彼女の引退会見は国民的関心事でした。
テレビ各局は特別編成を組み、NHKまでもが午前11時半から生中継するなど、異例中の異例といっていいでしょう。

そこに「晴れやかな気持ちなので」といって輝くような白いブラウスとジャケットで現れた浅田真央の表情は、その言葉通りに一点の曇りもないものでした。
そして、冒頭の挨拶が終わり、質疑応答で、引退を決断したきっかけを聞かれると、「身体や気持ちの面で復帰前より辛いものがありました。いまのスケート界についてゆけるかなっていう思いも強くなってゆき、全日本選手権で、もういいんじゃないかなって」と語った上で、「気持ちも身体も気力も全部出し切ったので悔いはありません」と明言。
12月の全日本から引退発表まで時間がかかったことについては、「次の五輪を目指すといって復帰したので葛藤があった」とのことでした。
具体的に引退を決めたのは2月だそうですけど、全日本の演技直後も辞める雰囲気はなかったので、今回日本中がびっくりしたわけですよね。

その”葛藤”した理由については、「自分がいったことはやり遂げる、決めたことは貫く」という信念でやってきたからだと説明し、それは「母」から授かったものでもあり、自分の「頑固」さだと自己分析した浅田さん。
また、その最初の達成体験として挙げたのが「トリプルアクセル跳ぶと決めて長野県の野辺山合宿に行き、初めて跳べたこと」でしたけど、私の地元・長野県の地方ニュースではこれをとりわけ大きく扱っていました。
野辺山に〈浅田真央トリプルアクセル生誕の地〉とかいう石碑が建ったりして…。

その代名詞であるトリプルアクセルについては、「伊藤みどりさんみたいなトリプルアクセルが跳びたいと思ってやってきました。自分の強さでもあったけれども反面悩まされることもあった」と率直な思いを吐露し、その前の質問には「自分は試合にそこまで強いタイプではないので、そういう言葉(ノーミスやパーフェクト)をあえて自分にかけていた」と語っていたのは印象的でした。
浅田真央といえば、競技会を”試合”と呼ぶ唯一の選手ですが、それだけに”勝つこと””一番になること”へのこだわりが強かったのは間違いなく、いまの自分が世界のトップで戦うことが出来ないと感じたのが引退の理由ということなのでしょう。
フィギュアスケートはスポーツと芸術の中間のような競技ですけど、浅田さんはどちらかというと自分自身をアスリートでありファイターだと既定しているのだと思います。
だから、戦えないとわかったとき、潔く身を引く。
この引退のタイミングも、会見での晴れやかさも、浅田真央らしいのかもしれません。

そして会見も終了の時間となり、最後の挨拶をするために椅子から立ち上がった浅田さんでしたが、そのとき感極まったのか、初めて眼に涙が浮かび、言葉を詰まらせたままくるりと後ろを向くと、指でそれを拭い、「スケート人生で経験したことを忘れずに、これから新たな目標を見つけて、笑顔で前に進んでいきたいと思っています。みなさん応援どうもありがとうございました」といって笑顔で会場をあとにしました。

この散り際の美しさ。
日本人が浅田真央を愛してやまない理由が分かるというものです。
いまの桜の季節こそ、彼女の引退会見に相応しかったのだと思います。

そして、桜はまた咲く。
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