文化財と観光資源

2月から3月(2017年)にかけて野党(民進・共産・社民・自由)とマスコミが大騒ぎしていた〈森友学園問題〉で毎日のようにバッシングを受けていた安倍晋三内閣ですが、4月に行われた各社の世論調査では支持率が50%を楽々超え、政党支持率でも自民党が民進党の5倍6倍もあるのですから、まさに盤石としかいいようがありません。
指示する理由は”他にないから”がトップのようですけど、新たに始まったトランプ大統領との日米関係、緊張する北朝鮮問題を考えれば、日本の舵取りが出来るのは「安倍総理しかいない」ということなのでしょう。

しかし、政権が4年以上続くとなると、どうしても緩みや綻びというものが生じてくるものです。
むろん、安倍総理や菅義偉官房長官、麻生太郎副総理や岸田文雄外務大臣といった主要メンバーにはそれは微塵も見られませんが、内閣のなかには我が世の春が永遠に続くと勘違いしたようなひとがいるのも確かです。
講演会やパーティーで軽口をいって問題になった山本有二農水大臣や務台俊介復興政務官(辞任)。
お粗末答弁の金田勝年法務大臣と稲田朋美防衛大臣、そして”激高記者会見”の今村雅弘復興大臣。
野党やマスコミが目を皿のようにしてエラーを探しているというのに、隙だらけの言動をするのですから、任命した安倍総理もさぞかし頭が痛いことでしょう。

そんななか起きた山本幸三地方創生大臣の「一番のガンは学芸員。一掃しなくてはならない」という発言(4月16日の講演)ですが、私はこのニュースを聞いたとき、ちょっと笑っちゃいました。
こんな発言をしたら100%批判を受けるに決まっています。
このところ内閣のメンバーが定期的にポカをやらかしているというのに、少しも構わずにこういうことをいっちゃうのですから、山本大臣というひとはどれだけ肝が太いのでしょう。
閣僚にしておくのがもったいないくらいです!

ですが、まあいいたいことはわからないでもないんです。
地方創生大臣として、地方にある文化財(主に寺社仏閣)を観光資源としてもっと活用したいと思っているのに、文化財保護法やその番人である学芸員が壁となって自由な演出ができないということなのでしょう。
山本大臣は「文化財のルールで火も水も使えない。花が生けられない、お茶もできない。そういうことが当然のように行われている」(毎日新聞)という主張もしているようです。

安倍内閣のひとつの手柄ともいえるのが”外国人観光客の増加”ですけど、それをさらに加速させるためには、京都や東京といった人気スポットだけではなく、地方の魅力を掘り起こすことはとても大切だと思います。
そしてそれは地方に雇用を生むことにもなるでしょう。
しかし、だからといって文化財を”観光資源”という観点のみで評価するのは決して正しくはありません。
文化財というのはその土地に住むひとや日本人にとっての宝というのが第一義です。
その次に観光資源、つまりはお金儲けがあるのです。

山本大臣はご存知ないかもしれませんが、日本人は昔からそのバランスを心得ていました。
わかりやすいのはお寺さんがやっている”秘仏の御開帳”です。
ただ、その前にいうと、”秘仏”というのは本当はおかしな表現なんです。
なぜなら、もともとお寺のご本尊というのはひとの目には晒さないものです。
それは神秘性を高め、より一層ありがたがらせるという意味もありますし、仏像が傷まないようにするという意味もあるわけです

しかし、やっぱりみんなご本尊が見たいですよね。
そこで”御開帳”という催しが生まれ、何ヶ月に1度とか何年・何十年に1度とかいう間隔を設けることで、ひとびとの欲求を駆り立て、爆発的な参拝客を生じさせることに成功したわけです。
また、お寺の造営資金を稼ぐための”出開帳”という裏技もあって、江戸時代などは地方のお寺が江戸にご本尊を持って行って、大いに盛り上がったという記録がいくつも残っています。
もちろん、エンターテイメントに偏り過ぎることなく、信仰を基本にしながら現代に続いているのですから、日本のお寺さんはバランスが取れていたはずです。

山本大臣のようなひとたちも、学芸員のひとたちも、それぞれがアクセルとブレーキになりながら、いにしえびとの知恵と逞しさを継承していって欲しいものです。
もっとも、私自身はお金のことを考えがちですけどね…。
江戸時代の善光寺参りの賑わいを再び!
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