北朝鮮問題に綺麗な結末はない

このところ緊張感の高い状況が続く北朝鮮情勢ですが、軍事的威圧を強めていたアメリカのトランプ大統領が、昨日(2017年)5月1日に行われたアメリカの報道機関とのやり取りのなかで、「条件が整えばキム・ジョンウンと会うかもしれない」と話したことが、日本でも世界でも大きく伝えられています。
このトランプ大統領のいう条件とはもちろん”核と弾道ミサイルの破棄”に違いありませんし、対話ならば、相手の条件も呑むわけですけど、北朝鮮のそれは”キム王朝の承認”と”経済制裁解除”ということになるでしょう。

この対話の可能性について、私はゼロではないと思いますし、ブッシュ政権やオバマ政権とのときに比べれば、ずっと高いものだと思っています。
なぜなら、過去の政権と違って、トランプ大統領は北朝鮮の”自由”や”人権”についてはまったく言及していないからです。
兵器の開発を止め、アメリカに対する脅威がなくなれば、世界最悪の独裁国家であっても、その存続を黙認するかもしれません。

アメリカは自由と民主主義のリーダーとして、世界中の独裁国家を敵視していますけれども、自分たちに歯向かわず、協調路線を取り、経済関係で有益な国ならば、いくつも黙認しています。
親米のサウジアラビアやカタールがそうですし、”中央アジアの北朝鮮”と呼ばれるトルクメニスタンだって、周辺に脅威を与えず、アメリカと経済的な結びつきがあるので表立った批難はされていません(民主化工作のスパイは送り込んでいるみたいですけど)。
おそらく、北朝鮮もそういう国のひとつになりたいのでしょう。

ですから、今回トランプ大統領が発した”対話の可能性”について、「ぜひやるべき」などといっているテレビコメンテーターは、”キム・ジョンウンの独裁体制を認める”ということなんです。
もちろん、武力衝突の回避は重要なことです。
また、米朝の対話がなされれば、軍事的圧力と経済制裁で北朝鮮を”干上がらせる”という作戦の先にある、北朝鮮の暴発の可能性や内部崩壊による混乱の可能性もぐっと減らすことができるでしょう。
誰だって戦争や難民の流出は嫌です。

しかし、だからといって独裁国家を許していいのでしょうか?
これは潜在的な危険性が維持されるということです。
兵器の開発だって、厳重に監視しなければ、水面下で続けられる可能性は否定できません。
また、日本の問題でいえば、米朝の対話が実現すれば、拉致問題は置いてきぼりを食らうでしょう。
2月の日米首脳会談のとき、安倍晋三総理は「拉致問題の解決の重要性で大統領と完全に一致した」といっていましたけど、トランプ大統領の口からは拉致のらの字もありませんでした。

つまり、我々はいま、選択のときを迎えているわけです。
自由や人権という理念を棚上げして妥協するのか。
それとも、崩壊や暴発の可能性に緊張しながらも、粘り強く北朝鮮を民主的な方向に導くのか。
どちらを選んでも”綺麗ごと”ではすみません。
それを意識した先の選択であって欲しいものです。
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