藤井四段と義務教育

難関私立中学に合格したことが話題になった芦田愛菜さんもそうですし、この5月26日(2017年)に惜しまれつつも引退会見を開いた宮里藍さんもそうですけど、日本人は天才子役とか、天才中学生とか、ほんと大好きですよね。子供のときから応援して、その成長を見守るというのがたまらないのでしょう。
そしていま、その系譜の最先端を行くのは将棋の藤井聡太四段です。

昨年14歳2ヶ月という史上最年少記録でプロ棋士となった藤井四段は、デビュー戦で勝利を飾ったことで史上最年少勝利記録を更新しただけではなく、中学3年生となった今年4月にはデビューからの11連勝という新記録も達成。
今日5月6月にはその連勝が20まで伸びたのですから、将棋に疎い私などでもその凄さがわかるというものです。
中学生でプロになった棋士は過去に4人いて、それぞれが歴史に名を残すような活躍をしているのですから、おそらく藤井四段もそうなってゆくのでしょう。棋界の未来は明るいですね。

ただ、この藤井四段について、私はちょっと引っかかるものを感じているんです。
テレビなどが盛んに「中学生棋士」といって囃しているように、藤井四段はまだ中学3年生なわけですけど、これまでの対局のほとんどが平日で、しかも一日中やっているのですから、学校をかなりの日数休んでいるのは間違いありません(遠征もあります)。

みなさんご存知のように、日本国憲法第26条には、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」と明記されているので、藤井四段の保護者はこれを堂々と無視していることになります。
ちなみに学校について藤井四段本人がどう考えているかといいますと、5月7日のイベントの際に「中学は義務教育で出席日数は関係ないので安心です。ただ、来年は高校なので…」といって会場の笑いを誘っているのですから、これまた堂々としたものです。

このイベント出演についてはメディアでもたくさん報じられていましたけど、どれも面白おかしく伝える好意的なものでしたよね。
私はそのメディアの姿勢に大きな疑問を感じますし、藤井四段のもうひとりの保護者といっていい将棋連盟の姿勢にも大きな疑問を感じています。
彼らはいったい憲法や教育基本法をどう考えているのでしょう?
その規範意識の低さに唖然としてしまいます。

憲法や教育基本法に義務教育が明記されているのは、子供の権利を守るためです。
学びたい子供を保護者が労働で縛るのを防ぐためといっていいでしょう。最近では虐待という問題もあります。
むろん、藤井四段は自分の意志で将棋を指しているように見えるので、無理やり教育を奪われているわけではないと思いますけど、それでも義務教育の理念を否定していることに違いはありません。
そもそも、”子供本人がやりたいからやらせる”の”やりたい”が自由意志であるかどうかを確認するのは難しいんです。

…と、こうして否定的に書いてきましたけど、私ももちろん藤井四段の才能を潰そうというのではありません。
保護者と学校と将棋連盟が話し合って、対局を放課後や学校が休みの日に設定するべきだと思うんです。
たとえそれで出場できる棋戦が減ってしまっても仕方のないことです。
子供にも人気のある藤井四段ですから、憲法違反と後ろ指を差されるよりも、その方が正しい見本になれるはずです。
棋界の宝である藤井四段に傷をつけてはなりません。

将棋連盟は例のスマホ不正疑惑でも悪手を踏み、世間の信頼を失いました。
将棋を指すことしか知らず、法律や道徳や常識よりも、内輪での判断を優先するひとたちだと思われたわけです(スマホ持ち込み禁止といった組織内ルールを作るのも遅い)。
将棋はいま、コンピューターに勝てない時代に入ってしまったのですから、これからの棋士たちは”人間”であることを売りにせねばなりません。
そのためにも順法精神は大切です。
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