宮里藍は引退狂想曲に何を思うのか

私はゴルフはしませんし、テレビでゴルフの大会もさほど観ないので、宮里藍さんが引退すると聞いても、特別な感情もありませんでした。
ただ、小さな体で世界のトップたちと鎬を削っていた選手だけに、その技術の高さとメンタルの強さに尊敬の念を覚えていただけです。
ですから、このブログでも宮里さんのことを取り上げさせてもらうつもりはなかったんです。
しかし、このところのテレビを中心としたメディアが、これでもかと宮里さんを特集しているのを眺めていると、腹が立って仕方ありません。
現在行われているサントリーレディスオープン(6月8日~11日)でも、これが「宮里藍の最後の大会になる」とかいって、まあ凄い報道量ですよね。
もちろん、私もそれが悪いというつもりはないんです。
ただ、宮里さんが最も活躍していた2010年前後の報道量と比べ、いまの方が明らかに多いことに少なからぬ憤りを感じているだけです。

宮里さんの報道量を計る具体的なデータがないので、これは私の記憶がベースになってしまいますけど、宮里さんが最もメディアに取り上げられていたのは、2003年9月にアマチュアで国内ツアーに優勝したときから、史上最年少賞金女王に輝いた05年までの間だと思います。
それが06年から日本を離れ、アメリカツアーに参戦するようになると報道量が急激に減り始め、全盛期だった10年前後はメジャー大会に参戦したときやツアーで優勝したときにはそれなりに扱われていたものの、成績が振るわなくなった13年以降はほぼゼロだったのではないでしょうか。
それが引退を発表したら慌ててスポットライトを浴びせるのですから、日本のメディアは宮里藍をゴルファーではなく、タレントとして見ているのではないかと疑いたくなります。
(※宮里さんは過去にたくさんCMをやっていますけど、その多くが06年までだったことも、海外挑戦以降、報道量が減ったことの傍証といえるでしょう。)

日本のゴルフ報道というのはとにかく国内中心です。
たとえば男子のアメリカツアーで活躍している日本人選手は松山英樹ただひとりですけど(2016世界ランク30位内は松山のみ)、錦織圭がテニス報道を独占するようにはなっていません。
また、女子で活躍しているのは野村敏京のみといっていいわけですけど(2016世界ランク50位以内は野村のみ)、その知名度たるやいかばかりか。彼女はリオ五輪でも4位になっていますけど、おそらくほとんどの日本人がそれを憶えてはいないはずです。
ちなみに野村さんはリオ五輪の前にアメリカツアーで2勝し、五輪代表に選ばれると、突如として日本メディアに追っかけられ、大いに戸惑ったそうです。
そして、五輪が終わったらその報道陣が潮が引くようにいなくなったわけですから、どう感じたんでしょうねえ。

ゴルフはスポンサーのスポーツですから、国内ツアーにも冠に企業名が付き、それをテレビで連呼するのもわかります。おそらく広告会社と一緒になってやっているのでしょう。
彼らにとって海外でプレイする選手などはゴルフ報道枠を奪う敵にすぎません。
しかし、スポーツはスポーツなのですから、メディアが世界トップレベルで奮闘する日本人選手に注目しなければ、ゴルフの価値はどんどん低くなってしまいます。
また、注目されなければ、アメリカ参戦する選手を支援する企業も減ってしまうわけですから、金銭面の問題で国内に留まる選手が増え、国内のレベルが上がるはずもありません。
外国人選手に蹂躙され、人気がまた落ちてゆくという悪循環が待っているだけです。
しかも、女子に関していえば、日本では選手はタレント扱いです。
身体づくりや技術、メンタルが語られることはないわけです。

ちやほやされる環境をあっさり捨て、あの鋭い眼差しのまま厳しいアメリカツアーに飛び込んでいった宮里藍は素敵でしたね。
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