横文字には気をつけましょう

2017年7月の東京都知事選挙といえば、前任の舛添要一氏が公私混同問題で辞任したことから始まって、小池百合子氏の立候補による自民分裂、四野党が乗っかった鳥越俊太郎候補の過去のパワハラ疑惑という作り話のような展開で、東京だけではなく日本中が大いに盛り上がりましたよね。
そしてその結果、小池百合子新都知事が誕生したわけですが、まだあれから1年も経っていないというのに、ずいぶん昔のことのように感じます。

ただ、1年近くはあったわけですから、公約のいくつかは実現しているのかなあ、と当時の小池さんのスローガンを見直してみました。
そこには
・都政の透明化
・五輪関連予算・運営の適正化
・行財政改革の推進
・都知事報酬の削減
・特区制度の徹底活用
という5つの方針とともに、”新しい東京”に向けて、
・セーフ・シティ(もっと安心、もっと安全、もっと元気な首都・東京)
・ダイバー・シティ(女性も、男性も、子どもも、シニアも、障がい者もいきいき生活できる、活躍できる都市・東京)
・スマート・シティ(世界に開かれた、環境・金融先進都市・東京)
という3つの大きな柱が書かれていました。
私は東京都民ではないのでよくわかりませんけど、これらは少しでも実現しているのでしょうか?
都民のみなさんに感想を聞いてみたいですね。

また、上の公約を見てもわかるように、現在一番の課題となっている〈豊洲移転問題〉というのは知事選の争点ではなかったんです。
これが大問題となったのは、当選後の小池さんが、「安全性に疑問がある」「費用がかかりすぎている」「情報公開がきちんとされてない」といって、11月に予定されていた豊洲移転の延期を発表してからです。
”豊洲移転の見直し”は、都民が求めたものではないことを我々は憶えておかねばなりません。

そこからすったもんだの末、昨日6月20日(2017年)、小池さんが出した結論は、「市場は豊洲に移転するが、築地を食のテーマパークとして再開発し、築地ブランドを残す」というものでした。築地には市場機能も一部残し、両立を目指す構想のようです。
”決めないことを決めた”という、移転派にも反対派にも優しいどっちつかずの名裁きは、大岡越前の時代ならば評価されたかもしれませんね。

しかし、当初の計画では豊洲移転にかかる6000億円の大部分を4500億円と試算される築地売却益で賄うことになっていましたから、築地再開発となれば、その4500億円をどこかから別に捻出せねばなりません。
当然、記者会見でもそこは突っ込まれたわけですけど、小池さんの答えは「ワイズスペンディング」の一言。
得意の横文字で煙に巻いた格好です。

ちなみにこの”ワイズスペンディング”は、かのジョン・メイナード・ケインズが生み出したとされる経済用語で、直訳すると”賢い支出”になります。
まあ、”支出”ですから小池さんも税金を投入するつもりなのでしょう。
しかし、ここで騙されてはいけないのは、このワイズスペンディングというのは、”不況下にあって、行政が景気対策のための財政支出を行う際、その後の利益や利便性を考えて事業や分野を賢く選択する”という意味なのです。
対して豊洲移転というのは築地の老朽化によって必要に迫られた事業ですし、築地再開発にしても、東京は不況でもなんでもありませんから、無理に景気対策をする必要もないんです。

また、この横文字で誤魔化すテクニックでいえば、公約にあった”ダイバー・シティ”もそうです。
これが”diversity=多様性”ならば、人種や信仰、年齢や学歴といった違いに縛られず、広く人材を活用することによって生産性を高めようとする考え方ですけど、小池さんの公約を見ると、「待機児童ゼロ」「残業ゼロ」「満員電車をゼロ」「ペット殺処分ゼロ」「英語教育を徹底」といった文言も紛れ込んでいるのでちょっと意味がわかりません。
”ダイバー・シティ”という表記も、”diversity”には”・”はいらないので、私たちの知っている言葉とは意味が違うのかもしれません。
東京都の採用試験案内にも”対象年齢”がしっかり書かれていましたしね…。

というわけで、横文字には気をつけましょう!
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