豊田議員騒動、裁かれるべきは人格ではなく行為

「このハゲー!」「お前はどれだけ私の心を叩いてる!」「これ以上私の評判を下げるな!」

自民党の豊田真由子衆院議員が、仕事でミスをした政策秘書を叱責する音声(隠し録音)を、『デイリー新潮』がYouTubeに公開したものを(6月21日)私も聞いたんですけど、最初はちょっと笑っちゃいました。ここまでヒステリックな罵声というのはそう聞けるものではありません。
しかし、テレビ局が流した続報ともいえる音声では、政策秘書がミスについて弁解するのに対し、豊田議員が「お前の娘を轢き殺されても、そんなつもりじゃなかったですうっていってみろ~」となどとミュージカル調で脅迫めいたことをいっているのですから、まったく笑えません。
どうやらこの叱責も秘書を小突きながらだったようですし、パワーハラスメントに近い状況だったと見て間違いないでしょう。
音声がかなりショッキングだったこともあって、昨日6月22日の昼のワイドショーではかっこうのネタになっていたようですし、テレビニュースでもこれをトップ項目で扱っていました。

そのように反響が大きかったことから、豊田議員は22日の夕方、事務所を通して離党届を提出したそうです。
本人は「精神的に不安定になっている」といって、入院したとのことですけど、パワハラを”加えた側”が精神的に参るというのもおかしな話ですおね。まだマスコミからのバッシングも始まったばかりだというのに…。

ただ、この音声って、”公開”されてもいいものなんでしょうか?
私は少なからぬ疑問を感じています。
報道によると、豊田議員が切れまくったのは、支持者に送るバースデイカード約40通の宛名を政策秘書らが間違えたためだそうです。
今年2017年は衆院選挙が行われる可能性が高いので、こういう些細なミスにも敏感になっていたのかもしれません。豊田議員でなくても、どんな議員だって、秘書を厳しく叱責するはずです。
自民党の河村建夫元官房長官も「あんな男の代議士なんかいっぱいいる。あんなもんじゃすまない」などと記者に語っていました(後に不用意な発言だとして撤回)。
もちろん叱り方は色々でしょうし、豊田議員のそれはあまりにも行き過ぎですけど、怒声だけを切り取って、公開するというのはフェアじゃありません。
しかも、いまのところ、この政策秘書は身体的・精神的被害を受けたという診断を医師からもらったわけでもないんですよね?
つまり、今回の騒動は、まだ”事件”でもなんでもないんです。
それなのに隠し録音を公開して豊田議員を攻撃することに”公共の利益”はあるのでしょうか?
主要メディアは、それを精査した上で報道しているのかどうか、私の疑問はそこなんです。

ちなみに、隠し録音(無断録音)というのは刑事事件では証拠能力がありません。
民事で証拠となる場合はありますが、その際も作為的な手段によって相手を怒らせるなどして録音したものはその限りではないわけです。
豊田議員のケースがどういう状況なのかはいまのところよくわかりませんが、わかっているのは公開された音声データが無断で録音されたものだということだけです。

私にはこの政策秘書が日本社会に向けて何を訴えたいのかよくわかりませんけど、政治家のスタッフが置かれた状況があまりにも過酷かつ抑圧的で、それを改善したいというのでしたら、ぜひ応援したいと思っています。
しかし、いまのところはそういう言葉は一切聞かれませんから、私怨による復讐のようにしか見えません。
また、メディアがそれに乗っかって、豊田議員への人格攻撃を繰り返しているのも疑問を感じます。
こういう人民裁判は、日本人として恥ずべきことです。
豊田議員を糾弾するならば、彼女が秘書に対して加えた行為が法的・倫理的にどうなのかという問題提起であるべきです。
(※マスコミが豊田議員をバッシングするならば、2014年の園遊会騒動のときに厳しくやってもらいたかったものです。その前の年の山本太郎直訴状騒動が蒸し返されるのを恐れたのかのしれませんが。)

それにしても、この騒動の影響で、日本中の政治家事務所の雰囲気が一変したんじゃないでしょうかねえ。
強面の先生さまがスタッフにめちゃくちゃ優しくなって、何か美味しいものでも御馳走したりして。
ただし、スタッフさんたちが食事中に席を立つときは要注意。
カバンのなかにICレコーダーがあるかないかチェックされるはずですから!
人気<br />ブログランキングへ
スポンサーサイト
プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード