PKOの意味を考える機会に

国際連合による平和維持活動(Peacekeeping Operations=PKO)が初めて行われたのは、第1次中東戦争停戦後の休戦監視活動だということになっていて、それは1948年のことでした。
そして、我々日本がそのPKOに初めて参加したのは1992年の第2次アンゴラ監視団のときですから、それからもう四半世紀になるわけです。
しかし、そのPKOに関する日本国民の理解というのはどらくらいのものなのでしょう?

ちなみに、私の周囲では「国連平和維持活動」という日本語訳がすぐに出てくるひとすらあまりおらず、いわんやその活動内容をや、という状況でした。
おそらく、みなさんの周りでもそうなのではないでしょうか。
日々のニュースをしっかりチェックしているようなひとでも、PKOは本当にわかりづらいと思います。
自衛隊が井戸を掘ったとか、道をなおしたとか、医療支援と行ったとかいうニュースを見て、PKOとはそのようなものなのだろうという漠然としたイメージを持っているだけでしょう。

しかし、”Peacekeeping Operations=平和維持活動”というくらいなのですから、本来の意味はそうではありません。
内戦や国際紛争が休止したり終わったりしたときに、国連に加盟する各国で作った部隊が現地に派遣され、停戦状態が維持されているかどうかを監視したり、武力衝突を抑えたり、地域の治安を守ったりするのがPKOなのです。
当然ですけれども、これはかなり危険な活動になり、各国の部隊は”軍隊ではない”ということになっているものの、拳銃・ライフル・機関銃といった小火器で武装しています。
もちろん、現地の武装勢力との衝突も度々起こり、死者が出たという報道も珍しいものではありません。今年(2017年)5月も、中央アフリカでPKOに参加していたモロッコ軍とカンボジア軍に犠牲者が出たばかりです。

そんな危険なPKOですが、日本の自衛隊はインフラ整備や医療支援を主な任務とし、停戦監視や治安維持は基本的には行いません。
日本ではよく、「戦後、自衛隊は海外の戦闘で犠牲者をひとりも出していないし、ひとりも殺していない」と誇らしげなことをいうひとがいますけど、それは「海外での武力行使は憲法で禁じられている」といって本当に危ない地域での仕事を避けているせいです。
犠牲者を出している国の前で、我々は「自衛隊は犠牲者を出していない」といって胸を張れるのでしょうか?
後方支援を主な任務にする国は日本と永世中立国スイスくらいのもので、かなり異質なことを忘れてはなりません。PKO部隊のなかではかなり浮いた存在なのです。
ちなみに日本はPKO予算分担ランキングでは常にトップ3にいますけど、派遣隊員数の順位では50位ほどしかありません。
その上、”平和維持活動”には参加しようとしないのですから、海外から見れば、平和貢献に消極的な国と映ることでしょう。
日本のマスコミはそういう”実態”を覆い隠し、「自衛隊は人道支援で貢献している」としか伝えないので、日本国民はPKOがわからなくなっているのだと思います。

もちろん私は自衛隊も犠牲者を出せ、といっているのではありません。
”人道支援”などいう綺麗な言葉に酔って、他の国が行っている”汚れ仕事”を見ようとしないのは、アジアのリーダーとして、G7のひとつとして、いかがなものかということです。
日本の豊かさというのは、世界の安定とは無縁ではありません。
世界平和があってこそです。
その世界平和に体を張って貢献しないお金持ち国家に対して、海外のひとたちはどういう視線を向けるでしょうか?
それを考えた上で、日本がどのように国際貢献をすべきかを判断すればいいんです。
国際社会からの白眼視に耐えながらPKO派遣中止いう独自路線を進むことだって、必ずしも間違いではありません。
国民がすべてを理解した上での判断ならば。

このところ騒ぎになっているように、自衛隊が日報をごまかそうとするのだって、日本のPKO法がPKOの実態と合致していないからです。
武力行使・武力衝突を避けながらの平和維持は不可能なんです。
我々国民は自衛隊に明確な選択を与えるべきです。
PKO中の”事故死”や海外派遣から帰ってきた自衛隊員の自殺の問題だって、我々が自衛隊に寄り添っていないからではないでしょうか。
日報を隠蔽したかどうかよりも、その日報の内容を読みましょうよ。
自衛隊は命を張って、制限されたなかでのぎりぎりの国際貢献をしているんです。
私は隊員のみなさんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
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