THE ICE 2017(中)

(続きです。記憶を頼りに書いていますので間違いがあってもどうかご容赦を。)
個人の部の一番手は2年ぶりの登場となる小塚崇彦。
去年の3月に「氷上を去る」、つまり”フィギュアから離れる”という言葉とともに引退を発表したときには私も言葉にならない寂しさを感じたものですけど、今年の7月にショーに復帰しているのですから、あのときの気持ちを返して欲しい!
…とは思いますけど、やっぱり小塚崇彦は氷の上が似合います。
現役時代に比べる滑る力がだいぶ弱くなっていましたけど、本当に楽しそうに滑っていて、それがお客さんに素直に伝わってゆくのがわかりました。
そういう意味では現役時代にもまして素敵な『Save The Last dance for Me』でしたね。会場もノリノリでした。
”最後”とはいわずに来年のダンスにも期待しています!
(アイスショーは平日にも行われますし、練習もあるでしょうに、サラリーマン生活との両立がちょっと心配です。有給足りるのかな…。)

浅田さんとは同じタラソワ門下であり、”浅田真央ファン”を公言するアデリナ・ソトニコワは”現役”といいながらも国際大会にもほとんど出ないような状態が続いていますけど、今季はなんとあのプルシェンコがコーチについたそうですから、本気で五輪を目指すつもりなのでしょう。
ところが、アダルトなエキシビションでは表現が主体で、2Aは2本とも失敗しちゃいますし、得意のスピンも全盛期のような勢いがありません。
プロスケーターとしては本当に魅力的なんですけど、激戦のロシア女子で戦うにしてはちょっと無理があるような…。
でも、ソチ五輪女王として、安易に引退を選ばない姿は立派だと思います。がんばって!

妹の記念興行ということで身体もしっかり作ってきた浅田舞さんの黒い衣装での妖艶な『白鳥の湖』。
スケート技術が足りないところ(引退からだいぶ立っています)は音楽と照明にサポートしてもらって、終盤は2本の旗を巧みに使っての演出。テレビや舞台で活躍しながら学んだ部分をリンクに持ち込んだ形ですね。
もちろん、スタイルの良さを生かしたスパイラルではスケーターとしての意地も見せていました。
オープニングでもそうですけど、『THE ICE』を盛り上げようという気持ちは誰よりも強いものがあったと思います。
これぞ姉妹愛ですね!

そしてその”愛”といえばこの2人、チン・パン&ジャン・トンは久しぶりの『THE ICE』です。
14-15シーズンをもって引退した2人は、16年に目出度く結婚し、その年にお子さんも生まれ、いまは幸せいっぱいというところでしょうし、競技から離れてもう2年ですから体もふっくらしているかなあ、と思ったら、現役さながらの体型を維持していて、これには脱帽しました。
特にチン・パンが凄い。出産から1年って信じられません。
エキシの方はツイストもリフトもレベルを落としたものでしたけど確実に決めて、さらにスロージャンプまで挑むのですから(転倒)、そこまでしなくてもいいのにという感じではありましたけど、それも名選手の意地でしょうね。
会場は愛溢れる『Moon River』にうっとりしていました。

長洲未来さんが披露するプログラムは昨季のSPであり今季も使う『夜想曲第20番』だったわけですが、そこには大きな違いが!
なんと冒頭に3A!
惜しくも完全な回転不足でしたけど、今季に賭ける意気込みが伝わってくる大技でした。
まだ8月ということで滑りも仕上がっていませんでしたし(他のジャンプもミス)、調子が上がってくれば成功の可能性もあるかもしれません。
昨季は四大陸で3位に入るなど、復調の兆しは見えていますし、2大会ぶりの五輪で大輪の笑顔が見たいですよね。

無良崇人くんのエキシビションは今年日本でもヒットした『美女と野獣』の挿入歌『Evermore』。
荒々しさと繊細さ、強さと弱さが同居する無良くんにぴったりなプログラムで、本人も気持ちが籠っていて素晴らしい内容でした。ジャンプも3A、3Lz、3Fとばっちり決めていましたしね!
私はこれが本当に気に入りましたし、無良くんに本当に似合っていると思いますし、五輪出場に向けて力をくれるプログラムだと思います。
SPかFSにしてもよかったんじゃないでしょうか!

続いてはスペシャルプログラム。
竹馬のようにブレードを伸ばした特製シューズを履いた女性の一団が虹色の衣装でリンクインすると、会場からはどよめきが。
しかも、その一団が『Over The Rainbow』に乗って美しく滑り、途中でひとりの少女が”手”に竹馬シューズを履いての逆立ち滑りを披露するのですから、本当にびっくりしました。
黒竜江省雑技団のみなさんとのことでしたけど、珍しいものを見せてもらいましたね。会場も大いに盛り上がっていました。
今年の『THE ICE』は出演者の関係からグループナンバーが作れずにこういうゲストになったのでしょうけど、これはこれで新鮮な驚きと楽しさがありました。
日本にもこういうチームがあったら面白いですよね。

そしてその『Over The Rainbow』のまま舞さんがリンクインして始まったのは浅田真央現役引退を記念する超スペシャルプログラム。
なんと出演者たちが浅田さんがこれまでに使った曲をメドレーで演じてゆくという真央ファン垂涎の企画です。
しかも(基本的には)、各選手が現役中に使ったプログラムなので、それぞれのファンも堪らなかったことでしょうし、誰がどれを滑るか予想するのも楽しかったです。
そうして舞さんが氷を慣らし、まずはソトニコワの『シェヘラザード』。
このプログラムは浅田さんの唯一(競技プロ)のパンツスタイルの衣装で、千夜一夜の大活劇という感じでしたけど、ソトニコワのそれもちょっと少年ぽくて、似た雰囲気を感じました。さすが姉妹弟子ですね。
『スマイル』はもちろん織田信成。
このプログラムは男性なら織田くん、女性なら浅田さんというイメージですけど、ペアプロも観てみたいですよね。織田くんが緊張しすぎておかしくなっちゃうかもしれませんけど…。
浅田さんを代表する曲のひとつである『ラヴェンダー』は弟分の宇野昌磨が前半、後半は苦楽を共にしてきた鈴木明子。
浅田さんの存在はこの2人に大きな影響を与えていると思いますし(宇野くんは特に)、その感謝と敬意が溢れる真剣味のある滑りでした。
ヴァイオリンの音色と共に私も感傷的な気分になってしまったのは内緒です。
ケイトリン・ウィーヴァー&アンドリュー・ポジェが演じる『シング・シング・シング』は浅田さんが08-09に使ったエキシビションナンバー。
ウィーヴァー&ポジェの完成された演技を観ていると、逆に十代の頃の浅田さんのやんちゃな滑りが懐かしく思い出されます。
そして荘厳な響きとともに始まったのはラフマニノフの『鐘』。
ジェフリー・バトルが力を込めた迫力の滑りでその緊張感と重苦しさを作ると、我々はみな、あの頃の理不尽と戦い続けた浅田真央を思い出して胸が締め付けられます。
「観たくない」というファンもいるかもしれませんが、この『鐘』は浅田真央を語る上でなくてはならないプログラムであり、避けては通れないプログラムです。
そんな重い空気でしたが、途中でバトルからバトンタッチした小塚くんが浅田さんの振り付けを完全コピーして、最後のポーズでは大盛り上がり。小塚くんの好演であり”好援”でしたね!さすがわかってる!やっぱり『THE ICE』には小塚くんが必要だ!
そして『愛の夢』はやっぱりチン・パン&ジャン・トン。このプログラムはシングルならば浅田真央、ペアならばこの2人が最高です。
愛というのは儚いものですけど、『愛の夢』を滑っていた頃の浅田さんはジャンプの再構築に四苦八苦したり、ご家族のことがあったせいか、儚いほどに痩せていて、こちらも心配したものです。
でも、そういう浅田さんの内面が滲み出て、プログラムになんともいえない風情があったのも事実ですよね。私も強く印象に残っているプログラムのひとつです。
…それに比べるとパン・トンの”愛”は濃密すぎ!
そして、浅田真央の集大成であるラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番』を演じるのは高橋大輔。
この出演者のなかでラフマニノフを滑ったことがあるのは高橋くらいなものですけど、高橋のラフマニノフといえばあの失意のトリノ五輪ですから、どうするのかなあ、と思っていたら見事に滑ってくれました。これが大ちゃんの男気ですね。
しかも当時と比べるとスケーティングが各段によくなっているので、なんだかまったく違うプログラムに見えました。競技プロでのリベンジがあっても良かったかも。
そしてメドレーの締めくくり、高橋に迎え入れられる形でリンクインしたのは我らが浅田真央。
昨季のFS『恋は魔術師』の衣装の腰に黒い布をつけていたのを、高橋が剥ぎ取り、そこからは火を吹くようなリチュアルダンス!
オープニングではSPの方を演じ、さらにFSですから、このプログラムにはかなりの名残り惜しさがあったのでしょう。
この日はその気持ちを叩きつけるような弩迫力の滑りで、まさに圧巻の内容でした。
『恋は魔術師』もこれで完成しましたね!
私は昨季の浅田さんの公式戦は観に行けなかったんですけど、これで満足しました。
浅田真央が浅田真央であるための”負けん気”が見れたのですらかね!
(さらに後半へと続きます。)
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