FC2ブログ

自分らしさを名前に

「差別や偏見がなく、誰でも自分らしく生きられる世界」

美しい言葉です。
世界の多くのひとびとが共感する言葉です。
そしてこれは誰も否定できない強い言葉です。
しかし、そういう世界を本気で目指すひと、本気で目指したひとは本当に少ないと私は思うのです。

その少ないなかで、まず最初に思い浮かぶのはモハメド・アリです。
公民権運動のシンボルだったアリは、1960年、名前をそれまでの”カシアス・クレイ”から”モハメド・アリ”に変えます。
その理由は、「奴隷だった先祖が白人から与えれた名前だから」というものでした。
これは、”自分らしい名前”で、ひとりの人間として白人社会に立ち向かうという強いメッセージでもあります。
ちなみに、日本人ボクサーで、アフリカ系アメリカ人と日本人のハーフであるカシアス内藤はカシアス・クレイを尊敬してリングネームに”カシアス”を使っていたのですが、アリ本人から「その名前は白人からもらったものだぞ?」と念を押されたというエピソードが残っています。

このアリの改名は、ネーション・オブ・イスラム(NOI)というアフリカ系アメリカ人のイスラム組織とそこの活動家だったマルコム・Xから影響を受けたものです(※2人ともその後、伝統的イスラムへ改宗)。
マルコム・Xももともとはマルコム・リトルという名前でしたが、”未知なるもの、わからないもの”を意味する”X”を選んだところに、自らのルーツがわからないアフリカ系アメリカ人の悲哀を見ることができるのではないでしょうか。
むろんそこにはアフリカ系であることへの誇りが詰まっていることはいうまでもありませんが。

そのように彼らが”名前”にこだわったのは、「差別や偏見がなく、誰でも自分らしく生きられる世界」を目指すためだったのでしょう。
自分を偽らないことで、世の中と真向から対峙し、それを変えようとしたわけです。
それは当時の白人中心のアメリカ社会から大きな反発を招き、公権力という名の暴力から常に狙われることを意味していました。
それでも彼らは戦いを止めなかった。
その勇気に現代の我々は深い感銘を受けるのです。

…ところで、いま、日本でちょっとした騒動を起こしている女性タレントがいますよね。
彼女はアメリカ人と韓国人のハーフであり、国籍もアメリカであるにも関わらず、日本名を名乗り、日本人のように振る舞っていることで、ネット上では「偽日本人だ!」という非難を受けることも多いようです。
それに対し、その女性タレントは「みんな地球人である事には変わりません。」「人種や性別などへの偏見がなくなってほしい。」「世界中の人がどこにいても自分らしく生きていける世の中になるように」などといって、SNSで反論をしていました。

しかし、私には彼女への批判が差別や偏見だとは思えませんし、彼女のいう「自分らしく」の意味がまったくわかりません。
モハメド・アリやマルコム・Xは”自分が何者であるのか”を突き詰めてゆくことで差別や偏見と闘っていましたが、2人は自分を偽ることをしませんでしたし、美しい言葉で他者を騙そうとしませんでした。
そういう姿に我々は真実を見るのではないでしょうか。
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト



プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード