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2017GPSロシア杯男子SP 王者の戦いが始まる

2014ソチ五輪金メダル。
2017世界選手権王者。

我らが羽生結弦は完全なるディフェンディングチャンピオンとしてこの2017-18の五輪シーズンを迎えることとなったわけですが、本人は守りではなく攻めの姿勢を強調し、今後は4Lzを導入する予定とのことです。
羽生結弦といえば、4年前の五輪で絶対王者パトリック・チャンの守りの姿勢の隙を突いて金メダルをもぎ取っただけに、自分自身はその隙を作るまいということなのでしょう。
まさしく王者のメンタルですね。

そんな羽生結弦の牙城を崩そうと虎視眈々とブレードを研いでいるのは、日本が誇る”天才”宇野昌磨と、アメリカの”クワドミュータント”ネイサン・チェン。
若い2人は4回転の本数を極限まで増やす強烈な攻めの姿勢で羽生結弦を狙います。
情熱と可能性をチップにして賭けに挑む姿勢は、4年前の羽生結弦に重なるといっていいでしょう。
歴史は繰り返すのか、それとも羽生結弦がフィギュア史における自分のページをさらに増やすのか、本当に楽しみなシーズンです。

そして、そのシーズン初戦のB級大会オータムクラシック、羽生結弦はSPで自身が持つ世界最高点を更新する112.72を叩き出すも、右膝の不調からかFSでは155.52と大失速。総合順位はまさかの2位。不安が残るスタートとなってしまいました。
一方、宇野昌磨はロンバルディア杯で自己ベストを更新するトータル319.84での優勝。
ネイサンは4回転を減らした構成でまずまずまとめ、トータル275.04でUSクラシックを優勝(※4Lo初成功で5種4回転完備)。
王者の牙城に亀裂が走ったといっていいでしょう。

そんななか、いよいよ開幕するGPシリーズですが、なんと初戦のロシア杯でいきなり羽生結弦とネイサン・チェンの直接対決。
この勝敗は五輪をも占いかねません。
王者が挑戦者を蹴落とすのか、挑戦者が王者を引きずり落とすのか、世界のてっぺんを争う戦いの始まりです。

SPではデニス・テンやミーシャ・ジーがベテランらしい味わいのある演技で観客を魅了し、ドミトリー・アリエフやダニエル・サモーヒンといった10代が複数の4回転に挑んで会場を沸かせ、フィギュアスケートの持つ多角的な魅力と、世代の移ろいを感じさせます。
国際スケート連盟では競技を〈テクニカル〉と〈アーティスティック〉に分離させる案があるそうですけど、そうなってしまえば、スポーツと芸術が融合した現在の雰囲気はなくなってしまうことでしょう。

その〈テクニカル〉で現代フィギュアを牽引するネイサン・チェンは18歳でありながらすでに強者の風格。
彼の存在はフィギュアスケートの特異点(singularity)といってもいいかもしれません。
ただ、この日は慎重な4Lz+3、後半の4Fと3Aはなんとかこらえる形でちょっとヒヤヒヤ。
表現面では持ち前の身体能力で『Nemesis』をよく踊れていたものの、スケートが進まないので世界が膨らんでゆきません。
優等生的なネイサンがベンジャミン・クレメンタインの曲を使うのはギャップが面白いですけど、それ以上のものはありませんでしたね。
SPは100.54(TES57.57・PCS42.97)。
表現も技術も昨季からの進歩があまり見られず残念。
4回転の種類を増やすよりも、全体のブラッシュアップが必要だと私は思います。

この大会だけではなく、今季の台風の目になるかもしれないと期待されていたミハイル・コリヤダ(ロシア)ですが、冒頭の4Lz予定は3Lzに抜け、4Tはステップアウトしてコンボならないというガッカリなスタート。
それでも得意のコレオグラフで自分を取り戻し、後半3Aは成功、ステップも大胆かつ緻密に踊って、なんとか『ピアノ協奏曲第23番』の体裁は整えました。
地元ロシアの関係者もほっと胸をなでおろしたことでしょう。
SPは85.79(42.19・43.60)。
FSでは4Lzを決めて存在感を見せなければなりませんね。

GPシリーズ開幕戦ということで各選手が思ったような演技ができないなか、トリで登場した羽生結弦は引きしまった戦士の表情。
彼にとってのフィギュアスケートは芸術でもスポーツでもなく、闘争なのかもしれません。
人種を超えた大歓声を浴びてリンクインした羽生弓弦、「自分に最もフィットした曲」というバラード第1番でそれを静寂に変え、冒頭は大事な4Lo!…でしたけど、悔しいオーバーターン(URか)。
それでも無理やりイーグルへと繋げて流れを保つと、美しい入りのキャメルスピン、華麗すぎるシットスピンに会場はうっとり。
そこから湖面をなでるようなスケートで分け入った後半、まずは稲妻のような3A!さすがとしかいいようがない!
これでゾーンに入ったか。
しかし、勝負所の4T+3Tは決まったかと思われたものの、着氷で足が粘らずまさかの転倒。
4Loで踏ん張ったために足を使ったのか…、悔しい!
羽生本人ももどかしいものがあったでしょうけど、その後のステップは果敢に攻め、最後のスピンも素晴らしい集中力。
苦笑いでのフィニッシュになるも、落ち着いたメンタルコントロールには王者の余裕が見えました。
SPは94.85(49.24・46.61・減点1)。
全体的には悪くなかった思いますし、ミスもちょっとしたズレでしょう。開幕戦としてはまずまずといった印象です。
演技後の羽生本人も課題をひとつひとつチェックしている段階と語っていましたし、五輪本番に向けての道筋は明確に見えているはずです。
明日のFSでもSPのミスを修正し、我々をあっと驚かせてくれるに違いありません。
ビハインドでこそ燃える男ですからね。

挑戦者たちに、誰が上で、誰が支配者なのか見せつけてやろうではありませんか!
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