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大相撲にこそ働き方改革を

平成29年球種場所13日目、ここまで唯一1敗を守り首位に立つ横綱・白鵬は土俵際でマジシャンのように身を翻し、薄氷の勝利で13勝目。
北勝富士と隠岐の海が2敗で追っているものの(※訂正しました)、明日にも白鵬の記念すべき40回目の優勝が決まるという状況になってきました。
それにして優勝40回は本当に凄い。
かつては大鵬の32回が不滅の大記録といわれていたのに、それを大きく上回っているのですからね。白鵬はまさに歴史的大横綱ということができるでしょう。
その相撲が同じ時代にリアルタイムで味わえるというのは本当に幸運なことだと思います。

そんな大横綱・白鵬ですが、11日目の嘉風との取り組みで敗れた後、”取り直し”を要求するような素振りを見せ、なかなか土俵に戻ろうとしなかったことで、メディアや有識者から「横綱失格!」という厳しい批判を浴びました。
大相撲では取り直しの審議を要求できるのは土俵下にいる5人の勝負審判と控え力士だけと決まっていて、判定に抗議をする力士はいませんから、前代未聞の行為であり、潔さを貴ぶ日本の美意識からしても”見苦しい”という評価は避けられません。
白鵬をかばう声は皆無といってよかったと思います。

しかし、39度の幕内最高優勝を誇り、相撲愛が深いことでも知られる白鵬が、あえて禁じ手の抗議をしたことを”慢心”だの”驕り”だのという言葉で片付けてよいのでしょうか?
問題の取り組みを見ると、立ち合いで嘉風が立ち遅れたようにふっと立ち上がったため、白鵬は”相手が待ったをかけた”とセルフジャッジしてしまったわけです。
行事からも審判からも声がかかっていないのですから、これは完全なる白鵬のミスです。
取組後に「(嘉風が中途半端な立ち合いをしたので)そのままの相撲ではお客さんに申し訳がないと思った」という説明をした白鵬ですが、素直に負けを認めるべきでした。

ただ、白鵬のいっていることにも一分の理がないわけでもありません。
明らかに立ち遅れた相手を一気に持って行くような相撲を観たいお客さんなどいるはずがありませんからね。
ましてや、これは嘉風がそうといっているわけではありませんが、今回のような立ち合いが正しいとなれば、”立ち遅れたふり”をして相手を油断させる力士が現れかねません。
これこそまさに見苦しいの極みということができるでしょう。

一般的なプロスポーツでいえば、ルールの規定や運用は少しずつ改善されてゆくものですし、そこでは”プレイヤーからの意見”というのはとても貴重なものになります。
しかし、こと大相撲では、力士はルールについてなにかをいうことは許されていません。
それどころか判定への抗議をすることも許されていないんです。
みなさんもよく思い出して欲しいのですが、試合中や試合後に選手やチームが判定に抗議ができないスポーツというのは、まず存在しません。
たとえばボクシングでは5月に不可解判定で敗れた村田諒太が試合後にWBAに対して抗議文を提出しました。
サッカーでも昨年のW杯アジア最終予選のUAE戦でゴールが認められなかった日本が試合後に抗議文を提出しています。
スポーツでは”審判は絶対”ですが、判定をより良くするために、選手やチームがそれに抗議する権利が認められているのです。
大相撲にそれがないことを軽く考えてはなりません。
これは異常なことです。

また、大相撲では他のプロスポーツで認められている選手会(労働組合)がありません。
賃金や労働環境を協会と話し合う手段はなく、力士の権利は誰も守ってくれないのです。
たとえば労働時間でいっても、サッカーや野球では球団が選手を拘束できる年間の日数が定められています。
ですから、球団が若手を365日しごき倒したいと思ってもそれができないのです。
ところが大相撲では力士は365日拘束され、本場所と巡業でみっちりスケジュールが埋まり、外国人力士などは故郷に帰る休みもなかなか取れません。
”オフ”がないプロスポーツって他にあるのでしょうか?私は聞いたことがありません。

このような力士の権利の低さは、あらゆる問題の原因になっていると私は思います。
いま巷を賑わしている日馬富士の事件も、ぜひこの観点から考えることをお勧めします。
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