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2017GPSアメリカ大会・女子シングル(前) 遅れてきたシンデレラ

女子フィギュアのグランプリファイナルといえば浅田真央が4度制するなど、日本女子が毎年のように活躍してきたわけですけど、この2017年はシリーズ5戦を終えた段階で日本女子の出場がひとりも決まっていないという寂しい状況。
唯一可能性のある樋口新葉さん(2位・3位)がGPFに進出するためには、第6戦アメリカ大会でワグナーとツルスカヤ”以外”が優勝するのが絶対条件です。
ただ、今季の調子や実力を見る限り、この2人が優勝候補なのもまた事実。
下馬評を覆すことができるとしたらデールマン、そして怪我明けの宮原知子か…。
我々日本のファンからしたら宮原さんが優勝し、樋口さんのGPFが決まるのが最高の結末です。今年の開催地は名古屋ですしね!
というわけで、色んな思いが交錯するアメリカ大会女子シングルを振り返ってみたいと思います。

アシュリー・ワグナーは地元アメリカ観客の大声援に包まれて登場したものの、SPでは滑りが重く、3F+3Tも3Loも回転が足りなくなって64.12(30.44・33.68)の6位。明らかに調子が悪そう。
心配が募るFSでは、まずまず演技が進んでゆき、大丈夫かと思われたものの、演技途中でまさかの棄権。
会場は落胆のため息に溢れていました。
試合後にワグナー本人が語ったところによると、右足首の感染症で十分な練習が積めていなかったそうです。この大会もホームのスケート・アメリカでなかったら最初から欠場していたかもしれませんね。
アメリカの五輪出場選考は全米選手権一発勝負が基本ですから、ワグナーもそこを見据えていることは間違いありません。無理をするのはここではないんです。
2月の五輪に出場し、個人のメダルと団体の金メダルを獲得することが彼女の夢なのは間違いありません。
そこに向けてワグナーが復調することを祈っています。

GPSデビューだったNHK杯では驚異的なジャンプの安定感を見せて3位(210.19)に入り、一躍脚光を浴びたポリーナ・ツルスカヤ(ロシア)ですが、このSPでは3Loで転倒、2Aも乱れ、まさかの63.20(33.31・30.89・減点1)で8位。
注目や期待がプレッシャーになったのかもしれませんね。
しかし、それを乗り越えなければ一流のスケーターになることが出来ないのもまた事実。
そうして己の真価を発揮したいFSでは3Lz+3Tと3Fを大きく決めてスタートすると、後半冒頭の2A+3Tはやや乱れたものの、3Lz、3S+2T+2T、3Lo、2Aと連続成功!類稀なジャンプの才能を見せつけました。
ステップや表現面はまだまだ物足りないものがありますけど、ポテンシャルは計り知れません。
FSは132.36(69.20・63.16)、合計195.56。
ジャンプさえ決まれば五輪への切符も夢ではありません。ツルスカヤの登場でロシア女子の争いはまったくわからなくなってきました。日本女子以上の混戦ですね。

優勝候補2人が戦線から脱落し、チャンスが回ってきたガブリエル・デールマン(カナダ)は、SPでは3Lzと2Aにミスが出て68.08(TES35.10・PCS32.98)の3位と微妙。
しかしFSが得意な選手ですから(PB142.41)逆襲する力は十分に持っていて、実際に大きな3T+3Tと3Lz、3Fを揃える抜群のスタート。
ステップシークエンスでも北米観客の声援でいい流れを作り、集中力も高まってきた様子。
そして後半冒頭の3Lz!だったのですが、これが乱れてコンビネーションに繋げられないミスをすると、次が1Loに抜け、2Aとコレオの後の3Sもステップアウト。あっけない過ぎる崩れ方で無念の『グラディエーター』になってしまいました。
FSは121.06(56.93・65.13)、合計189.14で6位。
もともとジャンプミスの多い選手でしたけど、昨季はそれを改善し、世界選手権で3位になったというのに、今季はまた以前の彼女の戻ってしまったようですね…。

ツルスカヤがNHK杯で3位になったとき、私は日本のある選手が頭に浮かんだんです。
それは”坂本花織さん”。
大きく見栄えのするジャンプを中心に演技を構築するという意味では同タイプの選手であり、ジュニアのときの成績から見ても実力は同じくらいのはずなんです。
だとしたら、彼女だってGPSで表彰台に立つ可能性は十分にある。前のロシア大会だってFSでジャンプに3ヶ所ミスがあっての5位(194.00)でしたからね。
このアメリカ大会は、夢の五輪を現実にするためにも、そのポテンシャルを結果に結びつけねばなりません。
まず始まったSP『月光』では力強いスピンとフィジカルを生かしたステップで前半を終え、後半に集めたジャンプも、大きな3F+3T、勢いのある3Lo、流れるような2Aと揃え、表現面でもひとつひとつの動きの質も高くなってきて、その素晴らしい集中力が『月光』の硬質さと繊細さを作り上げていました。
SPは69.40(38.26・3114)でパーソナルベスト!順位も2位!
表彰台も十分に狙える状況で始まったFSでも伸びやかな3F+3T、余裕の3S、筋肉質なステップと、硬くなっている気配はまったくありません。
『アメリ』っぽいマイムはいまひとつでしたけど上々の前半戦。
勝負を賭ける後半も苦手な3Lzを慎重に決めると(エッジは大丈夫そう)、でっかい3F+2T、足上げにパワーを感じるコンビネーションスピン、豪快な2A+3T+2T、スケートが速いくて爽快なコレオ、その流れからの3Loもばっちり!
丁寧に2Aを降りた後はノーミスの演技を締めくくるように、ひとつひとつのポジションを確かめるようなコンビネーションスピンでフィニッシュ!よっしゃあ!
坂本さんもぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいましたけど、会心の内容でしたね!
課題のルッツのエッジが修正されてきましたし、これで世界の強豪とがっぷり四つで戦えます。
表現面とスピンがやや雑なのは気になりますけど、中野園子コーチのところには三原麻依さんもいるので、互いに切磋琢磨してどんどん良くなると思います。
FSは141.19(72.23・71.08)でPB!合計210.59ももちろんPB!
スコアを見た坂本さんはキスクラで「イエイ!」と大はしゃぎ。この素直な明るさがいいですね。人気選手になりそう。
また、演技を終えた時点で暫定1位、残り2選手だったので初表彰台が確定、次のデールマンの得点が伸びず、2位以上も確定!
今季の日本女子のシンデレラは坂本さんだ!

そして残すは最終滑走の宮原知子。
日本女子のワンツーなるか。
長くなりましたので後編に続きます。
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