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2017全日本フィギュア女子FS覚書(前)

大会からちょっと間が空いてしまいましたけど、覚書程度に2017全日本フィギュア女子FSを振り返ってみたいと思います。

今季は五輪シーズンということで、全日本でも代表争いが注目を集めるなか、フィギュアファンに”4年後の夢”を見せてくれたのはジュニア女王の紀平梨花さん。
FSでは3A+3Tを決めてスタートすると、次の3Aも素晴らしい集中力でびしっと決めた!
3Aは女子では最高難度といっていいジャンプであり、過去に跳んでいた選手たちはみな失敗と成功が隣り合せという感じだったのに、紀平さんのジャンプには無理がなく、割とあっさり決めているように見えます。まるで男子選手のようです。
ジュニアの女子だと成長期前の”体の軽さ”を生かしてジャンプを跳ぶケースが多いのですが、紀平さんはすでにしっかりした体格をしているのに余裕を持って3Aをプログラムに入れられるのですから、今後も大きな不安はないでしょう。
そうして前半最後の3Fと後半冒頭の3Lz+2Tも着氷し、これはもしかしたら優勝もあるか、と思われたものの、3Loで大きくバランスを崩してステップアウト。
今回はシニアの大会ということで、ジュニアのそれよりFSの時間が30秒長く、後半は動きにやや疲れが見えますが、スケートの質がいいのでスピードはあまり落ちず、コレオを挟んでの3Lz+2T+2Loと3Sもばっちり決めた!ジャンプの質も落ちない!
終盤のステップシークエンスも体幹とブレードが狂いませんでしたし、基本技術とフィジカルの確かさ、演技への集中力は瞠目すべきものがあります。最後のビールマンも綺麗でしたね。
昨季と比べても動きが洗練されてきましたし、ジャンプの力み癖も見られなくなって、想像以上の成長を遂げています。
技術的な弱点はシットスピンとコンビネーションスピンだけといっていいでしょう。ブレード捌きもジュニア選手にしたらかなり上手い方だと思います。
また、ジャンプに関しては3Aばかりが注目されますけど、ルッツとフリップの跳び分けがきちんと出来るのも紀平さんの強みですね。3Aに依存しなくてすむといってもいいでしょう。
そうして期待ばかりが膨らむFSのスコアは141.29(79.53・61.76)、合計208.03で見事な3位表彰台。
紀平さんの演技を見ていれば”世界女王”を目指していることがよくわかります。その志の高さがあるからこその順調な成長であり、演技の最中も一切手を抜かず、集中力も切れないのでしょう。
そんな選手ですから、今季はぜひ世界ジュニア女王をもぎ取って欲しいところなのですが、ジュニアのルールではSPで3Aを入れられないので、今季の紀平さんは最大の武器を封じられているようなものなんです。
それに加えてロシアに天才少女が何人もいるのですから世界ジュニアは本当に大変です。
しかし、来季以降の伸びしろや期待感では紀平さんがナンバーワンだと私は確信を持っていうことができます。
紀平梨花は我々の希望です!

その紀平さんと同じジュニア選手で観客の度肝を抜いたのは横井ゆは菜さんでした。
横井さんは全日本ジュニアで4位だったので今大会はノーマークでしたけど、SPでジュニア勢の2番手につけると、FSではノリノリの『バーレスク』を披露し、質のいいジャンプを揃えてノーミス、いやパーフェクトといっていい内容。
シニアの4分だというのに勢いがまったく衰えず、最後の要素である2A+3T+2Tがびしっと決まったときは鳥肌ものでしたね。本人ももの凄いガッツポーズで喜んでいましたけど、本当に気持ちのいい演技でした。
FSは130.31(72.31・58.00)、合計192.99で8位。 
この結果、横井さんは見事世界ジュニア代表に選出。
このままの勢いで活躍して欲しいですね!

全日本前、私が密かに予想していた優勝者は”三原舞依”。
今季はSPで苦しんでいたものの、そこさえ乗り越えれば日本歴代最高点を持つ得意のFSで他選手を退けられると思ったわけです。
しかし、SPでは緊張からかまさかの転倒があって、首位と約9点差の7位(64.27)となり、FS最終グループに入れないというハードラック。
ただ、三原さんのFSのPBは146.17なので、これが出せればトータルで210点を超え、2位までならあるかもしれません。そして2位ならば五輪の可能性も十分あるんです。
そういう状況で始まった『ガブリエルのオーボエ』、最初の3Lz+3Tが決まると笑顔がこぼれ、心が洗われるようなコレオシークエンスでも硬さが見えず、SPでミスをした2Aも成功。
完成度の高いスピン2つで前半を終わらせ、後半も綺麗な3F、鮮やかな2A+3T、3Loもばっちり!
3Lz+2T+2Loはやや慎重になったものの、次の両手タノ3Sは芸術品のような飛翔!
ステップシークエンスでも研ぎ澄まされたフットワークと集中力を見せ、最後のビールマンスピンも光り輝くように仕上げ、天に昇ってゆくような演技でした。
清純で淀みのない世界、三原舞依らしい世界、本当に心地よかった。
五輪をかけたギリギリの舞台で、自分の力を出し切った三原さんには賞賛の言葉しかありません。
”これぞ全日本”という演技でした。ブラヴォ!
そして楽しみなのはスコア。パーフェクトに近いノーミスの内容でしたから最終グループにプレッシャーをかけるスコアが出るかも。
ところが、140.40(73.90・66.50)、合計204.67とあまり伸びません。
PCSが抑えめだったのと、後半のルッツに回転不足(UR)がついていたせいでしょうけど、辛いですねえ…。
(PCSが樋口さんや坂本さんより低いのは大いに疑問。)
結果的に三原さんは5位に終わり、五輪出場はなりませんでした。
ただ、今季の三原さんはSPで『リベルタンゴ』というあまり得意でない曲調にチャレンジし、自分の可能性を広げようとしていたのは好印象でした。
五輪シーズンではほとんどの選手が自分に合ったプログラムを選び、ストレスを減らし、ジャッジからの評価も得やすくするという選択をするものです。
しかし、三原さんはそれをしなかった。
おそらく、今季の五輪出場を目標としながらも、選手として、表現者として、そこで終わりたくないという思いがあったのでしょう。
今後、彼女がどんなフィギュアスケートを見せてくれるのか、私は楽しみでなりません。
(長くなってしまったので後編に続きます。)
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