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2018冬季五輪・フィギュア男子FS(前) 勝者+ヒーロー

2018冬季五輪・男子シングルはSPが終わって、1位羽生結弦111.68、2位ハビエル・フェルナンデス107.58、3位宇野昌磨104.17、4位金博洋103.32。
各選手の今シーズンの成績や今大会での調子から、”表彰台ラインはトータル300点以上”、”金メダルラインは310点以上”くらいでしょうから、主役は上記の4選手に絞られたといっていい状況です。
いまの真4回転時代の男子シングルは総得点が大きく伸びた半面、ひとつのミスが結果を大きく分けるようになりましたから、”いかにミスを抑えるか”の勝負になるのは間違いありません。

そんなふうに最終グループですべてが決まるはずでしたが、それに待ったをかけたのはSPで大失敗をして82.27の17位に沈んだネイサン・チェン。
FSでは4回転6本(4Lz・4F×2・4T×2・4S)という構成を1ミスで終えるまさに”規格外”の演技で215.08(TES127.64・PCS87.44)、トータル297.35!
自分自身とアメリカのファンたちの失望を一気に希望に変える演技でした。これからの男子シングルを引っ張ってゆくのは俺だ!という気迫に満ちていましたね。
スコアも最終Gに十分なプレッシャーをかけるものですし、面白くなってきた!

そうして当然のようにネイサンが暫定1位をキープしたまま迎えた最終G、メダル争いの一角としてまず登場した金博洋は、緊張していたのか冒頭の4Lzが壁際スレスレになってヒヤッとさせるも、4Sと3A+1Lo+3Sを決めて上々の前半戦。
しかし後半冒頭の4Tで転倒してしまってかなり厳しい状況。
歯をくいしばるように次の4T+2Tを決め、残りのジャンプも食らいついていったものの、終盤の息切れはいなめませんでした。
SPのリードがあるのでおそらく暫定1位は確保していると思われましたが、キスクラでの金博洋はかなり不安そう。ここで2位ならメダルはかなり難しいですしね…。
そうして出てきたスコアは194.45(109.69・85.76)、トータル297.77!
辛い採点ながら僅差でネイサンを抜いて暫定トップ!金博洋もほっとした表情!

(最終Gに残ったアリエフとP・チャンですが、ミスを連発し、メダル戦線からはあっさりと脱落。)

はためく日の丸、沸き上がる大歓声、アウェイの地をホームに変えて登場したのは手負いの獅子・羽生結弦。
怪我明けのなかSPは乗り切ったがFSはどうなるのか、スタミナの不安に加え、4Loを封印して構成の難度を落としたことで、ミスがあまり許されなくなっただけに、緊張感もいっそう強まります。
そうして会場だけではなく、日本中が固唾を呑んで見守るなか、妖気漂う表情で『SEIMEI』と化した羽生結弦は、ひとならざる美しさの4Sと4T!これで一気に世界を支配した!
3Fとスピンをしっかり決めてから入ったステップでも集中して振り付けを積み重ねてゆき、いよいよ勝負の後半戦、まずは4S+3Tを豪快に決めた!
しかし次の4Tは着氷でバランスを崩してコンボに繋げられない手痛いミス、やはりFSの後半は厳しいのか、我々の心臓もキュッと縮む。
ただ、羽生結弦の瞳の輝きは少しも鈍らない、それどころかより輝きは強くなっている!
その証拠が3A+1Lo+3Sだ!リンクに稲光が走った!
これで勢いに乗った羽生結弦は3Loも鮮やかに決め、金メダルが見えてきた。
そして最後のジャンプは3Lz。
足首の怪我は4Lzの着氷が原因だったことは誰もが知っているだけに、このジャンプの着氷は祈るしかない。
もちろん羽生結弦本人だってトラウマを抱えているはず。
この最後の関門を乗り越えてくれ!
しかし、踏み切りでかぶりすぎている、ジャンプのバランスが悪い、危ない!!!
…が堪えた!堪えてくれた!必死に踏ん張り堪えてくれた!
これで優勝を確信したのか、羽生結弦の妖気にも余裕が生じ、美しいスピン、式神と一緒に風に舞うようなコレオ、スタミナの不安など微塵も感じられない余力十分のコンビネーションピン、そして最後は絶対王者であることを宣言するような両手を広げるポーズでフィニッシュ!
この男は本当に強い!想像を絶する!
スコアは206.17(109.55・96.62)、トータル317.85!
成功した要素の出来栄えが素晴らしかっただけではなく、演技全体を見ても、振り付けや繋ぎの部分での完成度が高かったですね。
怪我をいいわけにさぼったり、減らしたりということがないところに、羽生結弦の意地と誇りを感じました。
もちろん絶好調のときよりスケーティングの質や動きのキレは落ちていたとは思いますけど、”いまできる最善を尽くす”という気迫が演技をより輝かせていたこともまた事実だと思います。

五輪にやってきた羽生結弦は目標を「勝利」とだけいって、ジャンプ構成も「状況や相手を見て考える」という冷徹な発言をしていました。
しかし、このFSを見ても、4回転の種類は減らしても4本は確保し、後半にコンビネーションを全て集めるなど、決して点数稼ぎの構成は取らず、リスクを負った”王者に相応しい構成”を維持していたわけです。
羽生結弦は怪我を抱えていながらも、”勝ち方へのこだわり”も最後まで捨てていませんでした。
冷徹なだけでは勝者にはなれてもヒーローにはなれません。
このバランス感覚があるからこそ、羽生結弦は稀代のスターなのです。
本当に凄い男だ!
(熱くなってきたので後半に続きます。)
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