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2018冬季五輪・フィギュア男子FS(後) 歴史的ワンツーと美しい表彰台

(続きです。)
羽生結弦がトータル317を超えたことで、金メダルのためにはFSで210点以上が必要なハビエル・フェルナンデス(SP2位107.58)ですが、そのスコアを出したのは2年前の生涯一度切り。
もっとも、フェルナンデスも金を夢見ているでしょうけど、現実的な目標はメダル”のはず。
なにしろ世界選手権を2度制した選手がまだ五輪のメダルを持っていないのですからね。
その意気込みは冒頭の4Tの見事な跳躍に繋がるも、次の4S+2Tや3A+3Tは着氷が暴れていて、ちょっと不安。
そうしてチャップリン映画そのもののコレオで会場を沸かせ、勝負の後半でしたが、4S予定が2Sにパンクしてここで夢は破れました。ジャンプ構成が他の選手より劣るのでこのミスは痛かった…。
このミスでフェルナンデスからふっと緊張感が抜け、演技の煌めきもやや失われましたが、それがかえって良かったのか、そこからのジャンプは力みが抜けて連続成功。
そうすると演技も乗ってきて、終盤のステップでは美しいスケートとしなやかな身ごなしで、その実力と貫録を見せつけましたね。
FSは197.66(TES101.52・PCS96.14)、トータル305.24!
金博洋をかわして暫定2位!残り1人なので悲願のメダル確定!おめでとう!

私はハビエル・フェルナンデスという選手はフィギュアスケートに必要な才能を全て持っている理想の選手のひとりだと思っていますし、この選手の演技が大好きです。若い頃(やエキシビション)のハチャメチャな感じも、世界王者になった頃からのフェロモンをまき散らした演技も最高ですよね。
そして、日本のフィギュアファンとして彼になによりも感謝したいのは、ブライアン・オーサーのチームに羽生結弦を快く迎えてくれたことです。普通のトップ選手は自分のコーチにあとから他のトップ選手がつくのを嫌がるものです。
それなのにフェルナンデスは見ていて微笑ましいような関係を羽生結弦と築いてくれましたし、”クワドキング”としても羽生結弦の4回転修得に大きな影響を与えてくれたと思います。
そんな2人はリンクでは激しく火花を散らし、これまでも歴史に残るようなエキサイティングな戦いを繰り広げてきましたし、この五輪でもやはり羽生結弦のライバルはハビでした。
今季での引退を示唆しているハビですが、心からのありがとうをいいたいです。Mil Gracias!

長かった男子FSもいよいよ最終滑走、リンクに登場したのは日本が誇る”天才”宇野昌磨(SP3位104.17)。
PB(214.97)を出せば羽生結弦超えもあるだけに、密かに狙っていたことでしょうし、実際演技後に本人も「パーフェクトならば抜けると思っていた」と語っています。
しかし冒頭の4Loで豪快に転倒し、野望が一瞬にして潰えてしまうと、立ち上がった宇野昌磨は自嘲気味の笑いを浮かべ、目標を素早く切り蹴ると、続いてはフリーレッグで上手く捌いて4Fは成功!ここは観ていてドキドキしました!失敗したら一気にメダル圏外でしたしね。
3Loを跳んだあとは得意のスピンで息を整え、続いては『トゥーランドット』の雰囲気を膨らませたいステップシークエンスでしたけど、いつもに比べ身体が大きく使えていない印象。さしもの天才も初の五輪に硬くなったか。
ですが、五輪というのは勝負の場です。伸び伸びとしたいい演技をできることの方が少ない。それまで磨き上げてきた振り付けをしっかりこなし、ジャンプをきっちり決めてゆくことこそ、自分との戦いであり、他選手との戦いです。
そしてその勝負の後半、まずは3Aをばっちり決め、次は鬼門の4T+2T…こらえながらも降りた!よっしゃあ!
続く4Tも食らいつくような着氷!
メダルへの分水嶺である3A+1Lo+3Fも気持ちで跳んだ!
色を分ける最後の3S+3Tも死力を振り絞るように決めて、これでいったろ!
終盤はどれも粘り強さを感じるジャンプで、そこにはもう天才の姿はありませんでした。我々が見たのはファイターの気迫です。
そうして代名詞のクリムキンイーグルで栄光への道を描いた宇野昌磨は、残りの力のすべてを最後のコンビネーションスピンに叩きつけての堂々たるフィニッシュ!その顔には満足げな笑みが浮かんでいました。
よくやったショーマ!君は日本が誇る小さな巨人だ!
FSは20273(111.01・92.72・減点1)、トータル306.90!フェルナンデスをわずかに勝って2位!
これで日本男子のワンツーが確定!歴史的快挙!なんて2人だ!

それにしてもあの小さかった宇野昌磨が銀メダリストですよ。
宇野くんは小学生の頃から大人顔負けの表現力を武器に”天才少年”の名を欲しいままにしてきたので、大会だけではなくショーの出演なども多く、早くからフィギュアファンに知られた存在でしたし、大きな期待をかけられていました。私ももちろん当時から大ファンでした。
しかし、身体のサイズが小さかったこともあり、他選手に比べてジャンプの習得が遅く、ジュニアに上がってから(11-12)は成績が伸び悩みます。
我々ファンも「トリプルトリプルはいつ跳べるようになるのか…」「3Aはいつ…」と毎年ヤキモキしていたものです。
当時を振り返る宇野くん本人もその頃の”絶望感”を語っているように、本当に苦しい時代でした。
それが14-15には3Aと4Tを同時に自分のものにするという信じられない進化を果たし、ファイナルと世界ジュニアを制覇。
”天才少年”が”天才”になったシーズンです。
そしてその勢いのままシニアに上がったあとは毎年順調に力をつけてゆき、この五輪で見事銀メダルを獲ってくれたわけです。
あの小さかった宇野昌磨が…。
私もしみじみと喜びがこみ上げてきているところです。
本当におめでとう宇野くん、次は羽生結弦超えだ!

こうして終わった2018男子シングルは羽生結弦と宇野昌磨が歴史的なワンツーフィニッシュ、フェルナンデスも嬉しい銅メダルに輝き、表彰台は本当に晴れやかなものでした。3者3様のドラマがあったと思います。
そして日の丸と君が代も本当に美しかったですねえ。
ありがとう羽生結弦、そして宇野昌磨。
2人の輝きはいつまでも日本人の心に残り続けることでしょう!
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