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宮川選手の勇気あるタックル

いわゆる渦中の人物の記者会見というのは、起こった出来事を大げさにいったり、逆にささいに見せかけたり、自分に非が無いように取り繕ったり、対立相手を悪くいったりということが多いので、聞いている我々は”うさんくさい”という印象しか持たないわけですが、今日(2018年5月22日)の日大アメフト部・宮川泰介選手のそれは、”う”の字も感じないような真実味のある話でした。

この宮川選手が加害者という名の当事者となった〈悪質タックル問題〉は、これが世に広まった当初から、日大の内田正人監督らコーチ陣の指示が疑われていました。
ファウル自体が異常すぎた上に、コーチ陣が宮川選手を咎める様子もなく、試合後に内田監督が「うちはあれくらいしないと勝てない」と行為を容認するようなコメントを出していたからです。
一部報道では他選手からの「監督からの指示があった」という言葉も拾っていました。

しかし問題が大きく報じられ、世間からの批判が内田監督と日大に集まると、監督と大学は「指示はしていない」と強弁し始め、「指導と選手に乖離があった」といって、問題の落としどころを”宮川選手の勘違い”にしようとしたわけです。
これに怒りを露わにしたのは対戦相手の関西学院アメフト部と怪我をさせられた選手とその保護者。
どう考えても内田監督と日大側が嘘をついているとしか思えないなか、ことの真相究明を求め、正式抗議をし、徹底抗戦の姿勢を取ります。
内田監督と日大はこれに折れる形で、謝罪に赴きますが、”指示の有無”については明言しなかったため、保護者が納得せず、警察に被害届を出したのが昨日21日でした。

それを受けての今日の宮川選手の記者会見の焦点は”指示の有無”のはずでしたけど、昨日の段階で宮川選手の代理人(弁護士)が「指示があったことを認める」とマスコミに漏らしたため、会見はそれを追認するのと、被害者への謝罪が中心となり、”内容よりも会見をすること自体が重要”というのが事前の雰囲気だったと思います。
ところが、会見が始まってみると、その内容があまりにも赤裸々で、残酷で、今回の事件がどれだけ悪質で、どれだけ若者を傷つけていたか、宮川選手の話を聞いたひとは心を揺さぶられたに違いありません。

被害者に対する深々とした謝罪で始まった会見での言葉を抜粋すると、
「闘志が足りないなどの理由で試合の数日前から練習を外され、(指導陣から)相手のクオーターバックを潰さないと試合に出さないといわれた」
「内田監督から大学日本代表合宿に行くなといわれた」
「試合後はファウルをしたことを泣くほど悔やみ、相手選手に個人的に謝罪をしたかったが内田監督に止められた」
「指示の公表も止められた」(同席した代理人は、日大側が「当該選手も指示がなかったと語っている」という間違った情報をマスコミに漏らしたことも批判していました。)
「僕がアメリカンフットボールを続ける権利はないし、この先やるつもりもない」
「相手選手のご家族が被害届を出されたのは当然です。僕はそれくらいのことをしました。指示があってもやったのは自分です」
というもので、日大コーチ陣が宮川選手に”部内での地位を奪う”というプレッシャーをかけ、犯罪まがいのファウルに向かわせたことがよくわかります。

とくに「潰せ」という指示の部分は生々しく、宮川選手の直属の上司といっていい井上奨コーチから「関学との定期戦がなくなってもかまわない」「相手QBに怪我をさせたら秋(の甲子園ボウル)が有利になる」(これは先輩を通しての言葉らしいです)といい含められ、宮川選手は内田監督に「潰すから使ってください」と直訴したそうです。
これに内田監督は「やらないと意味ないぞ」と応じ、試合直前には井上コーチから「できませんでは済まされないぞ」と念を押されたというのですから、まるでヤクザの世界です。
いや、ヤクザの犯罪では〈使用者責任〉が問われるだけ、まだヤクザの方がましかもしれません。日大では選手に責任を丸投げしていますからね。

それにしても、まだ20歳(3年生)の若者が全国に顔をさらしての生中継に臨んだ勇気、そして日本一巨大な大学相手に正面からタックルをかました姿は立派だったと思いますし、そこに”保身”がなかっただけに若者らしい清々しい印象を残しました。
ただ、この問題に関し、日大は”監督の指示を否定”していますから、宮川選手が完全に大学側と対立してしまったのは事実です。
彼はアメフトを辞め、「今後なにをしていいかわからない」と漏らしていただけに、大学も辞めてしまうかもしれません。
部と大学に見捨てられたこの若者を、社会が助けてあげて欲しいものです。
(部の仲間やOBは宮川選手をバックアップすべきです。)

そして今後、日大の”う”のつくひとはどうするのか?
指示を認めなければ、日大アメフト部だけではなく、日大そのものも奈落の底に沈みますぜ。
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(※会見の内容は、いまの段階では宮川選手の一方的主張なので、これが全て真実とは限りません。)
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