浅田真央サンクスツアーin軽井沢(後)

(続きです。)
中編で無良くんを”脇役”と書きましたが、このサンクスツアーの男性陣はみんなそんな感じで、『素敵なあなた』では蠱惑的な浅田真央に振り回される哀れな求愛者たちを演じ、『ポル・ウナ・カベサ』では女ボスと化した舞さんをリフトするなど、黒子に徹していた部分が多かったですね。
ただ、4人の男性陣はその仕事を完璧にこなし、ショーの完成度を高めるのに大いに貢献していたのは間違いありません。
ブーケのなかのカスミソウだったかもしれませんが、このショーに対する意気込みはその花言葉通りの”純粋さ”でしたね。

ショーもいよいよ終盤に入るなか、女性陣による『ジュピター』はとても大切な時間でした。
このエキシビションは3・11に対する浅田真央の祈りの舞。
当時は彼女自身の家族に辛いことがありましたから、その祈りがまた痛切で、ファンにとっても胸を打つプログラムです。
それを女性陣が厳かに舞う。
会場は少ししんみりした雰囲気になりました。

ただ、礼拝というのはしめやかなばかりではない!とばかりに始まったのが『リチュアルダンス』。
黒の衣装を身にまとった浅田真央と男性陣がおどろおどろしく登場すると、怪しくもクールな群舞に会場は騒然。
途中で赤の衣装の女性陣が乱入すると、男女対抗紅黒合戦の様相を呈し、やがてはそれが入り混じるようになってひとつの炎になったかのようになると場内は暗転。
そしてぱっと証明が戻ると、男性陣はおらず、女性陣の中央には黒から赤の衣装に変わった浅田真央の姿が!
そこからは華やかで情熱的な赤のダンス!
これには会場も大盛り上がり!
競技プログラムだった『リチュアルダンス』ですが、ほんとショー向きですねえ。

そしてこの曲がかかったとき、会場はショーの終わりを確信しました。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。浅田真央が伝説となったあの曲です。
このプログラムといえば、宇宙を思わせるような濃紺とブルーの衣装が印象的でしたけど、まず登場したのはそれを模した衣装を着た男性陣。
彼らが浅田さんの演技をアレンジしながら小彗星のようにリンクを回り、期待感がどんどん膨らんで行きます。
なかでもエルネスト・マルティネスくんなどは浅田さんの動きの癖までよく似せていました。かなりのファンですね。
そして曲が終盤のステップに近づいてくると、大彗星たる浅田真央の入場!
ぐんぐん加速し、まずは3Lo!…といきたいところでしたけど、これがパンク!
頭を抱える浅田真央、会場からは優しい笑い声と応援の声!
そこから気を取り直してのステップの激しさに観客はあの集大成のソチ五輪の興奮を思い出し、もちろんフィニッシュは浅田さんと男性陣が一緒になって拳を胸に当てながら頭を後ろに反らせるあのポーズ!
これには演者も会場も笑顔に包まれていました。
泣きそうになっているひともいましたね。

気がつくと1時間20分ほどが過ぎていて、楽しかったショーもフィナーレへ。
笑顔の演者たちが手を振りながらリンクを回り、それに向かって会場中のお客さんが手のひらを伸ばします。
それが紙吹雪のように閃いて、熱狂がさらに膨らんで行くようでした。
私の頭のなかで『I love you baby』が流れていたのは内緒です。

それにしても本当にあっという間でした。
一炊の夢とでもいいましょうか、演者たちが幕のなかに帰って行っても終わったことが信じられず、まだ続くんじゃないかと会場の手拍子は鳴りやみません。
私などはアンコールを求めるリズムになっていましたね。
すると、それに応えるように勢いよくリンクインしてきたのは浅田真央!
なにをするかと思ったら、3Loの跳び直し。よほど悔しかったのでしょう。
しかし、またしてもパンク!
本人もそうですけど、見守っていた出演陣もこれには苦笑い。
それでも浅田さんは諦めず、泣きのもう一回を所望すると、今度は決めた!やったああ!会場も大笑いで大盛り上がり!
頑固で諦めが悪い、これぞ浅田真央だ!

いやあ、終わった、本当に終わりです(私と相方の夏は早くも終わりました)。
今年から始まったサンクスツアーでしたから、どんな感じになるかと思いましたけど、とても満足度の高いショーでしたね。
普通のアイスショーに比べ、照明や演出はちょっと手作り感がありましたし、DJなんかもいないので進行も淡々としていましたから、華やかさには欠けていたかもしれません。
しかし、稀代のスケーターでありエンターテイナーである浅田真央がそこにいて、姉の舞さんと盟友の無良くんがしっかりそれを支え、浅田さんの考えに共鳴したスケーターたちが全力かつ真摯に役割をこなしてゆくことで、望外に完成度の高いショーになっていたと思います。
おそらく、通常のショーに比べて練習期間がかなり長いのではないでしょうか。
”チーム真央”の連携はワールドクラスでした。

そしてなんといっても浅田真央の演技です。
昨季に見えた”今後への迷い”はもうありません。
自ら振り付けを手掛けているせいもあるのか、その滑りはどこまでも自由闊達で、前を向くエネルギーに溢れていました。
浅田さんがいま心の底からスケートを楽しんでいることが、観ているこっちにも真っ直ぐ伝わってきます。
私も浅田さんの笑顔が本当に嬉しいです。幸せな気分です。

このサンクスツアーのHPには「浅田真央が全国に感謝を届けます」とありますが、来場するひとのほとんどは”ファンが浅田真央に感謝を伝える”ためのツアーだと勘違いしているかもしれません。
…でも、正しいんじゃないでしょうか。
絶対にそうだと思います。
観終ったいま、私の心は「ありがとう!」を叫んでいます。
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