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ロシアW杯、最も目立ったのは

6月14日に開幕した2018W杯ロシア大会も昨日7月14日に決勝戦が行われ、世界中がサッカー一色に染まる1ヶ月も幕を閉じました。
今大会は大きなトラブルもなく、ドーピングに引っかかる選手もなく(いまのところ)、観客動員やテレビ視聴率も好調だったことから、FIFAのインファンティノ会長も「史上最高の大会」(7月13日)という評価をしていましたけど、SNSなどの反応から見ても世界中のサッカーファンも大いに満足した大会だったようです。

私も大会を大いに楽しんだサッカーファンのひとりですけど、その好評だった理由は大きくいって3つあると思うんです。
ひとつはクロアチアやベルギーという新顔の活躍。
ドイツやスペインやブラジルといったよく見る顔ぶれがもどかしいサッカーをするなか、攻撃的な好選手を揃えた両国が勝ち上がっていったのは間違いなく大会を活性化させました。
両国ともに人口や経済力でいうところの小国なので、今後躍進を目指す多くの国々に”自分たちも出来るんじゃないか”という希望を与えたと思います。

2つ目はやはりランキング下位(ポット3、4)の国々の奮闘でしょうね。
W杯に出場する下位に国というのは、「GL突破」を第一目標に掲げつつも、内心では「無理」と諦めているのが本当のところで、その弱気が強豪国のかっこうの餌食になるのが常だったわけですが、今大会は番狂わせが多かっただけではなく、たとえ負けが込んでもくじけることなく戦い、最後までGL突破を諦めなかったり、応援してくれている国民のためにも勝ち点1でも得点1でも残したいというチームがたくさんありました。
エジプトやモロッコやイラン、アイスランドやコスタリカなどの粘りは印象的でした。
彼らのようなグッドルーザーが大会の価値を高めたといっていいでしょう。

そして、そのランク下位の奮闘の象徴だったのは、なんといっても我らが日本代表・西野ジャパンです。
欧州と南米中南米がひしめくベスト16にそれ以外の地域から唯一進出したのはサッカーがグローバルなものであることを証明していましたし、ポット4のなかで唯一のベスト16だったことはサッカーというのは実力が劣っていても闘志や団結や工夫で勝利することが出来るエキサイティングなスポーツであることを照明していました。
しかも決勝トーナメント1回戦で敗退したとはいえ、優勝候補のベルギー相手に接戦を演じ、海外のメディアやファンが選ぶ大会ベストマッチにも名を連ねていたのですから、西野ジャパンの存在は大会の盛り上がりに大きく貢献したといっていいでしょう。

3つ目は、日本×ベルギーがそうだったように、決勝Tに入ってからも好ゲームが多かったことです。
データでいっても、すべての試合で得点が入り、すべての試合が2点差以内というのは過去2大会にはなかったことです。アグレッシブに得点を奪いにいったチームが多かったといっていいでしょう。
その理由として考えられるのは、「延長戦に入った場合に限り4人目の交代を認める」という今大会から導入された新ルールです。
これによって最初の90分で3人目を投入しやすくなり、ゲームが活性化したのは間違いありません。
もっと早くから導入されてしかるべきルールだったと思います。

このように全体的にはポジティブでアグレッシブな印象を残したロシアW杯ですが、唯一あやふやな印象を残したのは新たに導入された〈VAR〉(ビデオ・アシスタント・レフェリー)でした。
サッカーは1点が勝敗を大きく左右することから、誤審や微妙な判定は禍根を残しがちだったため、主審が補助審判からの助言に基づきビデオ映像を確認し、判定を再考する制度を設けたわけですが、今大会ではこのVARがなにかと目立ちました。
機械的に正しい再判定がされることでゲームがより公平なものになったのは多くのサッカーファンが好意的に受け取ったのはもちろん、、これまで”マリーシア”とされていた過剰な演技が嘲笑の的になったのも今後のサッカーが変わるきっかけとなることでしょう。

ただ、VARには問題がないわけではなく、ひとつは主審が補助審判に助言を求めなければVARが使用されないということです。
わかりやすいのはポルトガル×スペインでC・ロナウドがエリア内でファウル判定をもらったシーン。
ダイブ(審判を騙すプレイ)にも見える場面でしたが、スペイン側の抗議のなか、主審はVARで確認することなく、ポルトガルにPKを与えてしまいました。
コロンビア×イングランドでも、ケインがエリア内でサンチェスに倒されたという判定を受けた場面は、一見するとサンチェスがファウルを犯しているような感じなのですが、その少し前から見るとポジション争いのなかでケインがサンチェスを引っ張りながらサンチェスの懐に入っていっているんです。
サンチェス側からすれば引っ張られたために、覆いかぶさる形になったというわけです。
これも主審はVARを頼らずにPKを与えてしまいました。
両方ともなぜ確認しなかったのかわかりません。

その”確認しない”でいえば、VARは、”ゴールかどうか・PKかどうか・直接レッドカードかどうか・選手誤認していないか””という4つのケースでしか使われないことになっているため、PA外の好チャンスの位置でのファウルは確認されないんです。
このわかりやすい例が決勝戦のグリーズマンの”ダイブ”ですね。
これでもらったFKからフランスが先制してしまったのは興醒めというより他ありません。(FKのときポグバがオフサイドの位置にいたと指摘する声も)。

しかもフランスはこのあとにクロアチアに追いつかれるも、すぐさまCKから得た相手ハンドによるPKで突き放したのですが、そのハンド判定にも大きな批判が巻き起こっています。
この場面、ペリシッチの手は完全にボールに当たっていますが、サッカーのルールにおけるハンドというのは、「故意」と「ボールが当たった手の位置・状態」と「避けられないほどのボールだったかどうか」が判定の基準になっているのですから、単純に反則になるわけではありません。
映像を見るに、ペリシッチに触ろうという意図は感じられませんし、腕の位置も大きく広げているわけではなく、ボールも予測不能なところから当たっています。
ルールに照らせばノーファウルでしょう。
ですから、世界中の多くのサッカー関係者が「間違った判定だ」といっているんです。

もっとも、現実的にいえば、その上の3つの基準を満たしていなくてもハンドを取られる場合があります。
それは、その手に当たらなければ相手が決定的なチャンスを得たであろう、という場面です。
これでノーファウルだとさすがに相手チームが納得しません。
ただ、今回のペリシッチのケースでいえば、例えペリシッチの手がそこになかったとしても、ボールはペリシッチの胴体部分に当たっていたか、もしくはペリシッチの後ろにいた別のクロアチアの選手のところにいったはずです。
ボールがどう弾むかは100%予測はできませんが、フランスが決定機を迎えていた可能性は低いといっていいでしょう。
ですから、主審はVARで確認したあとでスルーすべきでした。
フランス人以外は誰も怒りません。

ところがアルゼンチンのピタナ主審はハンドによるPKとしてしまったわけです。
映像を免罪符に、責任を機械に丸投げした愚かな判定といっていいでしょう。
グリーズマンのダイブの見逃しといい、試合を壊すに十分な活躍でした。

盛り上がった大会の決勝戦が議論の的になってしまえば、「最高の大会」もなにもありません。
FIFAには、テニスのような〈チャレンジシステム〉を導入するなど、より納得度の高い制度を検討していって欲しいものです。
主審とVARが主役となったこの決勝戦は、サッカーの試合として振り返られることはないでしょう。
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