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御嶽海、信州をひとつにする初優勝!

昨日7月21日、長野駅前では号外が飛び交い、それを奪うようにして手に取ったひとびとの顔には満面の笑みが浮かんでいました。
紙面に踊る文字はもちろん「御嶽海初優勝」!
平成30年名古屋場所はまさに御嶽海による御嶽海のための場所でした!
やったあ!おめでとう!

みなさんご存知のように長野県は地域対立が激しく、実は”信州を代表するひとやもの”というのは”お蕎麦”くらいしかないんです。
善光寺は長野市、松本城は松本市、真田家は上田市と松代、スポーツでもスケートは中南信、スキーは北信ですし、食べ物もおやきは北信、山賊焼きは中信、みたいな感じで、全体のものではありません。
ところが御嶽海に限ってはどこにいっても愛されていますし、信州全体の共通の話題なんです。
そんな御嶽海が優勝したことで、信州がひとつになったような感じがします。
彼は本当に信州のヒーローです。

それにしても今場所は序盤から波乱含みで、4日目の朝に白鵬が突然休場を発表したかと思えば、6日目からは鶴竜も休場。
加えて今場所の目玉だった新大関・栃ノ心までもが6日目の取り組みで負った怪我により7日目から休場。
これでいわゆる優勝候補がすべて消えてしまいました。

そんななか関脇・御嶽海は順調に白星を伸ばし、自身初の8連勝で中日の勝ち越しを決めると、そのまま11連勝で2位以下に星2つの差をつけます。
こうなると日本中が「今場所は御嶽海だろう」というムードになったわけですが、我々の長野県ではちょっと違いました。
御嶽海は後半に弱く、7連勝からの5連敗という過去もあるだけに、県民はそう簡単には浮足立ちません。
県内メディアも自制している感じでした。

それが優勝ムードになったのは、髙安戦で惜しくも黒星がついた12日目です。
負けたのにおかしな話ですが、2敗勢も揃った3敗に後退したおかげで、残り3日の内2番勝てば自力優勝、1番でも最悪決定戦という状況となり、”優勝”がはっきりと見えてきたわけです。

そうして迎えた13日目はまさに今場所の大一番、負ければかなり嫌な感じになりかねないものの、勝てばグっと優勝が近づくという分水嶺。
相手は対戦成績3勝6敗の大関・豪栄道。
豪栄道は角番ながらそこまで3敗を維持し、直接対決で御嶽海を2敗に引きずり降ろせば逆転優勝の目も出てくるだけに気合も十分なはず。
御嶽海からすれば、今場所最も大事な一番の相手が、最も注意すべき相手になったわけです。

私もこの豪栄道戦ばかりは朝から気になって、出先でしたけど、しっかり中継を見守っていました。
注目は立合いで、ここで相手より踏み込んだ方が勝つ…というところで、鋭い立合いをしたのは豪栄道!
しかし御嶽海はそれを闘牛士のようにひらりと捌くと、体を入れ替えてそのまま送り出し!
素晴らしい反応を見せての12勝目!
これでマジック1とした御嶽海は、翌14日目は左手を酷く痛めている栃煌山相手に左差しから下手廻しを掴む戦術的な相撲で、そのまま一気に寄って歓喜の初優勝!
プレッシャーから解放された御嶽海が、「優勝しなければならない感じになっちゃって…」といいながら涙で応えるインタビュ-はとても印象的でした。

今日の千秋楽も豊山との激しい攻防の末、ぎりぎりで相手の投げを食らって負けてしまいましたけど、今場所は全て”攻める相撲”を取り切り、内容も素晴らしいものがありました。見事な13勝2敗です。
特に”前に出る圧力”はこれまでにない力強さで、いつもならば粘られるところをそのまま押し出し、格の違う強さでした。
データーでいうと、今場所は過去最重量の167kgという身体を作ってきていましたけど、それが圧力に繋がったんじゃないでしょうか。

私は御嶽海がこんなに力強い相撲を取れるようになったことに驚きを禁じ得ません。
現在の幕内力士の平均的な体格は、身長185弱・体重160強という巨体化しているなかで、初土俵の頃(平成27年大阪)の御嶽海は178cm・158kgしかなく、私は大きな出世は想像していませんでした。取り口でいっても”これ”という武器はありませんしね(ちなみにうちの母親は「大関になる」って断言していました)。

そんな御嶽海ですが、場所ごとに身体を大きくしていって、いまでは体格面でのハンデはまったく感じさせません。
日々しっかり考えながらフィジカルトレーニングをしているのでしょう。
ただ、”必勝の型”というのはいまだ定まっておらず、それがために”ふとした連敗”に繋がっているのだと思います。
そんななかで今場所の御嶽海が武器にした型というのは、有形のそれではなく、対戦相手によって臨機応変に姿が変わる”水の型”でした。
ブルース・リーの「水になれ」ですね。
御嶽海はもともとクレバーな力士ですけど、今場所は精神的な落ち着きからか、それが冴え渡っていました。
勝負の流れを完全に掴んでいましたね。

これで来場所は”大関取り”です。
先々場所が関脇で7-8、先場所が小結で9-6、今場所が関脇で13-2ですから、”10勝”が当確ラインになると思います。
御嶽海は今場所優勝したとはいえ、三役での10勝も優勝争いも初めてのことでした。
来場所は横綱陣と栃ノ心も戻ってくるでしょうし、今場所角番だった2人の大関も調子を上げてくるはずです。
そこでの10勝というのは簡単ではありませんが、本当の敵は自分自身です。
今場所のように”前に出る相撲”を15日間取り続けることができれば、大関は自ずと転がり込んできます。

現在の大相撲は横綱大関陣が高齢化し、群雄割拠の様相を呈しているなかで、いまだ次代を担う有望若手も現れていません。
中堅力士(25歳前後)はいまが勝負のときですし、その筆頭はもちろん御嶽海だ!
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