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十両のCM

例の暴行事件の余波として貴ノ岩が日馬富士に2400万円を超える損害賠償を請求した際、世間の反応は「法外だ」「高すぎる」というものが多かったですけど、その大部分を占める”失った懸賞金900万円”という項目には驚かれた方も多いのではないでしょうか。
貴ノ岩は2場所休場して幕内を陥落し、十両で3場所過ごしたため、合計5場所の間懸賞金を受け取れなかったという説明でしたから、1場所180万円の損という計算になります。
幕内の月給は120万9000円ですから(月給制)、力士の収入に占める懸賞金の割合がいかに高いということがわかりますし、一般的にはそれはあまり知られていないので、それが明らかになると我々は驚きを禁じ得ないというわけです。

また、同じく知られていないのは十両の取り組みには懸賞金が掛けられないという決まりです。
月給でいうと十両は95万7000円をもらっているので幕内とそんなに大きな差はないわけですが、この懸賞金を考えると収入にはかなりの開きが生じることになります。
相撲の”番付至上主義”はこういうはっきりとした待遇の違いの上に成り立っていて、それが番付を這い上がるモチベーションにも繋がっているというわけです。

しかし、”外部からの収入”は角界のルールでも完全に縛ることはできません。
例えば、番付は低くても大きなタニマチがいるとか、スポンサー企業がついている力士は必然的に羽振りがよくなりますよね。
そういう力士の多くは個性的なルックスや取り口を武器に人気を獲得し、横綱大関に勝るとも劣らぬ知名度を得ているものです。
少し前なら高見盛がその代表例ですね。最高番付が小結(平成5年九州場所の一場所きり)だったにも関わらず懸賞金も多かったですし、なによりも〈永谷園〉のCMに10年近くも出演していたのは特筆すべき好待遇です(親方になった後も出演継続)。
相撲では番付と釣り合わないことをすると”顔じゃない”といわれますが、高見盛のCMはまさにそれだったと思います。本来ならば力士自身がそれを”恥”だと感じなければならないわけです。

ただ、高見盛は三役の経験があるだけまだましです。
良識ある相撲ファンが理解に苦しんだのは遠藤です。
新入幕に合わせて永谷園のお茶漬けのCMが始まったときには唖然としたひとも多かったといわれています(批判報道もちらほら)。
オファーを出した永谷園はもちろん、それを受けた遠藤もどうかしています。
大相撲を支えるハングリー精神の全否定ですぜ。
その結果かどうかわかりませんが、遠藤は期待されていたような結果を残せないでいますしね。
ちなみに、平成28年に遠藤が十両に陥落した際(3月場所)は懸賞金も掛けられませんでしたから、それに倣う形でCMも中止になっています。
永谷園にもわずかながら良識が残っていたようです。

この”顔じゃない”という感覚は日本の恥の文化に起因するようではありますが、欧米でも通じるものだと思います。
例えばサッカー。少し古い話ですが、レアルマドリに移籍したベッカムはいわずと知れた世界的セレブでしたけど、チームの看板はジダンでしたし、ロナウドでしたし、フィーゴでした(ベッカムはピッチ内でもピッチ外でも脇役に徹していたのは立派。人間性でしょう)。
メジャーリーグでもチームには不可侵のボスがいて、スター気取りの選手に釘を刺すものです。
ひょっとすると海外の方が”顔”への意識が強いのかもしれません。”序列意識の強さ”といってもいいでしょう。
それが生むハングリー精神と、上の者に対するリスペクトが欧米のスポーツ文化を発展させてきた要因のひとつだと思います。

私が今回こんなことを書いたのは、いま日本の女子フィギュアに”顔じゃない”選手がいるからです。
ジュニアでは優勝した選手ですが、シニアに上がった昨季(2017年)からこれまでこれといった成績を挙げていないのにメディアに出まくっているのは違和感しか残りません。
世間のひとにはわけがわからないでしょうし、フィギュアファンの間では嘲笑の対象です。
これは本人にとっても日本フィギュアにとってもあまりいいことではありません。健全性が疑われてしまいます。
メディアも本人も”恥”という言葉を思い出すべきです。

そしてJALと読売新聞とロッテ。
広告を出すのだったら良識というものが必要です。
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