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2018NHK杯・女子SP やっぱり日本対ロシア

この2018NHK杯の見どころといえば、女子では日本女王・宮原知子と新星・紀平梨花の同門姉妹弟子対決。
男子ではNHK杯初出場の宇野昌磨が初優勝を果たせるかどうか。
エントリーしている外国勢に物凄く強いライバルもいませんし、NHK杯40周年ということもあって、”主役は日本人”というわかりやすいコンセプトを感じます。

そうして始まった11月9日の女子ショートプログラム、日本選手の先陣を切って第1グループに登場したのは今季からシニアに上がった紀平梨花さん。このNHK杯が記念すべき始めてのGPSです。
その気負いがあったのか、冒頭の3Aが回転不足(UR)の転倒となって会場を氷つかせるも、気持ちを立て直しての3F+3を切れ味鋭く跳び、腕の長さを生かした優美な繋ぎで『月の光』を描いてからの後半、ダブルタノ3Lzはエクセレント!ジャンプの軸を作るのがとにかく上手い!
高く足が上がるコンビネーションスピンも滑らかな回転、ステップシークエンスは振り付けが生真面目。エッジも深く、身体も柔軟。
最後のビールマンも綺麗なフォルムを見せつけ、悔しさとほっとしたような表情を浮かべていました。
SPは69.59(TES38.40・PCS32.19・減点1)。
3Aの失敗はあったものの、他のジャンプは本当に素晴らしい出来でしたし、スピンやステップもまとまっていたので、まずまずのスコアが出ました。3Aだけに頼らないのがこの選手の強さですね。
紀平さんはジュニア時代から毎年少しずつ課題を克服しながらスケーターとして着実にレベルアップしていますし、志の高さがうかがえます。”世界一”を目指しているのは間違いありません。
ただ、その志の高さや生真面目さが演技全体の余裕のなさに繋がっているような気もします。
音楽表現なんかでももっと自由になっていいんじゃないでしょうか。
若いんですからもっとはっちゃけて!

上で「物凄く強いライバルもいない」と書いちゃいましたけど、それはエントリー時のことで、シーズンが開幕したいま、我々はエリザベータ・トゥクタミシェワの脅威を感じずにはいられません。
2週間前のスケートカナダで3Aを武器に4季ぶりのGPS優勝を果たした元世界女王は、それで完全に自信を取り戻し、このNHK杯でも見事な3Aでスタート!
続く3T+3Tも余裕綽々に決め、軽やかなスピンを挟んでの後半3Lzも彼女らしい高さ。
スケーティングにも気合が入っていて、演技全体の輝きもより増していました。
『Mr.&Mrs. スミス』のアサシンズ・タンゴもめちゃくちゃよく似あっていてとっても艶やかです。
SPは76.17(43.18・32.99)!
不得手のスピンとステップはそう突き詰めていませんが、その分、ジャンプと演技全体の質は磨かれていて、完成度の高い印象を受けます。
この路線で勝負に徹するトゥクタミは本当に怖い。

トゥクタミのハイスコアを受け、並の選手ならば動じるところですが、我らが女王・宮原知子は鋼の肉体(背中の筋肉は裏切らない)とメンタルで自らのフィギュア道を突き進むようにスタートすると、力強い3Lz+3T、コンパクトなキャメルスピン、流れのある2A!
『小雀に捧げる歌』に乗って華麗に入っていった後半も3Loを軽々と決めると、その勢いのままコンビネーションスピンからステップシークエンスまで一気に駆け抜けるような濃縮感。
最後のレイバックスピンも相変わらず完璧なメカニックで、凄味を感じる演技でした。鳥肌が立ちます。
それにしてもまったく隙がない。こんな完成されたSPがあったでしょうか。もはや達人の域ですね。
SPは76.08(40.33・35.75)。
単独3回転を3F→3Loに変更したのもとてもいい選択だったと思います。基礎点はわすかに下がりますが(後半ボーナス込みで-0.44)、回転やエッジに気をつかわなくてすむのか、3F時の重苦しい雰囲気がなく、流れもよりスムースになっています。
これでまったく隙がなくなったわけです。
このSPがあればどんな選手とだって戦える。
我らの女王は鋼で出来ている!

最終滑走の三原舞依さんもこれが嬉しいNHK杯初出場。
その緊張からか冒頭の3Lz+3Tがやや詰まったようになるも(URか)、その後は落ち着いて2Aと3Fを決め、スピンやステップも持ち前の丁寧さで的確に揃えていました。
品のある滑りで、『イッツ・マジック』のムーディな雰囲気もよく出ていたと思います。宮原さんほどではありませんが、こちらもまた完成度の高い演技でしたね。
SPは70.38(32.68・32.68)。
内容もスコアもまずまずでしたから、これを喜ぶべきなのかもしれませんが、私には不満が残ります。
昨季の三原さんは『序奏とロンド・カプリチオーソ』に挑戦し、あまり上手かずに五輪の夢も散ってしまいましたけど、”殻を破ろう”という意欲は感じられました。
しかし今季はまたもとの路線に戻し、結果を確実に出してゆこうということなのでしょう。
その気持ちはわからないでもありませんが、このままではある程度の結果は出せても、それ以上は叶いません。
このSPでも悪いところはなかったものの、特にいいところもない演技になってしまっています。
周りがどんどん進化するなかで埋没しかかっているといっていいでしょう。
次の五輪を見据えるならば、自分を破壊するような激しさが欲しい。
おとなしい曲だって内側に激しさがあるものですぜ!

こうしてSPが終わり、1位トゥクタミ、2位宮原さん、3位三原さん、4位イム・ウンス(69.78)、5位紀平さん、6位アリョーナ・レオノワ(68.22)。
GPSデビューのイムも、NHK杯7度目(びっくり)のレオノワも集中力の高い素晴らしい演技でした。
FSでも僅差の勝負になるでしょうし、優勝も表彰台も予想がつきません。
わかっているのは手に汗握る勝負になるということだけです。
40周年記念に相応しい、レベルの高い争いに期待!
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