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2018NHK杯・男子シングル(後) 今年の主役は

(続きです。)
ボロノフといえば検索の第2ワードに「いい人」という言葉が出てくるくらい選手からもファンからも慕われているナイスガイですが、ここは日本(広島)。宇野昌磨が声援で負けるわけにはゆきません。
SPの『天国の階段』ならば観客の心を鷲掴みに出来る。
まずは着氷を上手く整えた4F!大歓声!
そしてクールな振り付けを挟んでのコンビネーション、畳みかけたい4Tでしたがまさかの転倒…。セカンドを意識し過ぎて体の開きが速かったか…。
かなり大きなミスでしたが悔しさをかみ殺すようなスピンで気持ちを立て直し、後半のイーグル3Aは大きな飛翔!
セクシーに髪をかき上げ、曲がアップテンポになるなかでのステップでは安定したターン、細かいフットワークもさすが。
最後のコンビネーションスピンも音楽をよく捉えていました。
SPは92.49(TES48.91・PCS44.58・減点1)。
一番失敗しちゃいけないところでのミスが出てしまい、スコアはまずまずだったものの、どうしても勝負弱い印象を残してしまいます。ビシッと揃えて欲しかった。

SP最終滑走のセルゲイ・ボロノフは彼らしいちょっとイケてない感じの衣装でのラフマニノフ前奏曲ト短調。
冒頭は得意の4T+3Tをやや踏ん張りながらも確実に着氷し、鬼門の3Lzも成功。
レベル取りに徹したスピンは職人芸、後半は長い助走からの大きな3A!
シットスピンから振り付けへと繋ぎ、そのまま入ったステップでは指揮者のように上半身を揺すりながら音楽を奏でその熱演に開場からも大きな手拍子。技術の引き出しは少ないもののやることは正確。
熱狂に包まれたまま最後のスピンを回り、ピアノを弾くような振り付けから吠えるようなフィニッシュ!笑顔も素敵!
会場はスタンディングオベーションで素晴らしい一体感。こりゃ人気になるわけだ。
雰囲気的には”首位”という感じでしたけど、SPは91.37(50.10・41.27)で宇野くんにわずかに及ばず2位。
お客さんは不満だったかもしれませんけど、これはボロノフのパーソナルベストですから、ジャッジは十分な評価を与えています。宇野くんは転倒があったとはいえ4Fの基礎点が高いので仕方ありません。
もちろん内容では”完勝”だったといっていいでしょう。
それにしても新ルールの”技の正確性重視”という部分はボロノフに合っているかもしれませんね。 ミスも少ないので上位選手の脅威になるかも。

FSでも先に滑るのは宇野昌磨。
SPでは結果的に首位でしたけど、FSでは内容でも勝って、NHK杯を真の意味でも制さなければなりません。
それが日本のエースへの道。
そんな”勝たねばならぬプレッシャー”からか、『月光』の光を浴びて顔が強張っているように見える宇野昌磨、冒頭の4Sはやや回転不足(UR)か。
しかしそこからは開き直ったかのような4Fと4T!エクセレント!
特に4Tは今季の高さを出す跳び方になっていましたね。
的確なスピンで完全に流れを掴み、得意のイーグルで彩るコレオで前半を終わらせ、大事な中盤はSPで失敗したコンビネーション、今度は決めてくれよ、という願いもむなしく4Tでステップアウト。SPと似たようなミス。
会場もちょっとがっかりな雰囲気に包まれましたけど、それを切り裂くようなイーグル3A!3A+1Eu+3Fも弩迫力!
この切り替えはさすが。
しかし続く3Sでステップアウトしてコンボにならない嫌なミス。印象も悪い。
終盤のステップは力強さとしなやかさを共存させ、技術も高品質。スタミナ満点なのも宇野昌磨ならでは。
〆のコンビネーションスピンも一糸乱れず整えて、月が雲間に隠れるようにしての終幕。
ミスが多すぎて宇野くんも苦笑いでしたね。
FSは183.96(94.18・89.78)、合計276.45。
私は宇野昌磨こそ”浅田真央2世”だと思っているので、こんなんじゃ納得いきません。
プログラムを作り上げるにしても、大会で競うにしても、もっと執念を見せて欲しい!

宇野くんがミスをしたことで、ほんのわずかに優勝の可能性が出てきたボロノフは(ベストスコアでも逆転は難しい)、豪快な4Tスタートすると、3Lo、3T(4T予定か)+1Eu+3Sというまずまずの序盤戦。
しかし、氷が会わないのか、スピードが落ちてきて、へんなこぎ方からの2A、コレオもパッとしません。
かなり嫌な感じでしたけど、後半は気合を感じる3A、3A+2Tと3Lz+2Tも力でねじ伏せます。
凄い執念でしたし、得点源をしっかり押さえるところもベテランならではですね。
終盤のステップでも走らないブレードを気合で走らせる『Way Down We Go』。
遠い道のりを勇気を持って進み続ける男の曲。まさにボロノフの曲。
そしてこれを振りつけたのは今年7月、悲運に見舞われたデニス・テン。
これは男と男の約束のプログラムです。
それを全力を振り絞って滑るボロノフ、そこにはフィギュアスケートを超える何かがありました。
若手たちにはこの31歳の背中をよく見て欲しいものです。
食らいつくようなノーミスの演技でしたし、自分がやれることをやりつくした演技に大きな拍手を送りたいです。
ハラショー、セルゲイ!
スコアを書くことが無粋のようにも思われますが、FSは162.91(80.55・82.36)、254.28。
ボロノフはまたしてもいい笑顔でしたね。
テレビを通しても声援が物凄いのがわかりましたし、今年もNHK杯の主役はボロノフだったかもしれません。

そして表彰式、優勝は宇野昌磨、2位がボロノフ、3位は混戦を制してのマッテオ・リッツォ(224.71)。
宇野くんとボロノフはGPファイナルも決定(※追記:ボロノフはまだでした)。
宇野くんは悔しそうでしたけど、初出場での優勝という快挙でNHK杯の歴史に名を刻んだことには誇りを持っていいと思います。次にいい形で勝てばいいのです。
そんな宇野くんを両脇のボロノフとリッツォが愛でるように見ていたのも印象的ですね。外国勢にしたら宇野くんはまさにワンダーボーイなのでしょう(リッツォは年下ですが…)。
3選手とも結果は満足だったでしょうから、とても雰囲気のいい表彰でしたね。おめでとう!
また、ボロノフはプレゼンターの荒川静香さんを見つけると、宇野くんにそれを教えてやり、自分もメダルをかけてもらうときには満面の笑みでぺこり。表彰式でもカッコいいぜ。

やっぱり主役はボロノフだったか…。
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