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2018全日本フィギュア・女子FS(後)、こんなプレゼントはいらない

(続きです。)
この女子FSの採点は、フィギュアスケートを普段からよくご覧になっている方になればなるほど、奇妙奇天烈なものに感じたはずです。
簡単にいえば、最後の2人、宮原さんと坂本さん採点基準だけがそれまでと明らかに違うものになったということです。
それまでの選手たちはいわば”国際大会基準”ですね。ノーミスの選手もパーソナルベストとほぼ変わらないスコアが出ています。
全日本選手権は国際大会と比べてやや高めにスコアが出ますから、全体的にの”非公認”PBが出やすい大会ですけど、そんなに大きな違いはありません。

たとえば今回、2ヶ所の回転不足があったもののほぼまとめて134.20(64.91)だった山下さんのPBは、似たような内容だった
今年2018スケートカナダの136.76(65.09)。

パーフェクトに近い内容で147.92(PCS69.77)を出した三原さんのPBは17年ジャパンオープンの146.17(70.58)。
このJOはジャッジが緩いので、もうひとつ挙げると、18年四大陸は3Fにアテンション、3LzにURがついての140.73(68.13)。

3連続のところのささいなミスで155.01(72.06)だった紀平さんのPBは今年NHK杯の154.72(67.55)。

それに対し、宮原さんは今回、2Fになる大きなミスや小さなURがあったものの、3LzのURの”見逃し”に助けられての143.39(75.09)。
PBはまだ記憶に新しい18年五輪の会心の演技での146.44(71.24)、今季のベストはほぼノーミスのスケートアメリカで145.85(70.85)ということを考えると、まるでささいなミスしかしていないようなスコアです。

坂本さんはほぼノーミスで152.36(73.25)という驚異のハイスコアでしたけど、PBは18年四大陸を制したノーミスの142.87(68.09)。
今季のベストはスケートアメリカのパーフェクトに近い演技で142.61(67.20)。

詳しくはISUの公式サイトなどに記載されているプロトコルで確認をしてくださればありがたいのですが、まあ今回の坂本さんと宮原さんの採点は過去のそれとの乖離が大きすぎて、本当に混乱してしまいます。
他の選手と同一の基準で採点したならば、坂本さんは146~7、宮原さんは140前後(ルッツのURをきちんととれば138前後)くらいが妥当なのではないでしょうか。
これだって国際大会よりは幾分甘めです。

今回の採点は、どう考えてもジャッジ(日本スケート連盟)が手心を加えたとしか思えません。
その理由について、フィギュアファンのみなさんも色々と考えを巡らせていることでしょうけど、私は”世界選手権に紀平・宮原・坂本を送り込むこと”を至上命題にしていたせいではないかと推測しています。
この”3強”ならば、来年の日本開催の世界選手権でかなりの好成績を残せるはずですからね。
しかし、その思惑を邪魔したのが三原さんのパーフェクトの演技というわけです。
宮原さんが思わぬミスを連発してしまったため、三原さんの下にならないようスコアを強引に調整したせいでおかしなことになってしまったのでしょう。
続く坂本さんはその余波のようなものです。

全選手が同一基準で採点された場合のトータルの順位は、おそらく、1位紀平さん、2位坂本さん、3位三原さん、4位宮原さんだったはずです。
世界選手権の選考基準を簡単に書くと、
①全日本の優勝者
②全日本2位・3位、GPF上位2名、世界ランク上位3名から総合的に判断
ということになっていますから、上記のようになると紀平さんと坂本さんは当確となり、3人目で三原さんと宮原さんを天秤にかけることになってしまいます。

三原さんと宮原さんで比べるとなると②の基準となり、多くのみなさんは五輪やグランプリシリーズで活躍している宮原さんが有利と感じるかもしれませんが、実は違うんです。
まずGPFの上位2名は紀平さんと坂本さんで、宮原さんは3番目でしたから基準は満たしていません。
そして世界ランクも、意外なことに三原さんが日本女子で2番、宮原さんは3番なんです。これは宮原さんが怪我で休んでいたせいですね。

こうなると、全日本が始まる前に項目上で有利なのは三原さんということになるんです。
そして、その三原さんが全日本で宮原さんの上の順位になってしまえば、世界選手権の代表は三原さんに決めざるを得ないということになります。
日本のエース宮原はGPFで6位に終わったことで代表漏れもあり得る状況に追い込まれていたんです。
スケート連盟も、三原さんがパーフェクトの演技を完遂したとき、自らが示した基準に慌てふためいたことでしょう。
それが不可解採点に繋がったとしか思えません。

全日本のイカサマくさい採点といえば、五輪代表がかかった大会ではこれまでも何度か見てきましたけど、今回もそれと似たようなものでしょう。
”出したい選手を選ぶ”ために無理を通しておかしくなってしまったわけです。
しかし、そんなもの、たとえ今回4位だったとしても、世界選手権の代表に宮原さんを選べばよかっただけです。
基準では「総合的に判断」となっているのですから、項目をクリアしている数で杓子定規に選ぶというわけではないんですよね?
シーズンの成績や過去の実績は宮原さんが上なのですから、それを総合的に勘案したといえば、文句をいうひとも少ないはずです。
三原さん側だってある程度は納得してくれるでしょう。もちろん四大陸には派遣で。

スケート連盟がそうしなかったのは、自分たちに批判が少しでもくるのを恐れたためだと思うんです。
かわりに採点をいじれば一般のひとにはよくわかりませんし、メディアへは手飼いのフィギュア関係者を派遣して「なぜ坂本が優勝したのか」などというテーマで妙ちくりんな解説をさせて世論誘導すればいいだけのことです。
もちろんフィギュアファンは騙されませんけどね。

ただ、このスケート連盟のやり口というのはどうしても選手が矢面に立ってしまいます。
ジャッジが勝手におかしな採点をしているのに、採点をされた側の選手も一緒くたにされて、いらぬ批判をされたり、ヘイトを集めたりするというのは、見ていて本当に辛い。
大人や組織というのは矢面に立つのが仕事のはずです。
この2018全日本フィギュア・女子シングルは、選手たちの努力があって、過去最高の超ハイレベルの接戦だっただけに、それを心から称えて見終える大会にして欲しかったものです。
紀平さんが優勝した坂本さんを心から称えている姿だけがそれを慰めるものでした。
彼女は自分がSPでミスをしたことで負けを認めたのでしょう。立派でした。

サンタクロースは世界中の子供を平等に扱います。
不可解採点はプレゼントではありません。
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