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筒香の勇気ある踏み込みは、野球界を救えるか

昨年(2018年)11月に『空に向かってかっ飛ばせ! 未来のアスリートたちへ』という本を上梓した横浜ベイスターズの筒香嘉智選手は、そこで少年野球の勝利至上主義の弊害に警鐘を鳴らし、野球界への提言を行っていました。
その後、今年1月になっても、日本外国特派員協会で同様の発信を行い、重ねて苦言を呈しているわけですが、そのなかでもかなりの”勇気”を感じたのは、高校野球に関するそれでした。

「高校野球の全てが悪ではない」と断りながらも、「高校の部活に大きなお金が動き、教育の場といいながらも(テレビや新聞が)ドラマのようなことを作ることもあります。新聞社が大会を主催していますし、子供たちにとっても良くないと思っている方はたくさんいると思います」と、”甲子園大会至上主義”の問題点を的確にえぐったのです。
現役プロ野球選手、それも日本を代表するクラスの選手がこの手の発言をしたのは記憶にありません。
少年野球(リトルシニア)のチームはそこから強豪高校に何人選手を輩出するかを競っていますし、プロ野球は”甲子園のスター”を人気の起爆剤にしていますから、筒香選手の発言というのは、野球界全体への苦言でもあるわけです。

ちなみに、この筒香選手の”既存メディア批判”は、テレビ・新聞ではまったく報じられていません。
耳の痛い事実だからでしょう。
日本の野球は、高校野球だけではなく、プロ野球もまた既存メディアと資本関係を結んでいる球団が多いので、メディア批判はタブーといっていいものですけど、筒香選手は内角の威嚇球を恐れずに踏み込んでいったのですから、その勇気には心から敬服します。

筒香選手の主張というのは、とにかく「子供たちに野球の楽しさそのものを取り戻してもらいたい」というものです。
少子化のペースを上回る勢いで減り続ける少年野球人口をなんとかしたいということです。
少年野球では、指導者にライセンス制度もなく、現場では間違った指導が横行するだけではなく、選手を暴言や暴力で支配し、結果だけを追い求める。
また、練習や試合のしすぎによって、少年野球段階で肩や肘を壊す選手も少なくない。
その背景にあるのは、勝利至上主義、すなわち甲子園至上主義です。
それを変えなければ、”子供たちが野球を選ばなくなってしまうと”、筒香選手は危機感を訴えているわけです。

もちろん、筒香選手は甲子園での”投手の酷使”にも否定的です。
雑誌のインタビューで、新潟県高野連が投球制限を検討していることを聞かれると、「ルールを変えないとみんなやってしまうので、子供たちの将来を守るためにも大事かなと思います」と応えています。
筒香選手は指導者のライセンス制度のようなものを匂わせていますし、「少年野球大会をトーナメントではなくリーグ戦にすべき」(勝ち残ったチームの投手が登板過多になるため)との提案も含め、野球界も他のスポーツのように”確かな制度を構築しなければならない”という考えなのでしょう。
そういえば、上梓した本の推薦文もJリーグとBリーグの生みの親である”川淵三郎氏”からのものでした。

このような筒香選手の提言が影響したのか、今日2月20日に行われた日本高校野球連盟(高野連)の理事会では、新潟県高野連が独自ルールを設けることに待ったをかけたものの、「勝敗に影響をおよぼす規則は全国で足並みを揃えて検討していくべきと」として、〈投手の障害予防に関する有識者会議〉を立ち上げることを発表しました。
高野連としては投球制限には乗り気ではないようですが、甲子園大会の度に巻き起こる”酷使批判”を考慮した形ですね。
すべては有識者会議の議論と、今後の世論の反応にかかっていると思われます。

有識者会議に筒香嘉智選手や川渕三郎氏が加わるかどうかに注目しておきましょう。
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