FC2ブログ

イチローコールはやまない

〈エリア51〉。
メジャーにやってきたイチローの守備を見たアメリカの野球メディアが、彼の守るライトをそう命名し、いつの間にか日本でもその呼称が定着しましたが、この〈エリア51〉というのはもともとネバ他州にあるアメリカの空軍基地のことで、多くのアメリカ人が「宇宙人の研究をしている施設」と信じ込んでいる場所です(映画『インデペンデンス・デイ』でもネタになっています)。
ようするにイチローという存在が、アメリカ人には”宇宙人”のように特異に見えたというわけです。
それはそうでしょう。
メジャーリーガーというのはとにかくデカい。そこに一般人のようなイチローが混ざったときの違和感といったらありませんでした。
しかし、そんな選手がスピードとテクニックと創造性で、八面六臂の大活躍をする。
アメリカ人はさぞ驚いたでしょうし、日本人からしたらまさに痛快でした。

そんなイチローは現役の長さも常人離れしていましたけど、この2019シーズン、齢45歳を迎え、ついに引退のときがやってきました。
所属するマリナーズの日本での開幕シリーズ2連戦(相手はアスレチックス)を終え、スタンディンゴオベーションとともに稀代の野球小僧は華々しくグラウンドを去ったのです。
試合後の記者会見で本人が「スプリングトレーニングのときに決めていた」と語ったように、日本での試合は”引退興行”だったといっていいでしょう。
日本のファンが喜び、イチローも満足し、マリナーズも2連勝。
結果は大成功でした。

そんな引退試合から一夜明け(3月22日)、日本政府も国民栄誉賞の検討に入ったようです。
これまで2度打診があり、そのつど”現役”を理由に遠慮していたイチローですから、引退したとなれば、笑顔でそれを受けるに違いありません。
平成最後か、新時代最初の受賞者になることでしょう。
どちらにしろ、彼はまさに平成を代表するスポーツ選手でした。
現役時代もほぼ平成と重なり、多くの日本人とともに時代を歩いてきた、いや、みんなの先頭を走っていたといっていいでしょう。

むろん、彼ほど日本人に愛されたスポーツ選手はそうそうおらず、アンケートの類でも常にトップをキープしてきました。
ところが、この19日に発表された笹川スポーツ財団の好きなスポーツ選手ランキングでは、ついにイチローが1位を明け渡していたんです。
まあそれも仕方ありません。
ここ数年のイチローはスタメンではありませんでしたし、昨季は5月で選手契約を解かれ、マリナーズのスペシャルアシスタントアドバイザーに就任していましたからね。
かわって1位の座に輝いたのは五輪連覇の羽生結弦でした。
納得の1位といっていいでしょう。彼もまた国民的ヒーローです。

そんな新旧のナンバー1ですが、偶然にもイチローの引退試合と羽生結弦の世界フィギュアSPのテレビ放送がかぶっていたんです。
ちなみに視聴率はイチローが12.6%、羽生が16.6%。
数字で見ても時代が変わったことがわかります。
イチローの引退は平成の終わりだけではなく、人気スポーツとしての野球の終わりも感じさせるといっていいでしょう。

しかし、イチローが一時代を築いたことは確かです。
偉大な功績は永遠に色褪せません。
特に30代・40代のひとにとってのイチローは別格の存在だと思います。
笹川財団のランキングでも30代・40代はイチローが一番でした。
また、20代でも羽生に次ぐ2位です。

しかし、このランキング、”関西”限定ならば、イチローがダントツだったはずです。
イチローは2000年まで神戸のブルーウェーブの選手でしたが、当時のパ・リーグはテレビ中継がほとんどないにも関わらず、イチローだけは凄まじい人気でした。
グリーンスタジアム神戸は試合よりもイチローを観たいお客さんで溢れ、ライブ会場のような熱気に包まれていました。
天気のいい日には子供連れのお客さんもたくさん来場し、ライトスタンドからの「イッチロー!」コールにも可愛い声が多く混じっていたのもイチロー人気の特徴だったかもしれません。
アメリカでもそうだったみたいですけど、子供は大男より普通のお兄ちゃんの方が親しみが持てるのでしょう。
”近所のお兄ちゃんが楽しそうに野球をやっている”みたいな感じだったのかもしれません。
子供にとっての〈エリア51〉は近所の公園です。

その子供たちはいま、20代・30代になっているはずです。
近所のお兄ちゃんが白髪交じりのおっさんになったいまでも、やっぱり野球が大好きな姿を見て、どう思っているでしょう?
その答えにこそ、イチローの価値があるような気がします。
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト



プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード