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平成最後の本場所は、割れんばかりの三本締め

大相撲は好角家だった昭和天皇によって”国技”たる格を与えられ、いまでも今上陛下や皇族方からの特段のご高配を賜っているだけに、この”平成最後の本場所”はその歴史のなかでも最も重要な場所のひとつとなりました。
だからこそ、その特別な場所で横綱・白鵬が優勝したのは必然だったのかもしれません。
この大横綱は大相撲の記録のほとんどを塗り替えた”生きる伝説”というだけではなく、自ら「平成に育てられた」と語り、平成23年の技量審査場所の折に陛下から頂いた”ねぎらいとお祝いの書簡”を生涯の宝物にしているというのですから、力士の鑑といえる心持ちです。

しかし、この平成31年大阪場所を全勝で制した見返りに、白鵬は右腕を大きく痛めてしまいました。
本人は右上腕の筋断裂を示唆しており、その状態によっては”新時代の最初の場所”たる来場所の出場が難しくなることでしょうし、ひょっとすると今後の相撲人生を左右するような大怪我の可能性もあります。
今場所で前人未踏、いや後人も踏み入ることばないような”42回目の優勝”を遂げた大横綱ですが、平成と共にその時代が終わってしまうのか、快方を祈るしかありません。

そして、平成最後の場所から一夜明けた今日、恒例の横綱審議員会による場所の総括が行われました。
私は平成が育てた大横綱が、全勝優勝で平成を締めくくったことを、言葉を尽くして賞賛するかと思いましたけど、彼ら・彼女らの口から出たのは下らない苦言でした。
どうやら白鵬が優勝インタビューの最後に観客を促し、三本締めをしたのが気に食わなかったようで、「優勝した横綱とはいえ、一力士がやれる立場にあるのか。違和感を覚える委員が多かった」(矢野弘典委員長)とのことです。

白鵬は以前、同じような経緯で万歳三唱をして苦言を呈されたこともありましたけど、彼がどうしてこういうことを場内でやりたがるのかというと、インタビューのなかにもあったように、後援会との優勝撮影会や場所後のパーティーでやることを「お客さんと一緒にやりたい」ということなのでしょう。
そして、テレビを通して全国・全世界のみなさんと喜びを分かち合いたいということなのだと思います。
横審のみなさんは違和感を覚えたようですが、私はこの横綱の”相撲を愛する仲間と一緒”という態度には、とても好感が持てます。
多くの相撲ファンが同じ気持ちなのではないでしょうか?
そうでなければ場内の観客が一緒になって割れんばかりの三本締めになるはずがありません。
素晴らしい光景だったではありませんか。
「大相撲の発展とみなさまのご健康を祈念して」という白鵬の掛け声も日本人以上に日本人らしかったと思います。

むろん、優勝インタビューでなにをしてもいいというわけではありませんから、それ相応の節度は必要です。
相撲は競技であると同時に伝統文化でもありますから、そこはやはり”先例主義”というのが大切になります。
”型を守る”ということです。
しかし、伝統というのは永遠に型が変わらないものでもありません。
あらゆる伝統行事・伝統芸能・伝統文化というのは、実は長い時間をかけて少しずつ変化しているものなんです。
大相撲だって、屋外から屋内になり、その後は四本柱がなくなったのは有名です。

ようするに、現代でも生き延びている伝統というのは、その時代時代の当事者が勇気を持って”時代に合わせる決断”を下してきた歴史があるんです。
そしてまた大事なのは、その決断を同時代のひとびとが受け入れたかどうかです。
”時代に合わせる”というのは、”同時代人の価値観に合わせる”ということでもあるんです。
いまを生きる人間が、自分たちが”良いと思ったもの”を後世に残す。
その積み重ねが伝統なんです。

平成の大相撲は人気も競技レベルも高いものだった反面、賭博や八百長問題という陰も残しました。
賜杯が争われなかった技量審査場所の際などは、存亡の危機だったと思います。
そういう平成が終わるいまだからこそ、大相撲ファンも当事者意識を持つべきです。
横綱審議委員会や理事会、相撲メディアだけに任せていたら、大相撲の未来はありません。
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追記:まだゴタゴタしているので更新頻度や文章量が少なくなると思います。4月からは頑張りますのでご容赦を。
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