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復活のタイガー・ウッズ

虎はやはり虎だった。

2009年に発覚した不倫スキャンダルから薬物依存へと繋がり、身体の方も勤続疲労でボロボロになっていたタイガー・ウッズのキャリアは00年代までに終わったかと思われていました。
数々の偉大な記録と莫大な財産を持った選手が、妻に三下り半を突き付けられ、2人の子供とも一緒に暮らせないなかでは(親権は共有。住居は近所)、モチベーションを保てないというのが一般的な見方です。
下降線を辿った成績も、最悪のときはワールドランク674位という、まさに地に落ちた状態になってしまいました。
ところがタイガーはなにを情熱の糧にしたのか、治療とトレーニングをひた向きに続け、昨2018シーズンにはランクも13位まで上昇。 

これで普通ならば「復活」といいたいところですが、”タイガー・ウッズ”にとってはこんなところが復活ではありません。
メジャーを獲ってこその”タイガーウッズ”なのです。

1997年に史上最年少の21歳3ヶ月でマスターズを制したタイガーは、2つの意味でゴルフを変えました。
ひとつは科学的なフィジカルトレーニングによるゴルフのアスリート化。
だぼっとしたオジサンが手練手管でコースを読み解いてゆく時代は終わり、筋肉の鎧をまとった戦士がコースを蹂躙してゆく時代になったのはタイガーからです。
そしてもうひとつは、ゴルフを白人のスポーツから、もっと開かれたものにしたことです。
アフリカ系アメリカ人の父とタイ人の母を持つタイガーが、グリーンの上で雄たけびを上げるシーンは世界中のひとびとにゴルフの変化をまざまざと伝えました。
タイガーはこの2つの意味で永遠にスポーツ史にその名を残すことでしょう。

そんなタイガーが、この2019マスターズで14年ぶりの優勝。
メジャータイトルも11年ぶりです。
しかも今回は初の”逆転優勝”というオマケ付き。”先行逃げ切り”というこれまでのイメージもろともぶち破ったのは、この復活劇をより鮮やかなものにしました。

そして、最終18番ホールで雲霞のごときパトロンに囲まれて歓喜の優勝を決めたタイガーが最初に抱きしめたのは10歳の息子でした。
次に母、12歳の娘、最後に現在の恋人。
スキャンダルで地に塗れたタイガーを支えたのはこのひとたちだったのでしょう。
特にタイガーは自分の全盛期を知らない子供たちに父親としての立派な姿を見せたかったようです。

タイガーといえば父アールさんとの二人三脚でよく知られていますが、そのアールさんが06年に病気で亡くなったのも、その後のタイガーには痛手だったに違いありません。
しかし、タイガーはその”大きな存在だった父”に、今度は自分がなってみせたかったのでしょう。
”虎は死して皮を留め、人は死して名を残す”といいますが、アールさんは本当に大きなものを残したようです。
偉大な父子虎に敬礼!
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