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領土の議論はお酒の勢いを借りずに

日本維新の会の丸山穂高衆議院議員といえば、2015年に酔っぱらって街中で複数の男性と喧嘩になり、「公職にいる間は断酒する」といって、”次に飲酒したら議員辞職する”という決意を表明していたはずですけど、その場しのぎの嘘だったのか、とんでもない飲酒トラブルを起こしてしまいましたね。
このところ大きく報道されているように、丸山議員は北方領土への〈ビザなし交流〉に同行した5月11日(2019年)、国後島にある友好の家で、”飲酒”の上、元島民に「戦争をしてでも取り返すべきではないですか?」と議論をふっかけ、元島民が「そうは思わない」と返答してもなお、「戦争をしないとどうしようもないんじゃないですか」としつこく迫ったというのです。
国会議員とは思えぬ、性質の悪い絡み酒です。

これを受け、所属する日本維新の会は発言の撤回と島民への謝罪を求めましたが、丸山議員は酒を飲んで島民に絡んだことは謝罪したものの、発言内容については「質問しただけ」「色んな意見があっていい。言論の自由だ」として撤回は拒否。
喧嘩別れとなった丸山議員は離党届を提出しました。
しかし、日本維新の会の方はこの受け取りを拒否し、丸山議員の除名を決定。
松井一郎党首は「我が党は戦争をして取り返すという考えではない」と強調していました。
今年は参議院選挙がありますから、爆弾になりかねない丸山議員をさっさと処分したということでしょう。
いまの日本では”戦争”は口にするのもタブーですからね。

この丸山議員に対しては菅義偉内閣官房長官が苦虫を噛み潰したような表情で「誠に遺憾。政府の立場とは全く異なる」とコメントしたのを筆頭に、与野党から議員辞職を求める声が挙がっています。
いまのところ、政界では丸山議員を擁護する人間は皆無ですし、おそらく今後も出てこないことでしょう。
もちろんマスコミは総バッシングですし、世論もかなり厳しい見方をしているようです。

しかし、絡み酒はダメですけど、発言の方は全否定するようなことなのでしょうか?
”奪われた領土を武力で取り返す”というのは、国際的に見ても、歴史的に見ても、そんなにおかしなことではありません。
むしろ、そういう考えの政治家がゼロというのは、相手国を利するだけです。
今回、ロシア上院のコサチョフ国際問題委員長が「挑発的な発言で日露関係にとって最悪だ」と不快感を示していましたけど、”挑発的”という言葉を選択したということは”脅された”と感じているということです。

一般社会でいえば、武力や威力を背景にひとを脅すなどということは許されるものではありませんが、こと”外交”においては、それは正当な手段のひとつです。
「武力を背景にしない外交は無力」という言葉は国際常識といっていいでしょう。
実際に軍事的な動きを見せなくても、”武力による奪還を求める声”が日本に一定数あれば、それは間違いなくロシアへのプレッシャーになります。
賢い政府ならば、今回の丸山発言も上手く利用するはずです。
ヤクザ映画なんかで、「うちの血の気の多い連中が黙っていないんで、ここは穏便にすませましょうや…」なんていって、話し合いを持ちかけるシーンがありますけど、まさにそれです。
”武力による奪還”を全否定することは、外交の選択肢を狭まるだけです。
いまの日本は、外国から見ればなんとも容易い国家でしょう。
政治家も国民も”領土”について本気で考えていないんですからね。

ただし、実際に武力によって北方領土を奪還するといわれれば、私はそれには賛成しません。
ロシアや核兵器はもちろん、数々の戦術兵器を持ち、なによりも戦争慣れしています。
そんな国相手に強硬手段に打って出るのは、いくらなんでもリスクが高い。
ロシアのように恨み深い国に戦争をしかける、しかも相手が自分の領土だと思っているところを奪うとなれば、永遠に粘着されかねません。
もちろん、一般市民が生活している島を武力によって占拠するのは、国際社会からも激しく非難されます。

また、丸山議員は絡み酒のなかで「混乱に乗じて」とも発言しているようですが、たとえばジョージアは08年にロシアの隙をついて南オセチアを軍事占領したものの、すぐにやり返されて、逆にそれまでの支配地域をいくつか奪われたではありませんか。
日本だったら北海道が占領されてしまいますぜ。

日本に必要なのは、あくまで背景としての武力です。
それは勇気ともいいかえることができるでしょう。
武力行使というのは確かに怖いですけど、そこから目を背けていては、それ以上に恐ろしい侵略の餌食になってしまいます。
新時代の日本は、その勇気について活発に議論せねばなりません。
もちろん、お酒の勢いを借りずに。
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