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大敗のチリ戦、コパ・アメリカで必要なのは自己批判精神

日本でメディアやサッカー関係者が”選手への個人批判”をしなくなったのは、間違いなく98年フランスW杯からです。
期待を下回るプレイの連続だったエースの城彰二に対し、テレビ解説をしていたラモス瑠偉が「シュート外して笑うな。ガム食うな」
といって批判すると、それに続くようにメディアもバッシングを開始し、世論も沸騰してしまいました。
帰国した際の”空港での水かけ”は有名ですし、脅迫やマネージャーの車への放火などはまさに犯罪です。
このことから、サッカーメディアが個人批判を自粛したことは、想像に難くありません。

しかし、それは正しかったのでしょうか?
サッカーの試合の敗因は様々ですが、”個人のミスや不出来”というのももちろんそのひとつです。
そこの批判を避けてしまうと、”なんで負けたのかわからない”ということになりかねません。
そうしたとき、得てして矛先が向けられるのが”監督”です。
たとえば、ジーコやザック。
彼らはそんなに悪い監督だったのでしょうか?
私には中村俊輔や香川真司の方により大きな問題があったとしか思えません。

これに対し、海外のメディアを見ると、個人批判は強烈です。
特にチームの中心選手がダメだったときは、ボロカスに叩かれます。
犯罪者か背徳者のように扱い、みなでつるし上げて存在を全否定するようなこともあるのですから、”サッカーは戦争”というのもあながち嘘じゃありません。
もちろん、監督だって戦術や選手起用を間違えば、同じことになります。
いや、選手と違って、ひとりしかいないので、よけいに酷いかもしれません。

ただ、このメディアの個人攻撃も、勝利したときは、手首がねじ切れんばかりの手のひら返しがまっています。
英雄であり、聖人であり、さらに極まれば神とまでいわれるのが、サッカーです。
これがあるから選手や監督は批判に堪えられるのでしょう。
また、批判こそが成功の母なのかもしれません。
めちゃくちゃに叩かれても負けん気を燃やして這い上がるような根性がなければ、重圧のかかる舞台で活躍できるはずもありません。

今日、私がこんなことを書くのは、2019コパ・アメリカの初戦で、若き日本代表がチリ代表に0-4で敗れたあとの報道のせいです。
「前回・前々回優勝国とは実力差があった」「スタメンに初代表が6人いた」「急造の代表でチームになっていなかった」といった分析がほとんどで、まるで”最初からわかっていた”といわんばかりでした。
確かに、今回の森保ジャパンはU22にオーバーエイジが5人加わったといった体制ですから、”東京五輪に向けた強化”という意味合いが強く、その分析も間違いではないと思います。
しかし、試合を観ればわかるように、決定的な敗因は、1失点目と2失点目に関わったボランチ中山雄太と、4度あった決定機をことごとく外した上田綺世です。
スタッツ(プレイデータ)が4:6くらいの差なのに、スコアが0-4になるということは、こちらがチャンスを決めきれず、あちらは易々と決めたということです。
ゴールというのはつまるところ、”個人の能力と出来”ですから、その差が如実に出たといっていいでしょう。

こういう場合、海外だと”当該選手の名前”が記事の踊ります。
実際、このチリ戦でも、スペイン紙のアルゼンチン版には「上田はチリにとって最高の友達」という皮肉が書かれていました。
日本では上田綺世への個人批判は一切ないのですから、本当に対照的です。
どちらが正しいか断言することはできないかもしれませんが、日本にワールドクラスのFWがいないことを考えれば、海外が正解のような気がしてなりません。

そしてまた薄気味悪いのが、森保一監督への批判もほとんど見られないことです。
メディアも、サッカー関係者も、”東京五輪への準備”なのだから仕方ないということなのでしょうか?
”W杯の準備”だった東アジア選手権とベルギー遠征で成績が振るわなかったハリルホジッチ監督は、激しいバッシングにあった上で、解雇されています。
”外国人監督”だからでしょうか?

今回の森保監督は、4-4-2にした判断やスタメンの人選(特に前田大然の起用とポジション)で、厳しく追及されるべきです。
なにを試したかったのか正直よくわかりませんし、若手たちに経験を積ませることが目的だったとしたら、この大敗はトラウマというマイナスの経験になる可能性もあります。
はたして森保監督はそれを回避しようとしていたのでしょうか?
たとえば、中山雄太はコパ前のキリンカップでも召集していたのに、結局はその2試合ともベンチ外で、このチリ戦が代表デビューとなってしまいました。
コパ・アメリカという大きな大会で、ワールドクラスを揃えた強豪国相手に、若干22歳がボランチという肝のポジションでスタメンデビューなんて、過去に聞いたことがありません。
似ているのはアジア最終予選の初戦でデビューした大島僚太ですが、五輪を経験し、23歳だった彼も、その試合ではかなりの混乱が見られました。
中山雄太が浮足立ったって仕方ないと思いますぜ。
森保監督はキリンカップで少しでも慣れさせておくべきでしたし、それをしなかったことへの批判がされるべきですが、いまのところ、それがまったくないところが、本当に不健全です。

そういう生ぬるい空気のなか、日本代表はこのコパ・アメリカでなにを残すことができるのか?
自己批判精神を持つ選手の奮闘に期待するしかありません。
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