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伊調馨のカッコよさ、五輪4連覇は伊達じゃない

とある五輪種目の決勝で、それまで連覇していた日本人選手が惜しくも敗れ、表彰式でも顔をくしゃくしゃにしながら泣きづづけていたため、会場が妙な雰囲気になり、優勝した選手もなんとも気まずい顔をしていたことがありました。
優勝した選手はその日本人選手への憧れを公言していた若手だっただけに、先輩として勝利を称えて欲しかったと思ったのは私だけではないはずです。

この選手に限らず、日本のスポーツ選手は、勝とうが負けようが、相手に声をかけるということをめったにしません。
世界(欧米)を見ていると、たとえばいいま行われているウィンブルドンなんてわかりやすいですけど、試合が終った選手はネットを挟んで握手をし、負けた方は「おめでとう」といい、勝った方は「いい試合だった」と相手を称えます。
決勝なんて敗者の態度やスピーチが名場面になることも多いですしね。

ではなぜ日本人選手はそれが苦手なのか。
それは日本のスポーツが体育や武道をベースにしているからだといわれています。
体育や武道の場合、負けた際は己を痛烈に振り返り、勝った際はそれに驕らず気を引き締め、敗者への憐憫はかえって無礼と考え、声はかけないというわけです。
相撲や剣道を思い出せばわかりやすいですね。
そこでは勝っても負けても感情を面に出しませんし、土俵・試合場では相手に声をかけません。
これはまさに日本の美意識なんですけど、それにそっていえば、負けたあとに相手を称えないのであったら、平静な態度を取るべきなんです。
どっちつかずが一番いけないと思います。

そして、いまはあらゆるスポーツ(日本の武道も)が世界中で行われるようになっているだけではなく、世界中で観られるようになっているわけですから、プレイヤーの側もそういう意識で、試合後の記者対応やSNSではやはり相手に慮ったものを残すべきです。
勝者としても敗者としても世界標準の態度というものがあるはずです。

その意味で、今日(2019年7月6日)行われた世界レスリング代表決定試合で敗れた伊調馨は立派でした。
「悔しさはありますが、悔いはないです」という日本人の琴線に響くいい回しに続き、「自分が弱かったとは思わない。(川井)梨紗子が強かった」という世界標準のコメント。カッコよすぎるぜ…。
さすがは五輪4連覇のレジェンド、国民栄誉賞も納得です。
この試合は世界レスリングの選考ですが、世界レスリングでメダルを獲れば東京五輪が確定するので、事実上の五輪代表決定戦(57キロ級)でした。
これに敗れたことで、5連覇という前人未踏の夢が破れた伊調のショックは計り知れませんが、それでも女王らしい態度を崩さなかったのですから、立派としかいいようがありません。

35歳の伊調が必死になって五輪を目指したことは、五輪の価値を大いに高めましたし、それと同時に若手たちの高い壁になることで、日本女子レスリングのレベルアップにも大きく貢献したのですから、伊調の存在はレジェンドであり、その偉業はレガシーです。
「今後もレスリングに携わっていきたい」といって指導者への道をほのめかした伊調は、同じ道場で汗を流すちびっ子レスラーたちと一緒に会場をあとにしたそうです。

愛弟子を連れて五輪の舞台に戻ってくる伊調馨を楽しみにしています!
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