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甲子園至上主義とともに衰退するのか

野球=ベースボールという球技は国際的にはとてもマイナーで、母国アメリカとその関係国でしか親しまれておらず、五輪でも正式競技になったりならなかったりを繰り返してきました。
国際スポーツ市場というのは生き馬の目を抜く世界ですから、このままでは野球はどんどん衰退してしまうという危機意識のなか、2013年に創設されたのが世界野球ソフトボール連盟(WBSC)です。
前身の国際野球連盟が権威も資金力も乏しかったのに対し、このWBSCはメジャーリーグ機構(MLB)が支援することによって確かな組織となり、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の規模の拡大、国際大会プレミア12の開催、そしてアンダー世代の世界大会も定期的に行われるようになったのですから、大きな進歩といっていいでしょう。
2020東京五輪で野球・ソフトが公開種目として復帰できたのも、WBSCの組織力強化がひとつの要因だと思います。
世界の野球はWBSCとメジャーリーグのタッグによって、新たな時代に入ったといっても過言ではありません。

それにともない、国際試合でのルールもかなり定まってきました。
日本の我々から見て最も特徴的なのは、”投球数制限”です。
投手が1試合で投げられる球数に上限があるとともに、その試合で投げた球数によって、インターバルの日数を0日~4日空けるというものです。
野球の世界一決定戦であるWBCとU18以下の大会ではこれが導入されています。
この目的はもちろん”投手の選手寿命を守る”ためです。
WBCでは高給取りの市場価値を守るため、U18以下では若い投手の未来を守るためというわけです。
この考えはもはや野球の国際常識といっていいでしょう。

ですから、日本が国際野球の端くれであるとするならば、この考えに従わねばなりません。
ところが、日本ではなかなかこれが広まりませんよね。
甲子園を見ていればよくわかるように、野球関係者やファンの間には投球制限を否定する意見がまだまだ多くあります。
まあ、それはそれでいいのかもしれません。
ドメスティックな野球として突き進むのもひとつの道です。
ただ、それならば”五輪への復帰”など求めてはならないはずなんです。
しかし、野球関係者や野球メディア・ファンは貪欲に二兎を追いますよね。
矛盾が見えてないのでしょうか?

そしてその矛盾に苦しめられるのは、いつも現場の選手やコーチたちです。
野球界の希望の星、大船渡高校・佐々木朗希投手がまさにそれです。
佐々木投手が岩手県大会決勝戦を回避し、チームが敗退すると、大船渡高校には苦情の電話が殺到したというんです(脅迫めいたものまで)。
大船渡の国保陽平監督は、大会での投球数や佐々木投手の状態から、「故障を防ぐために投げさせなかった」と説明していましたけど、それが気に入らないひとが一定数いるというわけです。
そういうひとたちは”部外者”のはずですけど、「腕が折れても投げろ!」「将来に影響しても投げろ!」という考え方なのでしょうか?
高校野球の有名監督や元プロ選手のなかにも、「挑戦させて欲しかった」とか「ここで壊れるならプロでも壊れる」などといっているひとがいますけど、これぞ”日本野球”って感じですね。

こういうひとたちから若者を守るためには、やはりルールの導入が必要です。
投球制限がきっちり定まっていれば、現場が恫喝されるような事態にはならないんです。
この春(2019年)に新潟県高野連が独自に球数制限を導入しようとしたところ、日本高野連があわてて止めにかかり、〈投手の障害予防に関する有識者会議〉を作ることでお茶を濁したということがありました。
日本高野連はおそらくやる気はないでしょうから、各都道府県の方からガンガン突き上げねばなりません。
球児たちの悲劇に快感を覚えるひとたちや、己の手柄を最優先させる指導者たちの話を聞いていたら、野球はどんどん先細ってしまいますし、トップレベルで活躍する選手だってどんどん減ってゆきます。

”甲子園至上主義”と”日本人選手の国際舞台での活躍”は両立しませんし、急速な競技人口減だって勝利至上主義が原因と考えるべきです。
大船渡高校への批判が、野球離れのきっかけになるか、それとも改革のきっかけになるか、9回裏2アウト満塁ですぜ。
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