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白鵬の帰化と国籍条項

ついにこの日が来たということなのでしょう、この9月3日(令和元年)、”日本国籍”を取得した横綱・白鵬は満面の笑みを隠し切れない様子でした。
モンゴル出身でありながら「昭和生まれで平成に育てられた」を口癖にし、心の半分は日本人といっていい白鵬だけに、よほど嬉しかったのでしょう。
これで年寄名跡を襲名することが可能となり、現役引退後も相撲協会に残れることになっただけではなく、さらには協会トップの理事長の座も見えてきました。

もっとも、白鵬は「2つの国が背中にのしかかってくる感じ。人間が変わるわけではない、モンゴルを愛せるから日本を愛せる」とも語り、”モンゴル出身”というアイデンティティーへの誇りは隠そうとしませんでした。
それもそのはずで、白鵬の父親はモンゴル相撲の大横綱であり、モンゴル初の五輪メダリストという英雄だったことから、白鵬もモンゴル国民の期待を一身に集めながら力士人生を歩んできたわけです。
もし、”年寄名跡に日本国籍が必要”という規約がなければ、彼はモンゴル国籍のままの襲名を目指したはずです。その希望も前々から口にしていました。
しかし、規約が変わるはずもなく、父親が昨年亡くなったこともあり、白鵬は日本国籍取得へと向かうこととなりました。

年寄株の国籍条項は、かねてより元外国人力士や人権派のひとびとから「国籍差別ではないか」という指摘が挙がっています。
これがあるため、引退後泣く泣く協会を離れた外国人力士もいますし(旭鷲山)、家族の反対を押し切って日本に帰化した力士もいます。
外国人力士の存在は、大相撲を華やかにし、競技レベルを上げ、興行的にもプラスになっているというのに、引退後の道が残されておらず、”使い捨て”というわけです。
事実を見ると、その通りかもしれません。

とはいえ、相撲協会の方にもいい分はあるんです。
大相撲の年寄(親方)というのは、他の格闘技団体でいうところのトレーナーやジム経営者になるわけですけど、それに加え、協会理事の選挙権と被選挙権を持っているんです。
日本国籍規定をなくしてしまうと、外国人理事が誕生し、それが増えれば協会の運営が外国人の手に委ねられることになり、そうなると日本古来の伝統を守り続けるのが困難になってしまうという理屈です。
これも一理ありますね。

ちなみに、プロスポーツ団体のなかには、国内外問わず、経営に外国人を入れない協会がありますし、外国人や外国資本がクラブ(チーム)のオーナーになれないようになっているところもあります。
Jリーグや日本プロ野球機構がそうですね。
伝統を守ることに加え、経営が不安定にならないようにするのが目的ですから、これを「差別」というひとはほとんどいません。
したがって、年寄名跡の国籍条項というのも差別にはあたらないといっていいでしょう。

ただ、かりに一部の年寄に理事への選挙権・被選挙権がないとすればどうでしょう?
協会運営には関わらず、力士の指導をするだけの部屋があるということです。
その部屋の親方(年寄)は外国人でもかまわないはずです。

私も相撲協会の運営に外国人が関わることへの危機意識を持っていますが、協会から外国人を完全に排除することには賛成できません。
なぜなら、大相撲はすでに外国人力士への門戸を開いているんです。
もともと、それを決断した理由は”新弟子不足”です。
大相撲独特の風習や他競技との待遇差から、体格や運動能力のある若者が大相撲を敬遠するようになり、外国人を助っ人としてスカウトするようになったわけです。
自分たちの都合で入門させた外国人を、引退後はポイ捨てというのは、いくらなんでも酷すぎます。
それ相応の扱いがあってしかるべきです。
彼らに対する感謝とリスペクトがなければ、それはまさに差別です。

相撲協会は、どのような形であれ、外国人力士が協会に残れる方法を模索すべきです。
それが受け入れた側の責任です。
帰化を強いるのは、大相撲らしいパワハラにしか見えません。
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