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吉本とEXIT、常識を知っているのは

「非常識なことをするためには、まず常識を知らなきゃいけない」
これは志村けんさんの名言として広く知られている言葉ですが、ドリフターズの頃から非常識極まりないナンセンス・コントを繰り広げている背景に、そのような冷静な分析があることに驚かされます。
一般人とのズレを作ってを笑わせるには”まともな感覚”が必要ということなのでしょう。
非常識によって作られたコントでは、一般大衆は笑わないということです。

これは『Mr.ビーン』で知られるローワン・アトキンソンさんも同じような姿勢ですね。
作品の外ではとても知的で真面目な印象を受けます。
インタビューで自らの作品を語る様子は、まるで大学の教授のようです。
やはり、彼の笑いも常識をベースに計算して作られたものなのでしょう。
コメディアンというのは、作品のなかで、大衆に求められるキャラクターを演じるのが仕事というわけです。

しかし、コメディアンのなかには、作品や舞台を活躍の場にせず、私生活もひっくるめた存在そのものを売り物にしているひともいます。
日本のテレビによくいるお笑い芸人がそれですね。
わかりやすく個性を作り、それを大衆に認知させ、偽りの親近感のようなものを武器にポジションを築いているひとたちです。
こういうひとたちはときとして「芸なし、芸NO人」などと批判されることもありますが、自己存在をそのものを笑いのネタにし、四六時中それを演じなければならないのですから、これはこれで大変な仕事だと思います。

そんな彼ら・彼女らにとって一番大切なのは、”自分のキャラ”を守るということです。
大衆の認識から外れることだけは許されないのです。
キレ芸のひとはいつもキレ気味じゃなければなりませんし、食いしん坊は常にぽっちゃりしていなければなりませんし、スベリ芸は受けてはなりませんし、情けないキャラは上手く失敗しなければなりませんし、運動できないキャラはぎくしゃくした動きを意識しなければなりません。
また、最近では”ワイルドじゃないけどワイルド”みたいな、”実は~”というひねったキャラ作りもありますから、演じるハードルは上がっているといっていでしょう。

その”実は~”でいうと、いま一番人気といっていいのは、お笑いコンビの〈EXIT〉(よしもと)だと思います。
チャラ男風の衣装とメイクの2人がパリピ口調で行う漫才は、”渋谷で騒ぐ若者”という抽象的なイメージを具現化し、自虐的といっていい笑いを作り出し、幅広い年代から注目が集まっていました。
時代を捉えた鋭い笑いともいえるでしょう。
もっとも、メンバーのりんたろー。さんと兼近大樹さんは、それぞれ静岡県と北海道出身で渋谷とはなんの関係ありません。
持ちネタ以外では真面目そうな好青年といった感じなのです。
そのギャップもまた魅力になっていたのは間違いありません。
テレビでは2人の”いいひと”エピソードも多数紹介され、それも人気の秘訣となっていました。
まさに、「非常識なことをするためには、まず常識を知らなきゃいけない」を地で行くようなコンビに見えたわけです。

ところが、このコンビにはもうひとつの”実は”があったんです。
この9月4日(2019年)、週刊文春が報じたところによると、兼近大樹さんは2011年に売春防止法違反の疑いで北海道警厚別署に逮捕され、10万円の罰金刑を受けていたそうなんです。
本人もツイッターやラジオでそれを認めているので事実なのでしょう。
事件の内容は、高校3年女子生徒に複数の客(100人とも)を取らせ、上前を撥ねていたというものですから、刑罰の重さよりも印象はかなり悪いといわざるをえません。
これはテレビに出て笑いを取るひとが絶対にやってはならない犯罪のひとつといっていいでしょう。
”いいひとキャラ”を作っているならなおさらです。

ただ、これは兼近さんがお笑い芸人になる前のことですから、それを週刊誌が暴露することには一部から批判が上がり、所属の吉本興業も「前科を報道するのは公益性がない」といって週刊文春を訴える構えを見せています。
一方、当の本人である兼近さんは、いくつかの番組が中止になるも、出演を許可してくれたラジオで「いちから頑張ります」といって前向きに振る舞い、前科を自虐ネタにするなど、隠そうという素振りは微塵もなかったようです。
相方のりんたろー。さんも「いまのあいつを肯定してやりたい」といって、こちらも過去を直視しています(コンビ結成時に知らされていたそうです)。
こうなると隠そうとしている周囲の方がバカみたいです。
というより、吉本興業はその前科を知りつつ、”実はいいひとキャラ”でEXITを売り出していたのですから、これもまた社会に対する大きな罪のような気がしてなりません。
吉本は文春を訴えるより先に、そのあたりを説明して欲しいものです。

政府と一緒に事業をやるような大事務所よりも、チャラ男芸の兼近さんの方がずっと常識人だというのは、なんだか皮肉めいています。
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EXITは今後が難しくなりましたが、前科者ならではの芸に期待します。
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