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2019年はやらせの当たり年

「テレビ番組に立て続けに”うそ”が見つかると、視聴者は「これ、うそか」「他のももしかしたらやってんじゃないの?」っていう感じで信頼関係が失われちゃう」
バナナマンの設楽統さんは8月13日(2019年)のラジオ番組でそう嘆いていたみたいですけど、自分が司会を務める2番組にスタッフ主導の”やらせ”が発覚し、放送中止になってしまったのですから、本当にやるせない気持ちでしょう。
昨年は相方の日村勇紀さんの過去の未成年淫行が発掘され(条例がない時代)、紅白歌合戦の副音声などいくつか仕事がおじゃんになっていますし、いまの設楽さんの運気は最悪かもしれません。

さて、その”やらせ”ですが、まず11日に明らかにされたのがTBSの『消えた天才』。
これは色んな理由で若くして表舞台から消えた才能を紹介する番組ですが、リトルリーグで活躍した少年ピッチャーの投球映像を加工し、2割増しで速く見せていたといいます。
制作者からすると番組を盛り上げるための”演出”なのでしょうけど、なんともセコイ。
ですが、過去の試合や練習の映像を交え、ドキュメンタリーの要素を加えることで、番組にリアリティを出していただけに、視聴者に対する裏切り行為なのは間違いありません。
過去にも3件、スピード2割増しを行っていたそうですし、常習といっていいでしょう。
そこそこの天才を驚くような天才に仕立て上げねば成立しない番組だったということです。

そしてお次は私もショックだった『クレイジージャーニー』。同じくTBSの番組です。
この番組は紀行バラエティと銘打っていますが、クレイジーとしか思えない冒険家やジャーナリストやカメラマンなどが、普通のひとが決して近づかないような世界中の危険地帯や未開の地域に喜々として乗り込んでゆく、痛快リアルアドベンチャー番組でした。
私もファンのひとりですし、DVDもよく売れる人気番組であり、ギャラクシー賞(放送批評懇談会賞)をもらうような質の高い番組でした。

そんな番組で発覚したやらせは、メキシコの稀少爬虫類を探す企画で、番組中では悪戦苦闘の末、6種類を発見したといって放送しながら、そのうち4種類は番組スタッフが事前に用意していたものだったということです。
メキシコくんだりまで行って、「いませんでした」では盛り上がらないので、スタッフが気を利かせたのでしょう。
この〈爬虫類ハンター企画〉では、過去6回(10回中)も似たようなやらせを行っていたそうですし、こうなるともはや懐かしの『川口浩探検隊』のようですが、あちらは子供でもわかる”やらせ風”を売りにしていたので、事情はまったく異なるといっていいでしょう。
設楽さんとともに司会を務める松本人志さんが「番組の性質上ウソだとしたらアカンなー」とツイートしているように、リアリティを売りにしていた『クレイジージャーニー』ではあってはならない”演出”でした。

また、TBSによると、このやらせは現場ロケ担当スタッフの一存であり、番組や局が組織的に行っていたものではなく、企画の主役たる加藤英明氏(生物学者・静岡大講師)も知らなかったとのことですが、この言い訳を信じるひとがどれだけいるでしょう?
まず、希少なトカゲをあらかじめ用意するにはそれなりの予算が必要のはずです(日本で数十万する個体も)。プロデューサーなりがそれをチェックするなかで、わからなかったですむとは思えません。
5月に発覚した日テレ『イッテQ』の捏造偽祭りでも、現地に予算のかかる大規模セットを作っていながら、「現場スタッフがやった」で押し通していましたし、テレビ局というのは”尻尾切り”が常なのでしょう。
現場スタッフが真実を暴露すれば面白いのに。

そしてもうひとり正直になって欲しいのは加藤英明氏です。
他のバラエティ番組でもお馴染みの名物生物学者さんで、かなりの知識や経験を有しているはずなのですから、あらかじめ用意してあった爬虫類に気が付かないというのはちょっと信じられません。それこそ生物学者失格です。
むしろ”わかっていて過剰演出の手助けをした”といった方が将来のためになるはずです。
感じがよくてノリのいいひとだけに、それくらいのサービスをしそうですしね。
正直になってくれれば世間は加藤氏を責めません。
悪いのは番組サイドなのですから。

ここ15年ほどでガクッと力の衰えたテレビ業界ですが、視聴者が求めるキーワードは”ためになる””役に立つ”だといわれています。
わかりやすいのはバラエティ番組で、さる調査では情報・教養系が人気4位なのに対し、お笑い系は6位なんです。ポイントにもかなりの開きがありました。
さらにはドキュメンタリーが2位に入っていることからも、視聴者がテレビに対して、一過性の娯楽以上のものを求めていることがわかります。
(1位はニュース。)

そういった傾向のなかで、やらせ・捏造があった上記の3番組はそれぞれドキュメンタリー風のリアリティを売りにしていました。視聴者のニーズに合わせた番組作りなのは間違いありません。
だからこそ今回の不正は、テレビにとって大打撃になる可能性があります。
求めに応じるふりをした嘘ほど失望は大きいものです。
2019年は、テレビというメディアの曲がり角になるかもしれませんね。
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