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マラソングランドチャンピオンシップを今後も続けるべき

マラソンの五輪代表選考といえば、基準が曖昧で毎度のようにもめていたわけですが、2020年は自国開催ということで、陸上連盟も思い切った改革をしました。
それはマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)。
指定された大会の順位・タイムをクリアした一流選手だけが集い、”一発勝負”で代表選手を決めるという至極明快な方式です。
日程やコースも本番のそれに近いため、ここで勝てば東京五輪でも期待が持てることになり、文句のつけようもありません。

そうして9月15日に号砲が鳴らされることとなったMGCですが、男子が8時50分スタート、女子が9時10分スタートという男女同日開催ということで、東京は俄然盛り上がっていたはず。
テレビなどでの事前報道も手厚く、日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーも「視聴率男女合計40%をくらいいくんじゃないですか」と大いに期待を膨らませていました。
過去の選考レースの視聴率からすると、余裕で届くんじゃないでしょうか。

なかでも注目なのは、大迫傑と設楽悠太の新旧日本記録保持者の直接対決。
日本で一番強くて速いのはどちらなのか、マラソンファンじゃなくても気になるところです。
東京五輪ではメダルの期待もかかりますから、その実現可能性を国民に示すためにも、2人はハイレベルな戦いをせねばなりません。
このMGCは2位に入れば五輪内定、3位だと内々定となりますが、多くのひとが大迫と設楽がワンツーフィニッシュを飾ると思ったのではないでしょうか。

レースはまず「先行逃げ切り」を予告していた設楽が宣言通り飛び出し、独走状態に入るも、徐々に足取りが重くなってゆくと、35キロ過ぎに荒波のような第2集団に呑込まれ、藻屑のように小さくなってゆきます。
さらにその頭集団のなかから抜け出したのは、大迫、服部勇馬、中村匠吾の3選手。
大迫と服部は優勝候補に挙げられていたのに対し、中村はあまり名が知られた選手ではありませんでしたが(18年ベルリン
4位)、39キロの終盤の上りで先に仕掛けたのはその中村。
大迫と服部もこれに食らいつき、レースはヒートアップし、41キロで大迫が仕掛けるとボルテージはマックスに。
やはり日本記録の大迫が強くて速い、多くにひとが大迫の優勝を予想したかもしれません。

しかし、予想外の強さを持っていたのが中村。
大迫のギアアップについていっただけではなく、さらにギアを上げて大迫を振り切る圧巻の走り。
中村はそのままの勢いで大興奮の明治神宮外苑銀杏並木を駆け抜け、ゴールテープを切り、見事五輪内定を掴みとりました。タイムは2時間11分28秒。
天晴れな走りとしかいいようがありません。

そして、もう一枠の2位の方は、中村との戦いで消耗した大迫を服部が捉え、短くも大きな3秒差をつけてゴール。
中村のスパートにはあえてついてゆかなかったのかよくわかりませんが、大迫よりも服部がクレバーだったということでしょうか。
そして「完敗」と語った大迫は、日本の夏のマラソンが初めてということと、終盤の上りがこたえたのかもしれませんね。
日本最高記録を持っていても、まだ日本一の選手ではなかったということです。これからも精進ですね(丸刈りにしてお坊さんのようでした。佐久長聖時代を思い出します)。

9時10分からの女子でもあまり注目されていなかった前田穂南が2位に3分40秒もの大差をつけてレースを制していましたし、”暑さ”と”上り”という環境はやはり大きな影響を与えたのかもしれません。タイムは2時間25分15秒でした。
2位は優勝候補の一角だった鈴木亜由子、3位はリオ五輪のとき1秒で代表を逃して有名になった小原怜。今回は必死に追いすがるなかでの4秒差でした。

こうして男女2名ずつの内定が出たわけですが、残りの1枠は今年から来年にかけての3つのレースで、男子は2時間5分49秒、女子は2時間22分22秒を破った選手が獲得できることになっているものの、このタイムは日本国内のレースで出すのはかなり厳しい設定になっています。
それを破った選手がいない場合は今回の3位なので、大迫と小原もほぼ決まりといっていいでしょう。
しかし、MGCファイナルと銘打った3つの大会には、不可能を可能に変えるため、蜘蛛の糸にすがるような気持ちで、敗者復活にかける有力選手たちが参戦するわけです。
これはこれで盛り上がるに決まっています。日本人はこういうの好きですしね。

ちなみに、今回のMGCの視聴率は男子16.4%(TBS)、女子13.5%(NHK)とあまり伸びませんでした。
瀬古さんも悔しがっているはず。
三連休の中日の日曜ということもあるでしょうけど、おそらく、まだこの代表選考方式が国民の間に浸透していないせいじゃないでしょうか。
MGC一での発勝負の面白さと、最後の夢に縋るファイナルという形式はとてもよく出来ていますし、MGCに出場するためには指定レースで既定のタイム・順位を取らなければならないため、選手たちもこれまでのように国内の団子争いだけを考えているわけにもゆかず、世界基準での強化と意識改革に繋がっているようにも思います。

陸連によると、この選考方式は東京五輪限りとのことですけど、私は今後もこれを続けることを支持します。
大会スポンサーのことを考えても、この形式が国民間に定着すれば、MGCシリーズ(指定大会)、MGC、そしてファイナルと、注目の大会が増えることになりますし、これまでの選考方式にこだわる必要はないはずです。
エキサイティングな選考方式はマラソン界を盛り上げますし、いまの選手たちがぐんぐん実力を伸ばしていることを見ても、これが正解です。
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