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ラグビーW杯2019、劇的サモア戦

2019ラグビーW杯、予選プール3戦目の相手はサモア。
日本はここまで2連勝という快進撃を見せ、これに勝てば決勝トーナメントも見えてくるなか、メディアで多く語られていたのは「ボーナスポイント」でした。
日本は前回大会、3勝1敗という好成績ながら、ボーナスポイントの差で惜しくも予選プール敗退となってしまいましたから、これに注目するのもわかります。
しかし、今回の目標は予選通過ではなく、複数の選手が語っているように「決勝戦進出」なのですから、予選はボーナスなど考えず、4連勝すればいいだけです。
ですから、私は昨日10月5日のゲームも「勝てばいい」という気持ちでテレビ観戦していました。

ちなみにイギリスのブックメーカーがつけたオッズは、日本1.12倍に対し、サモアが7.5倍という大差。
世界中の誰も日本が負けるとは思っていません。
そういう状況のなか、この日の日本は手堅い立ち上がりで、前半8分までに2つのPGで6点をまず奪い取ります。
キッカーの田村優も落ち着いていました。
ただ、なんとなくチーム全体の動きが鈍く、積極性が見られないでいると、サモアに連続でPGを決められ、あっという間に6-6の同点。
日程的に疲れが出る時期でしょうし、勝たなきゃならないプレッシャーもあるでしょうし、豊田スタジアムはちょっと重苦しい雰囲気でした。
逆にサモアは負ければ予選敗退という状況なので、気持ちが入ったいいプレイをしていました。

それが変わったのは前半24分、相手が危険なタックルでシンビン(10分間退場)を食らい、日本が数的有利になってから。
まずはこのファイルから田村が3本目のPGを決め、28分、リーチ・マイケルが相手ボールを奪ったところから右に振り、松島幸太朗が粘りのランでサモアDFを食いつかせてから逆サイドに大きく展開し、最後はラファエレ・ティモシーのトライ!よっしゃああ!
(イケメンでも知られるラファエレはサモア出身で大学から日本在住、17年に帰化しています。)
田村のコンバージョンキックも決まり、16-9とサモアを突き放し、そのまま前半終了。
日本はフィジカルの強いサモア相手にキックを多用し、肉弾戦を回避し、相手を走らせるという戦術だったと思いますけど、まずまず上手くいっていたんじゃないでしょうか。

後半は体力的にも戦術的にも日本のペースになると思われましたが、サモアのモチベーションが想像以上に高く、日本は受けに回ってしまい、後半5分にはPGを決められ16-12。
日本は消極的でちょっと嫌な雰囲気。これって前のアイルランド戦に似ています。あのときのアイルランドが日本で、日本がサモアみたいな…。
日本はそのすぐあとのペナルティでPGを選択するも、難しい場所からだったこともあって、惜しくもミス。
番狂わせを演じるのはいいけど、食らうのは嫌!
(割とすぐに笛をふく主審だったのでPG合戦のようになっていました。)

そんなじれったい空気を打ち消したのは、地元愛知県出身の姫野和樹!
後半11分、得意の”ジャッカル”でサモアの反則(ノット・リリース・ザ・ボール)を誘発します。
この”ジャッカル”は、どんなエサにでも食らいついて放さないイヌ科のジャッカルから来ているんでしょうけど、名前とは真逆の獰猛さを見せた姫野の技量と執念はチームを大いに鼓舞し、これをきっかけにしたPGを田村がきっちり決めて19-12。

これで流れが日本にやってきたのか、14分にはラインアウトからモールでぐいぐい押し込み、サモアの守備が崩れたところで左にボールを出し、最後は姫野がトライ!愛知のお客さんも大喜び!
田村のコンバージョンも成功し、スコアは26-12という安全圏へ。
勝利が明確に見えてきたことでボーナスポイントへの欲も出てきます。
ジョーカー福岡堅樹も投入されました。

ところが、それが油断に繋がったのか、追い込まれたサモアが最後の力を振り絞るようにして攻勢をかけてくると、日本はあっという間に押し込まれ、この日最大のピンチ。
しかし、これを凌げばサモアはがっくりきて心が折れるはず、がんばれ桜の勇者たち!
そして日本ゴール前でのスクラムとなったものの、ここは日本のFW陣が耐えきって、サモアがボールを回そうとしたところへリーチが鋭い出足のタックル!満身創痍で万全ではないリーチですが、ここぞのプレイはさすがキャプテン!
さらに姫野の2度目のジャッカルも炸裂して日本ボール!これはデカい!
明日から日本のどこに行っても”ジャッカル姫野”で通りそう。

64分の日本はベテランSH田中史朗が投入され、チームに最後の鞭を入れます。
田中は知性的なボール回しだけではなく、ここぞの場面では166cmの小さな体でタックルにゆく狂気を持った稀有な選手。
それが味方に勇気を与えます。

しかし、この日の日本は細かいミスが多かったのと、連戦の疲れが抜けきっていないせいか(試合日程が楽なので選手の入れ替えがほとんどなく、個々の披露の蓄積があると思われます)終盤はへばってしまって、苦しい時間帯。
一方のサモアはもう試合を諦めるかに思われましたが、W杯という舞台は選手たちに限界以上のパワーを発揮させるのか、32分、サモアが挫けることなく攻めてきて、最後は華麗なターンからのトライ。
コンバージョンも決まって26-19。
W杯は甘くないと思い知らされる逆襲でした。
サモアはデカい選手が多くてスタミナ切れが早いはずでしたが、終盤の粘りは敵ながら立派。

こうして7点差という、しびれる点差になってしまい、ボーナス云々いっていられなくなりましたが、それがかえって日本のお尻に火を点けたのか、にわかに積極的になった日本は左サイドを大挙して押し込んでから右に大きく振って、完全なる数的優位を作ると、レメキ・ロマノ・ラヴァから福岡に繋いでトライ!お見事!
田村のキックは外れたものの、31-19と再び突き放します!
(この日のPOMはレメキ。18歳でニュージーランドからやってきて、その後日本人女性と結婚、帰化。ホンダヒートに所属するNSXのようなウィング。)

残り時間はあとわずか。
サモアにトライ&コンバージョンを決められても勝ちが揺るがない状況となった日本が目指すのは”4本目のトライでのボーナスポイント”。
最後の力を振り絞った桜の15勇者たちが一丸となってモールで攻め込むも凌がれ、サモアは蹴り出せば試合を終わらせることができますが、彼らにも意地があるので自ら白旗を上げるのではなく、スクラムを選択。7点差負けならボーンスポイント1が手に入るということもあるでしょう。

そのサモアボールでのスクラム。
互いの意地と意地がぶつかり合うなか、スタンドからの熱い声援をパワーに変えた日本が押し勝ち、次は日本ボールでのスクラム。
このときの日本の鬼気迫るような攻めは圧巻でした。
スクラムでも認定トライを奪いに行くような圧力で、じりじりと大きなサモア人たちを押し込むと、ボールを引き出した田中が左に振って松島へ。
松島は切れのあるステップで、ひとりかわし、ひとりにタックルされたまま劇的トライ!待望のボーナスポイントゲット!
興奮と熱狂が渦巻くなか、田村のキックも決まっての美しい勝利!
やったあああ!

それにしても本当に出来過ぎなまでの試合でした。
映画やドラマでも描けないようなストーリーだったといっていいでしょう。
今大会の日本代表は物語に出てくるようなチームです。
もうどこまで突き進むか誰も想像ができません。
ニッポンは強い!
そしておもしろい!
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