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羽生結弦、思い出の四大陸初制覇!

この2020四大陸選手権を前に、羽生結弦がプログラムを『バラード第1番』と『SEIMEI』に変更すると発表した際、私も少々戸惑いましたし、フィギュアファンやフィギュアメディアでは否定的な反応が多かったかもしれません。
両方とも羽生結弦を代表するプログラムであり、本人も「力を与えてくれる」といって絶対の信頼を寄せるプログラムですが、『バラード第1番』は4度目、『SEIMEI』は3度目になるので、さすがにやりすぎ感は否めません。
フィギュアスケーターは新しいプログラムを提供するのもひとつの使命ですからね。

もちろん、羽生結弦だってそんなことは重々承知のはずです。
それでも変更に踏み切ったのは、やはり”勝ちたい”せいでしょう。
グランプリファイナルと全日本で悔しい2位に終わり、このまま負けぐせがつくのが嫌だったのかもしれません。
ただ、10月のスケートカナダで『秋によせて』と『Origin』を使って322.59というPBを出していることを考えれば、変更が正解とも限らず、リスクのある選択だということは確かです。
それでもなおそこに踏み切ったのはGPFでネイ・サンチェンが出した335.30があるはずです。
このインチキくさいまでに規格外なスコアに立ち向かうためには、勇気を与えてくれるプログラムが必要だったのです。
私はそういう羽生結弦の勝利への執念に身震いしました。

そうして迎えた四大陸選手権SPでは、「ワインやチーズのように」熟成させた『バラード第1番』のラベルに世界最高スコアとなる111.82(PCS48.40)を刻み、羽生結弦が目指すフィギュアスケートの美しさ、フィギュアスケートとはこうあるべきというメッセージを、完璧なる演技という無言の圧力によって、世界のフィギュアファンとフィギュア関係者に強烈に訴えかけました。
最近のシングルではジャンプ重視という傾向のなか、表現面は振り付けをなぞるだけの”やっているふり”ばかりになってしまい、しかもジャッジがそれに高得点をつけるという有様で、芸術性は失われかけているといっていいでしょう。
羽生結弦は勝利にこだわっていると同時に、歴史的王者として、現在の第一人者として、フィギュアスケートの価値を必死に守っているのです。
それもまた強烈なる使命感です。

優勝への期待と重圧がかかるなか、ルール改定によって以前より30秒短くなったFSの『SEIMEI』では、冒頭の4Lzで大きくステップアウト、後半の4Tでも転倒があって187.60(PCS91.28)というスコアに留まったものの、トータル299.42で四大陸選手権を初制覇。
四大陸といえば、初出場した11年にシニアの国際大会で初となる表彰台(2位)に立った思い出深い大会ですが、それから優勝までずいぶんとかかってしまったことに本人も感慨深げでした。
しかも、これでスーパースラムとかいう珍しい記録も達成し、伝説がさらに分厚くなったといっていいでしょう。
また、表彰式では、あの頃の自分と同じ年齢の鍵山優真くんが素晴らしい演技で3位に食い込んだことを大いに喜び、ねぎらう(かわいがる)姿も印象的でした。
鍵山くんは羽生結弦と同じように、技術だけではなく、美しさと洗練を求めている選手だけに、そういう選手が日本から出てきたことに嬉しさもひとしおなのかもしれません。

さて、ミスが散見されたとはいえ、FSの『SEIMEI』を観ていると、羽生結弦がプログラムを変更した理由がはっきりとわかるようでした。
『Origin』では意識的にも無意識的にも、キレや見得や迫力を重視した”プルシェンコっぽい演技”を求めてしまいます。
それに対して『SEIMEI』には、羽生結弦らしいしなやかさと妖艶さ、蕾が徐々に綻んでゆき大輪の花を咲かせるような、日本人らしい繊細な華やかさがあります。
『SEIMEI』の音楽は呪い的な効果があるのか、表現面では集中できていたと思いますし、繋ぎの動きも本当に自然で滑りやすそうでした。
今季は”後半の息切れ”が課題ですが、そこの部分もだいぶ改善が見られ、ジャンプミスも質の悪いものとも思われず、私は世界選手権に向けて視界良好と見ました。

3月のモントリオールを楽しみに待ちましょう!
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