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悲しき父親を忘れない

中学1年生で北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父である横田滋さんは、それがいかに残酷なことであるかを我々に教えてくれるために、趣味で撮ったたくさんの家族写真の展示を全国で行い、私もそれを拝見したことがありますが、そこに映る横田さんご一家は飛び切りの笑顔に溢れていて、思わず胸が締め付けられました。
最も有名な一枚である”中学生になった娘”でのめぐみさんは硬い表情をしているので、それ以外を知らないという方は、ぜひ他の写真を見て欲しいものです。
そこには滋さんの家族への愛情が溢れていて、「写真には撮影者の人柄が出る」という言葉がはっきりとわかるはずです。

その横田滋さんが6月5日(2020年)に87歳で亡くなられたというニュースは、ある世代以上の日本人にとっては、本当に重たいものでした。
人生の半分近くを娘の奪還に捧げた父が、それを果たすことなく息を引き取った無念を思い、唇を噛んだひとも多いのではないでしょうか。
私もひとりの日本人として、ひとりの人間として、滋さんに気持ちを寄せると同時に、もっと何かできることがなかったのかと、悔しさと憤りがこみ上げています。

長らく拉致問題に取り組んできた安倍晋三総理も、急遽記者会見に臨み、滋さんのご冥福を祈り、ご家族にお悔やみの言葉を差し上げながら、めぐみさんを取り戻せないことを「断腸の思いでありますし、本当に申し訳ない思いで一杯であります」と述べていました。
安倍総理も滋さんとは四半世紀の付き合いといいますから、その悔しさと悲しさは計り知れません。
いまは米朝交渉もあって日本単独で拉致事件を動かすことも難しい状況ですから、不甲斐ない思いもあるでしょう。

私などはそういう安倍総理を批判する気にもならなかったのですが、拉致被害者家族会の元副代表であり、弟さんを拉致されていた蓮池徹氏は、自身のSNSで「安倍総理は拉致被害者を救出するなどという気はさらさらない」「(国民のみなさん)今こそ、安倍首相責任を取ってください!と叫ばなくてはなりません」といって厳しく糾弾していました。
いつもなら安倍バッシングをしそうな特定野党やマスコミが安倍総理の責任論を叫んでいないので、かなり目立っているといっていいでしょう。
私は同調できませんが、政府をせっつくという意味においてのみは、貴重な意見かもしれません。

おそらく蓮池徹氏は、”政治は結果責任”といいたいのでしょう。
これが大切な考え方なのはいうまでもありませんが、政治にはもうひとつ、”不作為責任”というものがあります。
拉致事件というのはまさにこれです。
2002年の小泉訪朝まで、自民党も野党も、そしてマスコミも、拉致事件をほぼ無視していたのを我々は忘れていません。
野党とマスコミが安倍総理を大声で批判しないのも、その過去があるからでしょう。

日本では与党も野党もマスコミも妙なリベラルに寄っていて、平和主義の名を借りた事なかれ主義なので、この3つが同じ方向に進んでしまったとき、国民が蔑ろにされてしまうことがあります。
拉致事件がまさにそれであり、横田滋さんはその不作為責任の悲惨さを、身をもって我々に教えてくれました。
日本人は、横田滋という悲しき父親を、絶対に忘れてはなりません。
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