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2020メジャーリーグ開幕、悲しき無限大

野球の〈防御率〉というのは、その投手が9イニング・27アウトを投げたと仮定した場合に失う点数の平均であり、少なければ少ないほどいい成績になるわけですが、ときおり成績欄に”∞”(無限大)と表記されていることがあります。
これはその投手が1アウトも取ることもなく失点してしまっていることを意味しています。
ゼロアウトなので防御率の計算ができないわけです。
もちろん投手としてはかなり悲惨な表記になりますが、開幕直後ならそう珍しいことではありません。
たとえば同点の9回裏にシーズン初登板のリリーフピッチャーがいきなりサヨナラホームランを打たれてしまえば、あっという間に∞です。

今日7月27日(2020年)、メジャー初登板だった山口俊(ブルージェイズ)などはそれに近い状況でした。
今季のメジャーは武漢ウイルス対策として、試合を早く終わらせるために、延長10回からは無死2塁からのタイブレーク制を導入しているのですが、1点リードの10回裏のマウンドに上がった山口は、先頭打者に四球を与えて1・2塁にすると、次打者に2点タイムリーを打たれてあえなくサヨナラ負けを喫してしまいした。
試合後の山口は淡々と投球を振り返っていたようですし、特殊ルールのせいと思って、次は開き直って投げて欲しいものです。

ただ、そんな∞の防御率も、先発投手だとかなり珍しいことになります。
先発が1アウトも取れずに降板するというのもめったにありませんし、それがシーズン初登板ならなおさらです。おそらく何十年に一度という珍記録、それもかなり不名誉な珍記録ということにになることでしょう。
ですから、今日2年ぶりにメジャーのマウンドに戻ってきた大谷翔平(エンゼルス)が、その珍記録に名前を残してしまったことは大きな衝撃でしたし、信じられない思いです。
1アウトも取れずに3四球3安打5失点、ランナーを残したまま、わずか30球での降板はまるで悪夢のようでした。
ちなみに、メジャーで先発投手が1アウトも取れずに降板したのは2004年のボーグルソン(元阪神タイガース。懐かしい)以来とのことです。

自慢の速球は平均が150キロに満たず、変化球も制球が定まらないという目も当てられない内容でしたし、なによりも肘の手術を経て変更した新フォームがまったくしっくり来ていない様子は、不安しか残しませんでした。
下半身との連動性がなく、いわゆる”野手投げ”になっていましたけど、次の登板までにこれが修正できるものなのでしょうか?
フォームが固まっていないなかで投げ続け、肘の怪我が再発することが心配です。
チームから離れ、調整すべきとしか思えません。

通常、大谷のように腱移植手術を受けた投手は、1年数ヶ月のリハビリを経たあと、マイナーで何試合か投げて、実戦感覚を取り戻したり、投球後の肘の張りのチェックを繰り返すものです。
ダルビッシュ有もそうでしたし、大谷も本来はそうすべきです。
ところが、今季は特別な事情があって、武漢ウイルスのせいでマイナーリーグが創設以来初めての中止となってしまっているので、そこでの調整ができないんです。
大谷が酷い姿をさらしたのも、そこに原因のひとつがあるといっていいでしょう。ぶっつけ本番すぎたわけです。

ただ、このままローテーションで”調整登板”を続けるのは、チームにも本人にも決していことではないはずです。
ファンも怒りますぜ。
今季のエンゼルスの大谷の起用方針は、中6日で先発登板させ、その前後は準備と休養、4日間はDHでバッターボックスに立たせるというものですが、そういうスケジュールのなかで新フォームを修正することはかなり難しいはずです。
開幕前の練習中に頭部に打球が当たってローテーションを外れている田中将大(ヤンキース)は、チームに帯同せずに調整を続けていて、実戦形式もベンチ入りを外れたチームメイト相手にピッチングをしていますが、大谷はそれ以上にじっくりと仕上げなければならない状態のように思います。

可能性が無限大だったはずが、いまは不安が無限大です。
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