東池袋事故初公判、異常なのはどちらなのか
2019年4月に東池袋で起きた高齢ドライバーによる残酷な事故は日本社会を大きな憤りに包みましたが、それから約1年半が経った今日10月8日、ようやく初公判が開かれました。
そこで検察が「被告はブレーキとアクセルを踏み間違えて歩行者を次々とはね、母子を死亡させた他9人に重軽傷を負わせた」という過失運転致死傷で訴えたのに対し、飯塚幸三被告89歳はそれを真向から否定し、「アクセルペダルを踏み続けていないと記憶している。車になんらかの異常があって暴走した」として”無罪”を主張しました。
飯塚被告はかねてより警察やマスコミにそう説明してきましたから、それを変えなかったわけです。
しかし、その飯塚被告のいい分を、検察は定期点検の状況や科学的根拠をもとに、「車には異常はなく、車の記憶装置にはアクセルを踏み込んだデータとブレーキを踏んでいないデータが記録されていた」と厳しく否定しました。
飯塚被告側からそれに対する具体的な反論はありませんでしたが、次回以降なにか出せるのでしょうか?
被告が事故を起こしたトヨタのプリウスにおいて、”アクセルペダルを踏んでいないのに加速する”という不具合はここ数年報告されていませんし、常識的にいえば無茶苦茶な無罪主張です。
確かに自動車の事故では自動車自体の構造やシステムに問題があるケースもないわけではありません。
三菱自動車のリコール隠しによる大型トレーラーの事故などは、池井戸潤さんによって『空飛ぶタイヤ』という小説にもなりましたし、まだまだ記憶に新しいところですしね。
プリウスも過去に不具合がいくつか出ているので、東池袋事故もトヨタの責任という可能性がゼロではないともいえますが、それならそれで飯塚被告側からなにか確たる反証が出てこなければなりません。
それは被害者遺族に対する人間としての義務でもあります。
ちなみに、18年2月に東池袋事故と似たような高齢ドライバーによる暴走死亡事故があったのですが、レクサスを運転して被告となった当時78歳の石川達紘被告は「車に電子的・機械的な異常がある」として無罪を主張し、今年2月の初公判でも過失運転致死を否認しています。
石川被告は名古屋高検検事長まで上り詰め、退職後は弁護士としても活躍した人物なだけに、裁判ではかなり具体的な反論をしたり、リコールの専門家を証人に呼んだりと、強烈な対抗姿勢を見せていましたけど、無罪を主張するならばそれくらいすべきというわけです。
(10月3日に禁錮3年が求刑され、判決はこれからです。)
それに対し、飯塚被告の場合は自分の記憶のみを証言するだけで、なんの具体的反証も示していません。
私はこの不誠実さに心底腹が立っています。
そういえば、このひとは事故直後も救急車を呼ぶでもなく、息子に電話をかけたそうですよね。
そうして飯塚被告はかねてより”自分に責任はまったくない。プリウスが悪い”という主張を繰り返し、テレビ局の取材に対しても「メーカーの方には高齢者が安心して運転できるよう心がけていただきたい」という他人事のようなコメントを残していますが、普通の人間ならばまずは自分に非があったのではないかと考えるのではないでしょうか。
飯塚被告は旧通産省工業技術院の元院長という肩書と瑞宝重光章を持ち、”上級国民”という言葉を流行させたスーパーエリートなだけに、感覚が違うのかもしれませんが。
私は飯塚被告の無罪主張は”公判引き延ばし”が目的だと勘ぐっています。
飯塚被告は自分の責任を認めていないだけに、被害者遺族との示談もしていませんから、執行猶予付きの有罪判決を狙おうともしていません。
おそらく、自分の寿命を見ながら、最高裁判決が下りる前にはあの世に旅立っていると計算しているのではないでしょうか。
そうすれば刑務所に入ることも、自分の輝かしい経歴に傷をつけることもありません。
そんな上級国民の往生際の悪さのせいで、これから数年、日本社会はとんでもない不正義を目の当たりにすることになるでしょうし、被害者と被害者遺族のみなさんの苦しみは想像を絶します。
とにかく裁判を急ぐべきです。
あの世に逃がしちゃいけません。

そこで検察が「被告はブレーキとアクセルを踏み間違えて歩行者を次々とはね、母子を死亡させた他9人に重軽傷を負わせた」という過失運転致死傷で訴えたのに対し、飯塚幸三被告89歳はそれを真向から否定し、「アクセルペダルを踏み続けていないと記憶している。車になんらかの異常があって暴走した」として”無罪”を主張しました。
飯塚被告はかねてより警察やマスコミにそう説明してきましたから、それを変えなかったわけです。
しかし、その飯塚被告のいい分を、検察は定期点検の状況や科学的根拠をもとに、「車には異常はなく、車の記憶装置にはアクセルを踏み込んだデータとブレーキを踏んでいないデータが記録されていた」と厳しく否定しました。
飯塚被告側からそれに対する具体的な反論はありませんでしたが、次回以降なにか出せるのでしょうか?
被告が事故を起こしたトヨタのプリウスにおいて、”アクセルペダルを踏んでいないのに加速する”という不具合はここ数年報告されていませんし、常識的にいえば無茶苦茶な無罪主張です。
確かに自動車の事故では自動車自体の構造やシステムに問題があるケースもないわけではありません。
三菱自動車のリコール隠しによる大型トレーラーの事故などは、池井戸潤さんによって『空飛ぶタイヤ』という小説にもなりましたし、まだまだ記憶に新しいところですしね。
プリウスも過去に不具合がいくつか出ているので、東池袋事故もトヨタの責任という可能性がゼロではないともいえますが、それならそれで飯塚被告側からなにか確たる反証が出てこなければなりません。
それは被害者遺族に対する人間としての義務でもあります。
ちなみに、18年2月に東池袋事故と似たような高齢ドライバーによる暴走死亡事故があったのですが、レクサスを運転して被告となった当時78歳の石川達紘被告は「車に電子的・機械的な異常がある」として無罪を主張し、今年2月の初公判でも過失運転致死を否認しています。
石川被告は名古屋高検検事長まで上り詰め、退職後は弁護士としても活躍した人物なだけに、裁判ではかなり具体的な反論をしたり、リコールの専門家を証人に呼んだりと、強烈な対抗姿勢を見せていましたけど、無罪を主張するならばそれくらいすべきというわけです。
(10月3日に禁錮3年が求刑され、判決はこれからです。)
それに対し、飯塚被告の場合は自分の記憶のみを証言するだけで、なんの具体的反証も示していません。
私はこの不誠実さに心底腹が立っています。
そういえば、このひとは事故直後も救急車を呼ぶでもなく、息子に電話をかけたそうですよね。
そうして飯塚被告はかねてより”自分に責任はまったくない。プリウスが悪い”という主張を繰り返し、テレビ局の取材に対しても「メーカーの方には高齢者が安心して運転できるよう心がけていただきたい」という他人事のようなコメントを残していますが、普通の人間ならばまずは自分に非があったのではないかと考えるのではないでしょうか。
飯塚被告は旧通産省工業技術院の元院長という肩書と瑞宝重光章を持ち、”上級国民”という言葉を流行させたスーパーエリートなだけに、感覚が違うのかもしれませんが。
私は飯塚被告の無罪主張は”公判引き延ばし”が目的だと勘ぐっています。
飯塚被告は自分の責任を認めていないだけに、被害者遺族との示談もしていませんから、執行猶予付きの有罪判決を狙おうともしていません。
おそらく、自分の寿命を見ながら、最高裁判決が下りる前にはあの世に旅立っていると計算しているのではないでしょうか。
そうすれば刑務所に入ることも、自分の輝かしい経歴に傷をつけることもありません。
そんな上級国民の往生際の悪さのせいで、これから数年、日本社会はとんでもない不正義を目の当たりにすることになるでしょうし、被害者と被害者遺族のみなさんの苦しみは想像を絶します。
とにかく裁判を急ぐべきです。
あの世に逃がしちゃいけません。


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